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2018年06月09日

250万ヒットありがとうございます

 バーチャルYouTuberについて、黎明期の12月にたまたま縁があった関係で頑張って業界の展開や新人のチューバ―を捕捉していたのだが、凄まじい発展に伴う情報量・求められる拘束時間の増加で、いよいよもって履修を断念しなくてはならない。今現在の人間の脳みそでは、余暇の時間を注ぎ込まないと情報を処理できない。中途半端にモグリになるくらいならすっぱり諦める、と変なプライドが働いているのが今の状態。自分と似たような人はけっこういるんではないか。これは別に、企業のどこかやVTuberの誰かが悪いということではない。 一企業のコンテンツなら供給量やペースを制御できるけど、VTuberの企業や個人の垣根を越えた盛り上がりはそういった分類とは違うし。別の視点で、供給過多なくらいのスピード感やライブ感は間違いなくコンテンツの魅力だったし。そういうわけで、私の脳みそが突然進化して、圧縮した情報の解釈や平行スレッドの情報処理に最適化されればまた履修を再開する予定。
 『万引き家族』を見てきたけど、この作品を反社会的だ犯罪賞賛だと言っている人は、メインビジュアルとタイトルしか見ていない人か読解力という概念を持ち合わせていない人だと思いたい。この作品のエッセンスは、反社会の上に成り立った疑似家族の浅ましい崩壊と、僅かな社会性の回復、自我の萌芽などだ。
 そういえば、ブログのページビューが250万を突破していた。感謝の言葉もございませぬ。読んでくれる人がいるから、このブログは続いている。これからもよろしくお願い申し上げる。

返報性の原理 - Wikipedia

人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。


エバンジェリスト - Wikipedia

IT業界では、技術的話題を社内外に解りやすく説明・布教する使命を持つ「テクニカルエヴァンジェリスト」という職業も存在している。


デーモン・ナイト - Wikipedia

「関係者全員が馬鹿でなければ成り立たない」ようなプロットをイディオット(馬鹿)・プロットと呼ぶ。


素晴らしき日々~不連続存在~ フルボイスHD版
 第一報ではフルボイス・HD化対応だけに見えたが、どうやらルートが追加されるらしいので期待が高まっている。あっ、すばひび関連の記事は現在2本書いていて、フルボイスHD版の発売前に仕上げる予定。

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2018年05月30日

かえみとを見てください、よろしくおねがいします。

 今まで黙っていましたが、私はかえみとの大ファンです。みなさんもかえみとを見てください、よろしくおねがいします。

かえみとの鍵貸します
 かえみととは、バーチャルYouTuberの月ノ美兎(委員長)と樋口楓(でろーん)のペアのことです。


 二人のコラボ動画だけでなく、Twitterでの絡みや個別動画での相手に対する言及、あるいはオフラインで彼女らが取った(と推測される)行動まで含めてそう呼ばれています。
 はたして委員長とでろーんのムーブメント・相互作用を作品やコンテンツと呼んでよいのか、私には何とも言えません。しかし、自分が最近観賞した芸術でこれほどまでに感情を揺さぶられたモノは覚えがないです。かえみとと同等に、息もつかせぬ劇的な展開に惹きつけられて、掛け合いでは腹がよじれるほど笑わせてきて、幕間では気が気じゃないほどやきもきさせて、クライマックス(いったんニコニコ超会議をそう呼ぶ)では微笑ましさで身悶えさせてくる作品を知っているかと聞かれると、とっさに答えが出せません。

かえみとの耐えられない尊さ
 かえみとの何が面白いのか、どんなところが尊いのか、かんたんに書きます。

 ストーリー(?)があまりにも熱すぎる。不穏の谷あり歓喜の山あり、アクシデントも含んだ波瀾万丈の展開があって目が離せない。しかもそれが3ヶ月足らずの期間で起こるので密度と臨場感がとんでもない。伏線(?)も綿密に張られていて、意味深な態度や何気ない言葉が思いもよらぬ場面で重要な意味を帯びてきてはっとさせられること必至。あまりの完成度の高さに「いったい誰が脚本を書いてるんだ?」とわけがわからなくなったのは私だけではあるまい。
 生きているニンゲン同士だからこその、発露される感情の熱量が凄まじい。きれいなものだけでなくきたないものも含めて情感に溢れていて、だもんだから感情移入の度合いがとんでもないことになる。
 とにかく行間や幕間を読ませてくる。二人のやりとりやつばぜり合いにどんな思いが込められていたのか、配信の外で二人がどんな会話を交わしたのか、Twitterの意味深な投稿やいいねにどんな感情が隠されているのか、受け手にいろいろと想像させてくる。かえみとは文学。
 コラボの数をこなすうちにお互いの呼び名が変わっていき、合わせて口調や空気感も見違えて軽快になっていく。二人の関係性の変化と距離の縮まりようがありありとうかがえて、とてもエモい。
 動画配信というコンテンツだけでなく、SNSも通じてマルチメディアに質感をぶつけてくる。わりと殺しに来ている。
小道具(?)もめっちゃ凝ってるんだよなぁ……。
 ビジュアルがやばい。アバターは2Dのモデルだけあって精緻にデザインされていて、単体でも完成度が高い。そして長身のイケメンで銀髪の映えるでろーんと、見た目は清楚なお嬢さんで翠髪が美しい委員長が並んだときの調和が素晴らしい。
 体育会系で対人能力に優れながらもあやうい闇を抱えているでろーんと、文化系でクソザコ気質だがいざという時の胆力が凄くて熱いものを秘めている委員長。性格も趣味嗜好もバックグラウンドもまったく違っていて、歳も一回りくらい離れていそうなのに(同い年だけど)もの凄く仲がよくて微笑ましい。数ヶ月の付き合いで完全に打ち解けている。
 一人でも抜群にキャラが立っていて、ピンの芸人としてトークや仕切りやリアクションの実力も申し分ない(ここ重要)。だけれど二人で組むとさらに面白さの階梯が上がる。掛け合いの受け返しや間の取り方が完ぺきで、丁々発止のやりとりが堪えられない。喋り好きで説明上手な委員長と、リアクションが面白くて盛り上げ上手のでろーんの相性があまりにも良すぎる。
 面と向かうとお互いに他の人には見せない一面を見せつけてくる。例えば委員長のでろーんに対する砕けきった口調や親愛をまぶした暴言、でろーんの嫉妬ムーブやへたれ惨敗シリーズなど。心理的なパーソナルスペースを共有していることや相手を意識しているのが伝わってきて、何とも言えず尊みザウルス。
 両人の距離感や状況証拠、同僚の反応(腐ってるモイラ様や保護者的存在のしずりん先輩はともかく、アキくんやちーさんまで弄り出したのはどういうことなの?)からほぼほぼ公然の秘密になっているのに、あとちょっとのところで確信には至らせない絶妙なはぐらかしっぷりに悶えさせられる。

 ことほどさように、かえみとは良質なエンターテイメントや優れた文学、はたまた人気のカップリングと通ずる要素がこんだけあるわけですよ。これで関係性オタクの自分が好きにならないほうがおかしくないですか? おかしいですよね。
 たまに、かえみとなんてどうせ営業だやらせだと言う人を見かけますが、ほいだら二人は大手商社でエースの営業になれるし、台本を書いた人は今からでも構成作家か演出家を目指すべきです。創作にしたってあまりにも出来すぎていて、ファンサもあるにせよサービスがよすぎやしないか、というのが私のかえみとに対する所感ですね。

君よかえみとの沼を渉れ
 かえみとの面白さを手っ取り早くわかってもらうなら、でろーんがゲストのみとらじ第一回がお勧めです。二人の実力の高さとだだ甘さの片鱗が堪能できます。私はこの動画がVTuber界全体の最高傑作の一つだと思っています。
月ノ美兎の放課後ラジオ #1
 二人がたどった道程を追うなら、今は優秀なまとめ動画や名場面ピックアップの動画があるのでそれを使うのも手ですが、時間に余裕のある方はぜひとも時系列順に動画を追っていってもらいたいです。可能な限り切り詰めたラインナップがこちら。

【LIVE004】JK組ヴァレンタインライブ #バーチャル凛 #にじさんじ 楓と美兎(2018/2/14)
助けて!樋口楓の初Youtube配信withアキくんちゃん 楓(2018/2/16)
【樋口楓】レベリング雑談配信その2 楓と美兎(2018/2/23)
樋口楓のでろメールお返事配信 楓(2018/2/27)
バーチャル渋谷でデート 楓と美兎(2018/3/11)
でろもい(仮)+みと 楓と美兎(2018/3/16)
月ノ美兎の放課後ラジオ #1 楓と美兎(2018/3/18)
樋口楓の夜更かしエイプリルフール 楓(2018/4/1)
美兎ちゃんとちょっとおしゃべり! 楓と美兎(2018/4/4)
※ここで起こったことについては各自で解釈すべし 楓(2018/4/5)
月ノ美兎の放課後ニコ生放送局 美兎(2018/4/7)
でろちーコラボ#1 楓(2018/4/10)
【月ノ美兎・樋口楓・静凛】JK組お花見配信【前編】
【月ノ美兎・樋口楓・静凛】JK組お花見配信【後編】 楓と美兎(2018/4/14)
超バーチャルYouTu"BAR"@ニコニコ超会議2018[DAY1] 楓(2018/4/28)
楓と美兎-前編-(4/28アーカイブ)
楓と美兎-後編-(4/28アーカイブ) 楓と美兎(2018/4/28)
超バーチャルYouTu"BAR"@ニコニコ超会議2018[DAY2] 楓と美兎(2018/4/29)
あきでろもいみと! 楓と美兎(2018/4/30)
JK組感想会 楓と美兎(2018/5/1)

 かえみとでもっとも糖度が高いと言われているのが、ニコニコ超会議前日の同室配信「楓と美兎」前後編です。この動画だけ見てもあまりのいちゃつきっぷりに口角がつり上がること必至ですか、この前に二人の間に何があって、どんな選択をした結果ここに至ったのかを飲み込んでいると、破壊力がまた一段と跳ね上がります。私はかえみとをリアルタイムで追えた幸福な人間の一人ですが、これを見ている間は安堵感やら多幸感やらで頭がおかしくなったかと思いました。

いつも心にかえみとを
 かえみとは一つの問題提起です。
 何度か書いていますが、Vtuberの強さは生きている人間のパワーだというのが私の持論です。下手な劇画のキャラクターより個性的で魅力的なニンゲンが、自分の信念やキャリアを賭けて紡ぐ小説よりも奇なりな物語、あるいは掛け値なしに仲のよい二人が一切の遠慮なしにイチャコラする空間表現に対して、生なかな作劇や演技や演出は対抗できるのでしょうか? 委員長が悠然と「そう、正義ですからね」と言い放つ場面の崇高さや、美兎うさを愛でるゲームでの「いっぱい……アッアッ……動くね」「お前やる気あるのか」のやりとりの面白おかしさや、ホテルのポットに二人仲良く敗北してころころ笑いあうところの愛おしさに太刀打ちできるのでしょうか? 私の中でまだ答えは出ていません。

カエミートの道
 自分なりにポリシーがあって言及するか迷っていましたが、しなかったらしなかったで後悔しそうだし、これだけ恐ろしいモノを知ってしまったにもかかわらず宣教活動をしないのは怠慢だと思い、踏ん切りを付けました。自分が委員長を追っていたのは単純に配信が滅茶苦茶面白かったからですが(クソザコパンチやX8回をリアルタイムで見られて、こいつはホンマもんの化け物だと確信した)、その流れでこんな代物にぶち当たるとは想像だにしていませんでした。再三言いますが、みなさんもかえみとを見てください、よろしくおねがいします。

【関連記事】
バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018) 前編(ミライアカリ・樋口楓)
バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018) 後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

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2018年05月22日

バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018) 後編

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

企画:バーチャルYouTu"BAR" | ニコニコ超会議2018 公式サイト


月ノ美兎

【美兎】
はいそれでは次の方どうぞ
はい、お名前を聞かせてください
【相談者】
あっ○○って言います
【美兎】
○○さん? 気を付け、着席、うふふふふふ
気持ちがいいですね~
【相談者】
はい、どうも
【美兎】
○○さん、こんにちは、はじめまして
【相談者】
はじめまして
【美兎】
お悩み聞かせていただいてもいいですか
【相談者】
まあお互い肩の力でも抜いてお話ししましょう
【美兎】
はいっ、リラックスリラックス
【相談者】
えっとですね、自分、よく映画を観るんですよ
【美兎】
はいはいはい
【相談者】
僕、サメ映画が好きで、よく観るんですけど
よく周りの方にね、お勧めするんですよ
【美兎】
何を?
【相談者】
えっと……『シャークネード』
【美兎】
あっ出た、くはははは……
わたくしも……そうですね
【相談者】
で、それを勧めると、たいがい友だちに「あーそれクソ映画だから、見ねぇよ~」って言われるんですよ
【美兎】
あ~、はいはいはいはいはいはい
【相談者】
んで僕思うんですよ、委員長、あの、クソ映画ってそもそも何なんですかと
【美兎】
あっなるほどね、あのね、クソ映画でも笑って見られるなら神映画ですよ
その、私もその題名をね、よく観ろ観ろと言われるんですけど
たぶん観ないでクソ映画認定している人、たくさんいますから
【相談者】
そうですよね
【美兎】
一回観てみろと
あの『時計仕掛けのオレンジ』って観たことありますか?
【相談者】
あ~ありますよね、観てないですけど
【美兎】
それみたいな感じで、椅子で拘束させて、あの目ん玉かっぴらくあの機械とか用意して、あの定期的に目薬差してあげたりして
無理やりその『シャークトルネード』、見せてあげてください
【相談者】
いいですね~
【美兎】
エッヘヘッヘヘ
【相談者】
じゃあ、見てるであろう僕の友だちにね……
【美兎】
うん、あっいるの?
【相談者】
見てると思いますよ
【美兎】
あー本当に? あははは
【相談者】
見るって言ってたんで……じゃあ、お前は今度、覚悟しとけよ!
【美兎】
ブハハハハ! そうですよ、あの、この人の出す料理には気を付けて下さいね
【相談者】
うはははははは!
【美兎】
睡眠薬とか盛られてるかもしれないですから
【相談者】
がっつり、入れてやりますよ
【美兎】
がっつりね、致死量入れてあげて……
【相談者】
わはは!
【美兎】
これ、殺人教唆みたいになる……ありがとうございました!
【相談者】
ありがとうございました!


 やっぱり委員長のトークは面白いなぁ。ぶっつけ本番のトークで作品の一場面をわかりやすく引用しつつ愉快な話に持っていくのは相当語り慣れていないとできない。有名映画を引っ張ってきたのも、相談者が映画好きというのを受けての適切な返しだろう。生成されるパワーワードの訴求力、適度に横道に逸れて語られるサブカルトークやエピソードの面白おかしさ、最終的にもっともらしく話を仕上げる構成力はVtuber界でも随一だと思う。
 ちなみに、私が委員長の数ある資質のうち最も突出していると思うのは、不測の事態に出くわした時の爆発力だ。それが顕著に表れていたのが、このお悩み相談が終わった後、幕間のインタビューでのでろーんも巻き込んだハプニングでの機転なのだが、後でちょっとだけ語る。

【美兎】
じゃあ次の方、お名前をお願いいたします
【相談者】
○○と言います
【美兎】
○○さん? では気を付け、着席! うふふふ
【相談者】
よろしゃす
【美兎】
○○さん、顔バレ対策がばっちりですね えへへ
【相談者】
そうです、あの~、バイトを始めようと思いまして
【美兎】
サイト?
【相談者】
バイトです
【美兎】
バイト? はいはいはい
【相談者】
委員長さん、あの高校生ですけどバイト経験豊富と言うことで
【美兎】
はいはいはいはい
【相談者】
あの~工場勤務以外で何かお勧めのバイトとか教えてほしいんですけど
【美兎】
あ~なるほど、お勧めのバイトですね? なんだろうな
なんかけっこうわたくしはね、あの~すごいインドア派で身体を動かすの苦手なんですけど
【相談者】
はい
【美兎】
でもね、なんか身体動かす系のやつ意外と時間がすっごい長く、あの早く流れて
たぶん工場勤務の後にやったからだと思うんですけど
【相談者】
ふふふ
【美兎】
そう、意外と忙しい仕事ってどんどんどんどん時間が早く過ぎていくから
【相談者】
あーそうですね
【美兎】
そういう方がわたくし精神的苦痛にならなくてね、割りと向いていたんですよ
だから、あっ引っ越しとかどうですか? 引っ越し
【相談者】
あ~……そうですね
【美兎】
そうあの、なんか人の家の中入って、いろいろプライベートとか見れるらしいんですよ
【相談者】
はい
【美兎】
うふふふふふ……
【相談者】
それ、楽しそうですね
【美兎】
そう! すごい楽しいって引っ越しバイトの友だちが言ってたから
そうそうそうそう……そうあの筋肉も付くし、あの人間観察もできるし、
そう人の家の中土足でずかずか上がり込んでこれるっていう快感がね
【相談者】
あはははははは
【美兎】
目覚められるかもしれないので、わたくしそれお勧めしておきます
【相談者】
あっ、や……ってみます
【美兎】
はい! ありがとうございます
【相談者】
最後に一つ、いいですか
【美兎】
うん?
【相談者】
委員長、好きです
【美兎】
あらー!? ありがとう、ありがとうございます


 それと、委員長の話で特徴的なのが、友人のエピソードや聞かせてもらった話を効果的に引用しているところ。上掲の回とか、ポイフルの布教の回はそうだね。この人の話題の引き出しが多いのは、自身が好奇心旺盛な上にアクティブなおかげで生活しながら話のタネを集めているのに加えて、友人や家族との会話から仕入れている情報もまた多いからだろう。当たり前田のクラッカーだが、話が面白い人というのはだいたい友だちの数が多くて幅が広い。委員長に関してはリスナーのコメントもみとらじのハガキ職人もレベルが高いし、面白い人の周りに面白い人が集まる好循環を維持しているように見える。

ばあちゃる

【ばあちゃる】
ハイじゃあ次の方どうぞ~、ハイハイ、ハイハイ
【相談者】
あっ○○と申します
【ばあちゃる】
あっ○○○○、よろしくね○○、○○大好きだよ
ハイハイ、ハイ
【相談者】
えっと僕、トーク力がめっちゃほしくてですねぇ
【ばあちゃる】
ハイハイ
【相談者】
ばあちゃるさんとか、他のVtuberさんの動画を見させていただいて参考にさせてもらってるんですけど
【ばあちゃる】
あーああー、まじか
【相談者】
あのもうぜひちょっと、この機会にですね
【ばあちゃる】
はいはい
【相談者】
まああのトーク力の化け物、トーク力の化身と言われたばあちゃるさんに
【ばあちゃる】
はいはい
【相談者】
トーク力アップの極意をご教授いただけたらなと
【ばあちゃる】
はいはいはい、はいはいはい
えっとですねばあちゃるくんはですね、トーク力ねほんとにね
とんでもなく語彙力ないしひどいっていうのでたくさん言われるんですけど
【相談者】
ははっ
【ばあちゃる】
一つだけあのね重要なのはね、トーク力ね、あのなんつの、ノリだと思うんですよね
ノリだとね、もうねもうこの段階からウワーッとやってみましょう一緒にね
【相談者】
はい
【ばあちゃる】
いきますよせーの
ハーイハイハイハイハイ、ハーイハイハイハイハイ
【相談者】
ハーイハイハイハイハイ、ハーイハイハイハイハイ
【ばあちゃる】
そうそうそう、で顔も揺らす顔も揺らす、そうそうハイハイハイ
【相談者】
ははははは!
【ばあちゃる】
ハイハイハイハイ、ばあちゃるくんたぶん10単語くらいしかしゃべってないんでね
【相談者】
はははは!
【ばあちゃる】
そのノリでいけると
【相談者】
わかりました
【ばあちゃる】
ハイハイ頑張って下さいね、ハイハイハイハイ
ありがとうございます
【ばあちゃる】
ありがとうございます、ハイハイハイハイ


【ばあちゃる】
ハイハイハイハイどうぞどうぞ
お名前うかがってもいいですか
【相談者】
えっと白馬組の○○っていいます
【ばあちゃる】
白馬組の○○さん?
【相談者】
はいっ
【ばあちゃる】
○○○○~! どうもどうも○○○○~! ハイハイハ~イ
シロちゃんも見てるからね○○○○~! ハイハイハイハイ、ハイハ~イ
○○ね~、何でも質問してくださいねハイハイ
【相談者】
あの、大学受験したいんですけど
【ばあちゃる】
大学受験したい? ハイハイ
【相談者】
バーチャルYouTuberのシロさんとかウビバが好きすぎて
【ばあちゃる】
ハイ、ハイハイハイ
【相談者】
ひと言がんばれって言ってくれたら、がんばれるんで
【ばあちゃる】
いやいやいや~○○○○、ほんと○○○○ねほんと君ならできる、やればできる、なんでもできる
【相談者】
ううっ……。
【ばあちゃる】
ん~シロちゃんも応援してますからね○○○○
【相談者】
……。
【ばあちゃる】
がんばるんだよ○○、んもう○○○○ならね何でもできますからね
仮にですね、大学受験なんか失敗したところで人生においてあん~どうでもどうでもいいのでねハイ――
【シロ】
――がんばれ~! がんばって~!

【ばあちゃる】
あっシロちゃん
【シロ】
おほほいおほほいおほほい!

(会場大歓声)
【相談者】
……
【ばあちゃる】
ハイハイハイ、○○○○ほんとね、だからね全然ね大学受験なんて気にせずね、ハイハイハイもう大丈夫
人生なんてね、いくらでもやり直しがきくんですからね
泣いちゃダメですよ○○○○、○○○○っ、○○○○ちょっと
ばあちゃるくんが泣かしたみたいになるとほんとにね荒れるんでね
(会場笑い)
ちょっと炎上、炎上しちゃうんでねハイハイハイハイハイ
○○○○っ、○○○○ならなんでもできますよ
○○○○っ、がんばってくださいね
【相談者】
っ、ありがとうございます……
最後に「ウビバ」って言ってもらっていいですか?
【ばあちゃる】
オッケー○○○○、ウビバウビバウビバウビバ~!
ハイハイハイハイ、○○○○っがんばってくださいね
【相談者】
ありがとう……
【ばあちゃる】
大丈夫ですよ、ねっハイハイハイハーイ
ねっ「女を泣かせる馬」ってコメント書いてありますけどちょいちょいちょい、あああああああ~、ちょいちょいちょい
「馬が女性を泣かせた件」とかやばいやばいやばい


 ばあちゃるのゆるゆるながらも途切れないトークは、一つの才能ではないだろうか。相談の中で10単語くらいしか使っていないとおどけているが、それだってここまでしゃべりづづけるのは並じゃあない。委員長のトークで押していた時間を巻きにするほどの捌きっぷりは見事だった。ノリのよさややったれの精神が時に語彙力や表現力よりモノを言うという、ある意味コミュニケーションの本質を突いているのがこの男だ。
 他にばあちゃるのスタイルで注目してほしいのは、初対面の相手も積極的に名前で呼んでいるところ(引用文に占める○○の割合でわかる)。これはアカリちゃんも実践してるね。みんな実体験でわかっているだろうけど、相手から話しかけられる時に「ねぇ」「あの」を使われたりいきなり本題から切り出されたりするのと、「○○さん」から入られるのでは、話の受け入れやすさも相手の印象もまるっきり違ってくる。あと、ばあちゃる流のあだ名(名前の最初の二文字を繰り返す、みとみとやそらそら)は単に勢いや語感を優先しているのかもしれないが、相手をあだ名で呼ぶのも緊張や警戒を解く定番のアプローチだね。
 ばあちゃるの何が強いかって、自分がどんな立ち位置にいて(シロのバーター、使い魔にも満たない男)、何ができなくて(一人で面白いことをする)代わりに何ができるか(間を持たせる、場をとりなす、サンドバック役になる、絶対的スターであるシロを呼ぶ)をちゃんと理解していて、その上で道化になれるのが強いんだ。賑やかしやヘイトのタゲ取り、シロちゃんの保護者兼通訳としてとにかく優秀で、アップランドにとっては得がたい人材ではないだろうか。

スターは持っている
 以下、記事の本旨とは外れる。
 芸人は話が巧い、芸が面白いというのはある意味当然で、その中でも笑いの神に寵愛されたスターは天運を持っている。計算や作り込みを超越して、機運を掴み取って最高のパフォーマンスを発揮する天性のセンスがある、というのが私のスターに対する持論である。

【アカリ】
おい○○、お前シャキッとしろよシャキッと!
【相談者】
はい!
【アカリ】
あぁ!? 口ついてるんだろ? 目ぇついてるんだろ?
下何ついてるんだよ?
(チンチンという時間制限を告げるベルの音)
【アカリ】
そう、このチン……どぅへへへ、いややだ~
(会場爆笑)
いっ、いいところで音が鳴ったからさ~ふふふふふふ
そう、男ならシャキッと、一発カマしてこいやァ!!
【相談者】
はいっ、がんばります!
【アカリ】
はいっ、がんばれ~! うふふふ、ありがと~
【相談者】
ありがとうございます!
【アカリ】
ありがとう~、○○ありがとうね~、ふふふふふ


 アカリちゃんがいつかの放送で「下ネタをやろうとしてるわけじゃない、下ネタのほうからアカリにすり寄ってくる」と言っていたが、返す言葉もない。大舞台でこれを引き寄せるのは並じゃあない。

【兜蟹さーみー】
もともと他の方を見てた、ファンだったんですね
【美兎】
そうなんですよ
【兜蟹さーみー】
へー
【兜蟹赤丸】
ちょっとちょっと待ってください、ちょっと待ってください
【兜蟹さーみー】
なんなん?
【美兎】
なんですか?
【兜蟹】
……吸い込まれそうな瞳をしている……
【兜蟹さーみー】
ははははははは!
【楓】
――やめとけー!!!

【美兎】
うはははははははは!!!
【兜蟹さーみー】
なんだ、なんだ?
【兜蟹赤丸】
やめとけー? って
【兜蟹赤丸】
やめとけーって
【美兎】
あっ、すみませんちょっとわたくしのかのピッピが、ちょっと、後ろで
えへへへへへ
【兜蟹さーみー】
ファンが凄いぞ!?
【兜蟹赤丸】
びっくりした!
【美兎】
すいません、後ろにかのピッピが控えているので……
【兜蟹さーみー】
あーそうなんですね
【兜蟹赤丸】
すいませんそれは……


 ここぞというタイミングでばあちゃるのマイクを奪って割り込むシロちゃんといい、前日のいちゃいちゃ同室配信からミラクルを繋げるかえみといい、この人たちは「持っている」としか言えない凄みを感じた。やっぱりスターは持っている。

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

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2018年05月17日

バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018) 中編

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

企画:バーチャルYouTu"BAR" | ニコニコ超会議2018 公式サイト


 先に断っておくと、静凜先輩と田中ヒメのパートは見ていない(履修できていない)。シロちゃんのパートは、為になった。

ねこます(バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん)

【ねこます】
次の方どうぞ―
【相談者】
こんにちはー
【ねこます】
こんにちはー
【相談者】
○○と申します
【ねこます】
あっ、○○さんはじめましてー
【相談者】
はじめまして、ちょっと真面目な相談なんですけど
【ねこます】
はい
【相談者】
これからけっこうVRとか、ARとか、MRとか、どんどん世の中に進出してくると思うんですよ
【ねこます】
はい
【相談者】
で、そう世の中がなってくることによって身につけておくべきITリテラシーってどんなものかっていう
のじゃおじさんの考えを教えてください
【ねこます】
あー、難しいことじゃよね
まぁ、あのー、どういうのを身につけるべきかっていう風に
要は技術ありきで考えちゃうよりは、その自分の好きなこととか、あの実現したいことをまず先に考えてそれに合致したスキル……セットを揃えていくのがいいと思うのじゃ
例えば、あのー例えばキャラクター表現が好きな人はイラスト描いたりとかすると思うんじゃけど、それなのに今、あの流行だから
人工知能の勉強しようって言ったって、結局違うわけじゃないですか
【相談者】
はい、はい
【ねこます】
だから、大事なのは、トレンドの技術を追いかけるのも確かに大切なことなんじゃけど、まずやっぱり、その自分に合ってるとか自分の特性? を考えて、から何かす、スキルセットを揃えていくほうが、なんか時代とかに左右されないと思うので、なんか、そういう考えのほうがあのなんか、自分、要は人によって合う合わないがあると思うので、なんかそっちの方が結果的には、自分の能力が引き出せるのかなと思います
【相談者】
ああっ
【ねこます】
じっさい、わらわがUnityを始めたのも、あの絵が下手だから、あのーテクニカルアーティストにはなれないなっていう風に思ったので
【相談者】
あー
【ねこます】
要はスキルセットを広げて、なんかいろいろできる芸人みたいなポジションを目指そうと思ったので、Unityを選択したのであって、VRとARがもちろん流行っているという背景もあるんじゃけど、なんかそこだけを見て、あのUnityを始めたわけじゃないので
自分はそんな風に考えているのじゃ~、あっ、わらわはね、わらわは
【相談者】
はははっ、ありがとうございます、勉強になりました
【ねこます】
ありがとうございました~


【ねこます】
お次の方どうぞ~
【相談者】
どうも~
【ねこます】
はいどうも~、○○って言います
【ねこます】
あ~○○さま、はいよろしくお願いします
こんなところに来てて大丈夫ですか?
【相談者】
はいっ、今あのフリーランスでLIVE2Dのモデリングでご飯食べてるんですけど
【ねこます】
はいっ
【相談者】
あの、このままバーチャルYoutuberブームが終わった後に食いっぱぐれるのが怖いです
【ねこます】
あーでも、その、あのちょっとLIVE2Dの歴史を流すと、あの歴史を話すと長いんじゃけど、まああのえっと、もともとそもそもLIVE2Dっていう技術もその、まぁなかなかその、浸透しなかった時期があって、そこで『俺妹ポータブル』っていうのが出て、一回跳ねて、その後スマートフォンブームが来て、スマートフォンのその上位のアプリ、にはLIVE2Dが採用されてて『あん○○ぶるスターズ』さんとか、あのーなんかえっと『○○○○』とかたぶんあると思うんですけど、まぁそういう風にあの採用されてまた伸びて、今また今度Vtuber需要が出てっていう感じで
要は、あの2Dのスプライトアニメーションの技術って、あのー要はそのときどきに求められるコンテンツと手段として有用なので、なんかそれをたぶん数あるスキルセットの中の一つとして持っているのはすごく有効だと思うので、なんか、そのLIVE2Dの技術はすごく、2Dのアニメーションさせようとしたときは、すごく普遍的なものなので
何かそれ一本では確かに厳しくなる時代もあるかもしれないと思うんじゃけど、あのスキルセットのバリエーションとしてはすごい、あのいいと思うし
むしろわらわはプロのライセンス買って、結局お仕事できなかったからね~! なのでわらわからしてみればうらやましいです
【相談者】
はい
【ねこます】
なので、まぁあの~、あのLIVE2Dに固執せず、少しずつ少しずつ数あるスキルセットのうちの一つとして捉えてみて、なんかあのー
や、やれば、なんかもうわらわがアドバイスするようなことだと、じゃないと思うんじゃけど、なんか、大丈夫だと思います
そのときどきで求められる技術も、あの求められるコンテンツも変わりますので
【相談者】
……深いお言葉、ありがとうございます
【ねこます】
いえいえ、なんかその、そう、ありがとうございます


【相談者】
こんにちは~
【ねこます】
こんにちは~!
【相談者】
○○と申します
【ねこます】
あっ、○○さん、はいっよろしくお願いします
【相談者】
よろしくお願いします
あの、僕何しても長続きしなくて、ねこますさんはあのバーチャルYoutuberとしてやっていく上で大変なこともいろいろとあると思うんですけど、ずっと続けてける原動力って何なのか教えてください
【ねこます】
はいえっと、わらわも逆に、そのゲームとかは、ゲームとかを継続するのが苦手で、まあなんか、ゲームってある段階の強さまでいっちゃうと、そのそれよりも先に、行った先に何があるのかって気持ちになっちゃうと思うんじゃよ
要は、その人の思ってる価値観によって、続けれること続けられないことってたぶん変わってきちゃうので、なんか改めて、自分が一番大事とする価値観とは何かっていう部分を一回整理、気持ちを整理してみて、で~それで、その価値観に近いところを続けていくしかないと思うんじゃよね
わらわも、その創作活動を続けて、絶望~的にやる気ない時とかももちろんあるんじゃけど、結局、じゃ、創作活動以外の何かをするかっていったら、別になんか、ゲームずっ~とゲームばっかり続けてたいわけでもないし、なんかあのお菓子……なんかグルメみたいな感じで外食しまくる、だけでもないし
たぶん、結局創作活動以外のことをやっても自分の感性ではマッチしないので、たぶんあなたの、結局その、それ結局それしかないよね、みたいな部分ってきっとどこかに、あるはずだと思うので、自分の価値観を一度整理してみてください
【相談者】
ありがとうございました
【ねこます】
ありがとうございました~


 のじゃおじの話は、自分がVR技術にあまり関心がないのでとっつきにくいかと思いきや、コンテンツ論や技術屋・オタクあるある話として興味深かった。このおじさんはモノや現象に対する構造の把握やレイヤーの分析が巧みだから、聞き手にとってそれほど縁のない話でも面白く聞かせるんだろう。あと、何度か書いたけど、しゃべりのプロではないことは承知で、最初期の動画に比べたら声の出し方やプレゼン力が目に見えてよくなっているよなぁ。VTuberはキャラクターが魂の研鑽にリンクして成長していくところも強い愛着が湧く理由の一つだと思う。

のらきゃっと

【のらきゃっと】
では次のお客様
【相談者】
こんにちは~
【のらきゃっと】
こんにちは
お名前、聞かせてもらっちゃいます
【相談者】
ヒ○○です
【のらきゃっと】
ヒ○○さん、野原家のかたち
(会場笑い)
【相談者】
……違います
【のらきゃっと】
いつを……いつもご覧になっていますよ
【相談者】
ふふっ
【のらきゃっと】
まあとりあえず、お話を聞かせてもらっちゃいましょう
【相談者】
悩みと言うよりも、お願いなんですけど
【のらきゃっと】
はい
【相談者】
以前投稿していた、添い寝動画、あったと思うんですけど
ああいうのをもうちょっと投稿していただけると嬉しいと思ってます
【のらきゃっと】
わかりました、どぶねずみさんですね、さては
(会場爆笑)
【のらきゃっと】
仕方ないですね、ちゃんと用意するので、しっかり待ってて
……5000兆回再生して
(会場笑い)
【相談者】
絶対します、ありがとうございます
【のらきゃっと】
待ってて、待っててくださいね
【相談者】
は~い、また~
【のらきゃっと】
期待に応えてあげる



【のらきゃっと】
では、次のお客様いらっしゃいませ
【相談者】
こんにちは~
【のらきゃっと】
こんにちは、こんにちは、お名前聞かせてほしいな
【相談者】
はい、あのカー○○と言います、はじめまして
【のらきゃっと】
かあさん
【相談者】
母さん? はい
【のらきゃっと】
母さんじゃない……お母さん
(会場爆笑)
まぁ、お母さんでいいですね、ではお母さん
【相談者】
はい
【のらきゃっと】
今日は何で悩んでるの、お母さん
(会場爆笑)
【相談者】
はいっ、お、お母ちゃんねぇ、ちょっと最近仕事が辛くて
(会場笑い)
【のらきゃっと】
世知辛いね
【相談者】
世知辛いんですよ、それでちょっと転職とか考えちゃってるんですけど
【のらきゃっと】
なるほど
【相談者】
今の仕事続けた方がいいですかね?
【のらきゃっと】
……バーチャルYouTuber
【相談者】
おおっ!?
【のらきゃっと】
バーチャルYouTuberで繋いじゃいましょうか
【相談者】
なるほど~、バーチャルYouTuber始めちゃいますか
【相談者】
まだ間に合いますかね?
【のらきゃっと】
全然見えますよ
【相談者】
ありがとうございます
【のらきゃっと】
全然間に合います
【相談者】
あざっす
【のらきゃっと】
私が繋いでみせます
【相談者】
ありがとうございます!
最後に、遅れましたけど誕生日おめでとうございました
【のらきゃっと】
はい
【相談者】
頑張ってください
【のらきゃっと】
ありがとうございます、ありがとうございます


【のらきゃっと】
次が最後のお客様
【相談者】
こんきゃっと!
【のらきゃっと】
今きゃっとです、お名前をお聞きしてもよろしいですか
ではその、○○さん、あなたのお悩みは
【相談者】
自分、眼鏡を掛けている人が大好きで、道行く人を老若男女問わず――
【のらきゃっと】
そうなんですね
【相談者】
――はいっ、つい見ちゃうんですよ
なんで、この頭の中に抱えた煩悩をクラリキャットカッターで消してくれませんか?
【のらきゃっと】
なるほど、なるほど
でもわたし、たまに眼鏡掛けますよね
【相談者】
はい、大好きです
【のらきゃっと】
思い出しちゃうんじゃないでしょうか
【相談者】
もう、大好きでずっともう……
【のらきゃっと】
それを消してもいいですか?
【相談者】
……やっぱり消さないでください!
(会場笑い)
【のらきゃっと】
本当にいいですか?
【相談者】
ッ消さないでください!
【のらきゃっと】
でしょうね
【相談者】
はいっ
大事にして
【相談者】
わかりました
【のらきゃっと】
自分の好きなものを大事にしていこう
【相談者】
ありがとうございます
【のらきゃっと】
嘘ついちゃだめですからね、やっぱり
【相談者】
はいっ
【のらきゃっと】
自分の好きなものは好きなもの、ダイナモですよ
【相談者】
はいっ
【のらきゃっと】
大事なもの
【相談者】
……新しいお姿でも、眼鏡を掛けた動画、楽しみにしてます
【のらきゃっと】
待っててね
【相談者】
ありがとうございます!
【のらきゃっと】
ちゃんとお義父さんがわ、メガネ用意してくださってますから


 のらちゃんの面白さについては、以前に長文で書いているのでこちらも読んでほしい。
のらきゃっとの面白さを伝えたい あるいはコミュニケーションの根源的な楽しさについて
 のらちゃんの資質は、出ばなの一言の「今日は本当に大きな屋根裏ですね」「ねずみちゃんたちがこんなにいっぱい」に集約されていると思う。バーチャルYoutuberの強みの一つにキャラクターと受け取り手の双方向性があるのは定説だが、この人のパフォーマンスはそれに対する一つの解答ではないだろうか。真面目な解答からKAWAIIムーブ(カウンターに肘をつく仕草、なんだあれ)、アジテーション、伝家の宝刀であるご認識を駆使して、相談者を楽しませるのはもちろん、会場や画面の前の視聴者まで含んだ空間をわがものにして盛り上げていく仕切りは圧巻のひと言だった。さすが、毎週のペースでサバトのような狂乱のレイヴを執り仕切っているだけある。あとは、自由奔放で無茶苦茶なことを言った後に、さらっと「期待に応えてあげる」「自分の好きなものを大事にしていこう」「私が繋いでみせます」とカックイイ一言を残すところが相変わらず素敵すぎる。こういう時は全然ご認識を起こさないのがすごい。1才の誕生日を迎えた数少ないVTuberの一人としての自信と余裕が感じられたな。
 相談者も選りすぐりのねずみさんなだけあって、間の取り方や話の脱線への乗り換えまで慣れたものだったな。一緒になって場を盛り上げてくれていた。そういった視点でも、インタラクティビティの極致とも言えるパフォーマンスだった。

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

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2018年05月10日

バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018) 前編

 ニコニコが主催となるバーチャルYouTuberのイベント「バーチャルYouTu"BAR"」がめちゃんこ面白かった。
企画:バーチャルYouTu"BAR" | ニコニコ超会議2018 公式サイト

 企画の概要は、バーテンダー役のVTuberがスペースに来場者を招き、1分程度の時間でお悩み相談に乗るというもの。VTuberというコンテンツは、強烈な魂とシンクロしたキャラクターの魅力と、ライブ感ならびに双方向性とが絡み合ってエネルギーを生んでいるため、対面での相談という対人能力、アドリブ力が遺憾なく発揮される企画との相性はすこぶるつきだった。出演者は指折りの実力者が選ばれていただけあり、どなたのパフォーマンスも個性が色濃く出ていて素晴らしかった。
 以下、個人的に彼ら彼女らのベストパフォーマンスだと思ったやりとりを紹介しつつコメントをしていきたい。文字起こしが長くなりすぎたので前後編で分ける。
※自分語りなので読み飛ばして問題なし
 経験則からの完全な私見だが、友人や知人同士のラフな相談に限定して、相談者にとって相手が具体的な解決方法を提示してくれるかどうかは二の次だ。また、相談者の中で既に答えが出ている割合はけっこう高かったりする。たいていの人は、相手が自分の話に耳を傾けてくれて、リアクションをしてくれたり、同意や共感や好意的な反論を寄せてくれたりするのを期待して相談を持ちかけている。私はこういった価値観から各人の対応にコメントしているので、ご参考までに。
※読み飛ばしここまで

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

ミライアカリ

【アカリ】
いらっしゃいませ~、うふふふふふふ
【相談者】
よろしくお願いします
【アカリ】
よろしくお願いします、あっかわいい声ですね
【相談者】
ありがとうございます
【相談者】
○○って言います
【アカリ】
何て呼んだらいい?
【相談者】
○○くんで
【アカリ】
○○くん? オッケーオッケー、○○くん相談なになに?
【相談者】
その、声がわたし、他の方に比べて高いんですよ
【アカリ】
うんうんうん
【相談者】
それがその、よく言われて悩んでるんです、どうすればいいですかね
【アカリ】
えーでもさ、アカリも高いよ、めっちゃうっせーって言われるんだけど
でもさその声って、○○くんにしか持ってないものだから全然恥じることないし、
ていうかなんか、そんなこと言う奴はそれぐらいのレベルの奴でそれぐらいの器の奴だから
ほんとに、○○くんはそんなこと気にすることない
そんなん言うなら、アカリぶっ飛ばしに行ってやるよほんとに!
【相談者】
ありがとうございます
【アカリ】
握力ヤバイから、ふふふふふふふ
【相談者】
ふふっ、ありがとうございます
【アカリ】
全然だよ
【相談者】
ほんと元気もらいました
【アカリ】
ほんとに?
お互い、ちょっと声高い者同士仲良くしようぜっ! あはははっ
【相談者】
ありがとうございます
【アカリ】
○○くん、がんばってね! ばいばい~
【相談者】
さよならっ、ありがとうございます!


【アカリ】
はじめまして!
【相談者】
はじめまして~! よろしくお願いします!
【アカリ】
あ、アカリのこと知ってます?
【相談者】
あっ知ってます、いつも動画見てます
【アカリ】
ありがとうぉ~! えっえっ、お名前教えてください
【相談者】
えっと、○○です
【アカリ】
○○、なんて呼んだらいい?
【相談者】
えっとそのままでどうぞ
【アカリ】
○○ね、おっけおっけ
【アカリ】
じゃあ○○
【相談者】
は~い?
【アカリ】
最後の、アカリの、悩み相談の人です
【相談者】
はい、光栄です
【アカリ】
ではどうぞ、ありがとう~
【相談者】
えっとそうですかね、顔ですかね
こう童顔だったり目つき悪いってよく言われるんで
【アカリ】
えっ、マジか
【相談者】
どうしたらいいかなぁって
【アカリ】
全然目つき悪くないよ
【相談者】
そうですかね?
【アカリ】
えっだって○○の笑顔めっちゃ優しいよ、えっみんなそうだよね?
(会場拍手)
【アカリ】
えっマジでこれをディスる奴がいたら、ほんと、目潰ししてやるよほんと
【相談者】
あっ……あえええ~!?
【アカリ】
あははははははは!
【相談者】
ありがとうございまーす!
【アカリ】
もうアカリの手袋真っ赤だよ、おほほほ
えっでもほんとすてきな笑顔なので、こう目つきとか全然気にしなくていいよ
【相談者】
やったー、ありがとうございます
【アカリ】
うんうん
あと好きなものを見てるときって、特に人間ってなんか優しい顔になると思うんだよね
【相談者】
うん
【アカリ】
好きなものとか人とかキャラとか、なんかおいしい食べ物とかさ
そう、だからなんかもし気になるんだったら、どんどん好きなものを見る時間を増やすのもいいかもしれない
【相談者】
……ってなるともうミライアカリちゃんの動画をもう見るしかないな~って
【アカリ】
お前~もう天才かよ!? おほほほほほほ
【相談者】
あはははははは!
【アカリ】
ありがとう~
【相談者】
ございました!
【アカリ】
ありがとうございました~またね~
ごめんねいきなり~ふふふふ


 ミライアカリちゃんはまずもって、全く前例のない企画の一番手として十全のパフォーマンスを発揮し、後に続く人に対してアーキタイプを創っただけでも賞賛に値する。受け答えの内容も極度のプレッシャー下にあるとは思えないほどしっかりしたもので、特に上掲した二回はほぼ完ぺきだと思う。ちょっと完成度が高すぎてちびってまう。
 アカリちゃんの相談に乗るスタイルで注目してほしいのは、コンプレックスを抱いている相手に対してまず「全然目つき悪くない」「全然恥じることない」と負い目を和らげているところだ。その上で、別視点の考え方や改善に繋がるかもしれないアイデアを提示している。そのワンクッションがあるかないかで、相手の心に響く度合いは全く変わってくると思う。こういった話の運びが自然体で出来るのは掛け値なしに凄い。普段から人に頼られて、相談ごとを引き受けていると見受けられる。
 もう一つ、アカリちゃんの対応で目を惹くのは「目潰ししてやる」「ぶっ飛ばしに行ってやる」といった物騒な冗談や誇張した表現を使っているところ。これも相手と打ち解けた空気を作るテクニックの一つだ。上記の例はあまりにも物々しくて生々しくならず、お悩みごとカラッと笑い飛ばしたくなるし、相談する側としては自分のことで憤ってくれる、それがとんでもなく嬉しいことだと思う。

【アカリ】
こんにちは~!
【相談者】
こんにちは
【アカリ】
どうも、お名前教えてください
【相談者】
○○です
【アカリ】
○○? かわいい名前
【相談者】
ありがとうございます
【アカリ】
何て呼んだらいい?
【相談者】
そのままでお願いします
【アカリ】
うん○○、○○はじゃあアカリにどんなお悩みがありますか?
【相談者】
アカリさんみたいに明るく元気に毎日過ごすためには
どうすればいいですか?
【アカリ】
え~そうだな、えっでもなんかそうね~……何も考えない!
あははははははは!
【相談者】
ふふっ
【アカリ】
いやほんとに、後はなんか、なんだろうな、やっぱ笑うようにする
なんかめっちゃ悲しくなって、泣いちゃうときもあるけどなんかその時も笑っちゃう
もう何泣いてるんだろバッカじゃね自分みたいな感じで、そうそうそう
なんかさ、どうせ人生って絶対前に進むしかないし
てか道は前にしかないからね
だから、もうなんだろ、どんなことがあってもやっぱり笑ったもん勝ちだと思うんだよね
【相談者】
はい
【アカリ】
そうそうそう、泣いてたって何も変わらないからさ、泣いてても笑おう!
はいっ
【アカリ】
ぶち込んで笑ってってください!
【相談者】
わかりました!
【アカリ】
うん、よろしく~アカリ戦法、うふふふふふ
【相談者】
ありがとうございます
【アカリ】
うん、がんばって~
【相談者】
がんばります
【アカリ】
バイバ~イ、ありがと~、うふふ


 他に注目してほしいのが、アカリちゃんが相談者に対して、自分も「めっちゃうっせーって言われる」「泣いちゃうときもある」と共感を寄せているところだ。ここで相談者ならびにわれわれ視聴者は、彼女の存在をぐっと身近に感じたことだろう。心理学では「自己開示の返報性」と言うんだったか。繰り返しになるが、相談をする人が相手に求めているのは往々にして共感や同意である。きっと上掲の相談者は、超が付く人気者のアカリちゃんでも自分と同じように悩んでいるのが聞けただけでも元気付けられたろうし、勇気を出して悩みを打ち明けた甲斐があったと思ったんじゃあないだろうか。
 おそらく「泣いちゃうときもある」のは魂の体験談だろうし、「やっぱ笑うようにする」は自身が心がけていることだろうし、「絶対前に進むしかない」「笑ったもん勝ちだ」は彼女の哲学なんだろう。バーチャルYouTuberの魅力は、魂の魅力でだいたい決まる。キャラクターの完成度には魂の資質や実力、人生経験値がもろに反映される。この性質は時にシビアで残酷に働くが、キャラの性格と魂の本質が幸福な一致をしたときには真に迫る存在感と奥行きが生み出される。『ミライアカリ』はそれの類稀な成功例の一人だと私は思っている。

【アカリ】
こんにちは~
【相談者】
こんにちは、あのっ、キズ○○○さんですよね?
(会場爆笑)
【アカリ】
……あっ、カラスだ……。
【相談者】
ははっ、ありがとうございます、ありがとうございます
【アカリ】
次の方どうぞ~!
【相談者】
ああ~!
(会場爆笑)
【アカリ】
うそうそうそ、ごめんごめんごめん
名前何て言いますか?
【相談者】
あの悩み相談なんですけど、自分バーチャルYouTuberなんすよ
【アカリ】
マジか! 会ったことあるかな?
【相談者】
あっ、でっ、名前ですか?
【アカリ】
うん
【相談者】
名前は○○って言います
【アカリ】
○○、○○?
【相談者】
はいっ、今三ヶ月やってて、チャンネル登録者数が150人しかいない
ド底辺なんで――
【アカリ】
――えっ、待って待ってそんなことないよ!
【相談者】
いやっ
【アカリ】
150人いるんだよ?
【相談者】
まぁまぁまぁまぁまぁ
【アカリ】
ほんとに、一人の人間が自分に興味を持ってくれるって、すごいと思うから
【相談者】
やっぱりアカリちゃんいいこと言いますね
【アカリ】
ほんとに、ほんとに、それは150人であっても150万とかであっても
ほんとそれは変わりないから……自信持って!
【相談者】
自信持っていきます
【アカリ】
そう絶対、まずじゃあ、1000人目指していこう
【相談者】
イエースイエスイエスイエス1000人目指そうぜ
【アカリ】
オッケーオッケー
【相談者】
止まらねぇからな
【アカリ】
止まらねぇからなぁ! そうしようぜ、団長! よろしく頼むわ
うふふふふふ……。
【相談者】
すいません、ネタに付き合わせてすいません、ありがとうございます
【アカリ】
全然だよぉ、がんばってねぇ
【相談者】
はいがんばります!
【アカリ】
ばいば~い
【相談者】
じゃあまた、ばいば~い
【アカリ】
ばいば~い、ありがとうふふふ


 悩み相談とは毛色が違うが紹介しておきたかったやりとり。この場面で目を見張ったのが、相談者の150人しか登録者がいなくてド底辺だという意見に割り入るアカリちゃんの反応の速さ。その考えが身体に染み付いていないと出てこない速さだと思う。一人一人ファンを獲得してきた結果として50万人もの登録者がいる人間だからこそ、誰かが関心を持ってくれることの難しさやありがたさが身に染みてわかっているのだろう。人気商売に携わる者としての意識の高さに驚かされた。

樋口楓

【楓】
はい、お次の方は~、どうぞどうぞ
【相談者】
こんでろーん
【楓】
こんでろーんどうも~! はい、お名前聞かせてください
【相談者】
えっと○○です
【楓】
○○さん?
【相談者】
えっと、マイナス思考がすごい強いんで
【楓】
あー
【相談者】
なにかポジティブになれるひと言をお願いしたいなと
【楓】
ポジティブ? そうだな、でもねマイナス思考も時には必要だよ
そこがプラスなんだ
何でもいい方向に考えすぎてもね、あの振り返ることとかできないから
その調子でねちょっと、自分の強みを見つけることも大事だと思うんだけど、そうやって振り返って学べるってことはすっごいいいことだと思うから
その調子でね、そうやってね意識付けできたら、も~うマイナス思考なんて、なんかだんだんだんだんちっちゃくなって
どんどんポジティブになるから、がんばって?
【相談者】
ありがとうございます
【楓】
うん、がんばってね!
【相談者】
元気が出ました
【楓】
ありがとう! 私も元気になった、またね~


【楓】
やったー、初めての女の子じゃん!
【相談者】
はじめましてー!
【楓】
あーはじめまして、どうもー!
【相談者】
こんちには
【楓】
こんにちは、朝早くから並んでくれたんやろ? ありがとう~!
ごめんねなんか、抽選が外れちゃって
【相談者】
あっ、いえいえいえいえ
【楓】
ほんとに~? ありがとう
あ、お名前お名前
【相談者】
えと、○○といいます
【楓】
○○さん? 悩み、悩みある?
【相談者】
悩みは、人前に立ってしまうとすごい震えてしまうのですかどうしたら震えが止まるでしょうか
【楓】
えっ、今も震えてるの?
【相談者】
はい
【楓】
あははっ、そうだよね
あたしがね~手ぇ伸ばすことが出来ればすぐ握手したげるんだけどな~
【相談者】
はっはい
【楓】
そうなの、あのね、まだね、実装されてないんだよな、これがははははは!
だからね、あの、あれだよ、今来てくれている人、早くあれだよ
あのにじさんじ宛にちゃんとでろーんの腕を動かせってDMしてあげて
CCOあたり、あっCOOあたりにね
【相談者】
はい
【楓】
あんね、震えるときもある
私も緊張……舞台裏にいるときとかは、すっごい震えるし
お腹もぎゅ~ってなっちゃうの、わかる~?
【相談者】
はいっわかります
【楓】
わかるよね~
緊張するけど、たぶんなんか人前に立って、ちょっと時間経ったらさ、震えって収まってない?
【相談者】
あ~気付いたら……
【楓】
そうでしょ? だからそれをちょっとね、慣れてったらだんだんそのスパンが短くなるはずだから
全然大丈夫だと思う
【相談者】
はいっわかりました
【楓】
あはは、そうそうそう、でもどんな時に緊張するの? 例えば
【相談者】
えっ……と上司の前に立つときとか
【楓】
あ~
【相談者】
あと後輩と話すときとか
【楓】
後輩でも緊張するの!? えっでも後輩絶対さ、なんか頼ってるからさ君のこと
【相談者】
はいっ
【楓】
だからそんなに緊張することないよ
あれ、プレッシャーみたいなやつ?
【相談者】
あー、かもしれないです
【楓】
あーっ、あたしもある~。でも大丈夫、全然気にしなくて大丈夫だよ
うんなんかね、先輩の言うことは正しいですエイサッサ~みたいな感じの人も絶対いるから
【相談者】
はいっ
【楓】
そんな悩まなくてもいいと思うよ
【相談者】
わかりました
【楓】
うんうん、ありがとう~、今日来てくれてありがとうね!
【相談者】
あーいえいえ
【楓】
そのシャツ可愛いね
【相談者】
あっありがとうございます
【楓】
めっちゃ星舞ってるやん
うんうん、またこれからも配信見てくれたら、うれしいな
【相談者】
あっはい、見続けます!
【楓】
ありがとう……! うんうん、また来て下さい
【相談者】
はっはい、ありがとうございます
【楓】
ありがとうございました!
ありがとうね~、ラッキーガールだね、ありがと~ぅ!


 二番手を勤めるでろーんこと樋口楓のトークも、常に安定していて素晴らしかった。普通トップバッター(ミライアカリ)があれだけ仕上げてきたら萎縮してしまいそうだが、緊張をおくびにも出さずに自然体でしゃべっていた(がちがちに緊張していたのは前日の委員長との通話で知っている)。このお姉ちゃん、本当にほんの数ヶ月前までいち学生だったのだろうか。肝っ玉が据わっている。
 でろーんの話の構築は、アカリちゃんのそれと共通する部分がけっこうあって面白い。「マイナス思考も時には必要で、そこがプラスなんだ」はコンプレックスの緩和で、「みんなでにじさんじ宛に催促のDMして」はくだけた空気を作るジョークで、「私も緊張ですっごい震える」は相手への共感で、「手が伸ばせるならすぐ握手したげるんだけど」はこちらからのアプローチの姿勢だろう。人を惹き付ける人間というのは、このような対面でのコミュニケーション力を自然と体得しているものなのだろうか。因果関係が逆か?
 でろーんの仕切りで特筆すべきは「すごい目がクリッとしてる」「Tシャツかわいい」「いい声してる」「バンドマンみたい」という具合に、初対面の相手のみてくれやファッション、声などをさらっと褒めているところだ。外面から入ることで内面の心理的な距離を一瞬で詰めるテクニックだが、ただイケの極致なので使用は自己責任である。それにつけても、でろーんは平素からこんなムーブを周りの人にやっていらっしゃるのだろうか。であればガチ勢や夢女子の死屍累々が積み上がっていやあしないだろうか。
 しかし、しかしだよ。でろさんは初対面の相手のことはこんなにすらすらと褒められて、女の子の相談者には歯の浮くようなセリフで粉まで掛けているのに、無二の相棒のことになると「すごい……アッアッ……動くね」と言葉に詰まり、あるいは「たくさんご飯を食べますね!(逆ギレ)」と言語能力か低下してしまうのは一体何なの!? どういうことなの!? 尊みザウルスが卍の五乗なんだが。でろさんが「動く美兎ちゃんがいちばんかわいい」と自慢していたのも、ものを食べる委員長の姿に思い入れがあるだろうことも知っているが……閑話休題。
 その他に興味を惹かれたところをつらつらと挙げていく。まず、相談者に対して必ず「ありがとう」と感謝の気持ちを述べているところ。そして「私も元気になった」と自分のプラスにもなった旨を伝えているところ。相談した側にとって、自分の悩みのために時間を割いてくれて、あれこれ意見をもらった上で、自分も元気が出た、相談してくれて嬉しかったと言ってくれる。それがどんなにありがたいことで、どれだけ心の負担が減ることなのか、あえて説明するまでもない。人間が相手を信頼するに足ると思うのはそんな時ではないだろうか。
 あとは、「クリエイターになれたら私もクリエイトして」「これからも配信見てくれたらうれしい」のような冗談半分のセールストークも織り交ぜているところに好感を持った。人間って不思議なもので、こういった茶目っ気や多少の自分本位な部分も見せてくれたほうが、相手を一人の人格として信頼する傾向がある。少なくとも私はそうだ。でろーんが意識せずともこれをやっているなら、コミュ力お化けとしか言えない。

前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)

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2018年04月20日

バーチャルYouTuber「toppoi」としてデビューします!

オハシラサマ~!
はじめまして、バーチャル百合厨バーのtoppoiと申します。今日から活動を開始するのでよろしくお願いいたします。

自分が動画で主にやっていきたいことは、漫画や小説といったエンタメ全般の感想・考察の発表、生放送での意見交換などです。ちなみに主な守備位置は百合作品全般と『アカイイト』『咲-Saki-』、ゼロ年代のギャルゲー・エロゲーあたりです。キングとアーヴィングもだいたい読んでます。

さて、記念すべき第一回目に取り上げる作品はこちら『素晴らしき日々』! ケロQ/すかぢの最高傑作との呼び声も高い作品ですね。つい先ほどHDリマスターフルボイス版の発売が発表されて話題になっています。王道のシナリオゲームやマルチサイトの群像劇としての魅力の他に、ケロQの過去作の文脈での解説、次作『サクラノ詩』でさらに先鋭化される思想についても語っていきたいです。
それでは早速いってみま~~しょう!

前程万里の意味 - 四字熟語一覧 - goo辞書

これから先の道のりが非常に長く遠いこと。また、その人物の前途に大きな可能性が広がっていること。前途が明るいこと。



ビルトイン - Wikipedia

建築段階からあらかじめ家具や設備が壁面などに組み込んで用いられる方式、すなわち造り付けのこと。



素晴らしき日々~不連続存在~ フルボイスHD版
 シナリオの加筆がなさそうなのは残念。前のパッケージよりかは妥当な人選だな。

VA-11 Hall-A ヴァルハラ | Playism
 バーチャルYoutuberの影響で『DDLC』をやっておこうと思い、Steamを導入した。上は百合ゲーだって聞いていまやってるやつ。だがクリック式のADVは苦手なのだった。

腐り姫 雑感 - ここにいないのは
凍京NECRO 感想 - ここにいないのは
 私の観測範囲で旧来のエロゲーをみっちりやっている人が絶滅寸前なので、今もって熱いレビューを書いてくれてるぱぶさんは貴重な存在。凍京NECROは私も大好きだ。

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』原作本訳書の帯がひどい - 石壁に百合の花咲く
 これはひどい。女囚さそりじゃないんだから。
 この後、みやきちさんの記事が拡散されて翻訳者の目に止まり、さらに出版社が修正することを決定したとのこと。


 委員長のゲーム実況で一番好きかもしらん。ゲーム自体のシナリオもヘタウマだし、委員長が最後にウルトラCの力技でいい話に持っていくところも大好き。


 ウカ様の動画は為になるなぁ。他人に対する期待についてはわかるマンだぁ……。

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2018年04月04日

ゆるキャン△ レビュー・感想 暑苦しい連帯や自己実現をオミットした快作

 観測範囲で評価が高かったので便乗して観た。なかなか面白かった。

『ゆるキャン△』は人物の作画、美術、音楽と全体的にクオリティの高いアニメだった。特にロケハンにガチで取り組んだと思われる背景美術は実写と見まごう美しさだった。あとは五感(視覚:山の風景や夜景、聴覚:牧歌的なサウンド、触覚:冬の山の身を切るような寒さ、嗅覚と味覚:言わずもがなキャンプ飯)を刺激する描写がやたら巧くて、キャンプという非日常と言うにはちょっと近く、日常と言うには遠い空間に自然と没入させられた。
 作品全体を包む不思議な居心地のよさについて。『ゆるキャン』は特定のアクティビティに取り組む形式の作品だが、何がよいかって、克己や連帯を無闇に強要していないところがよいのだ。日常作品というのは得てして、前者はともかく仲間意識や帰属意識はシリアスパートで妙に強調してうっおとしくなることもままあるのだが、この作品はうまくバランスをとっている。具体的に言うと、野クルを中心とするグループキャンプと、リンを中心とするソロキャンプを等しく面白いものとして書いている。賑やかでせわしないグルキャンもよいし、マイペースに静けさを堪能するソロキャンもまたよいというスタンスはなかなか粋だった。劇中での主たるコミュニケーションの手段が、時間と話題をゆるやかに共有するLINEというのも作風に合致していたと思う。そして作品名に「ゆる」を冠したのは大正解だったなと。
 この作品が暑苦しい連帯や自己実現をオミットしながら、静かな達成感や去りがたさを呼ぶのはなぜだろうか。一つ、ゆるいと言いつつ、寒空の下でするキャンプの大変さや財布事情の切なさをしっかりと描いている。二つ、よい景色が観られたとか、自分の提案や練った企画を喜んでもらえたとか、こづかいやバイト代を貯めてよい装備を買えたとか、うまいメシが食べられたとか、そういった女子高生らしい等身大の喜びがていねいに描写されている。三つ、想定していた交通路が使えなくなっている、思った通りに火が起こせないといった小さな失敗と、それに対するリカバリーのエピソードも描かれている(そして、その際には必ず誰かの助けがある)。そして四つ、どのような形式のキャンプでも、人と何かを共有することの嬉しさや楽しさが鮮やかに表現されていること、これが自分にとってインパクトが大きかった。なでしことリンが別のキャンプ地にいながら同じ空の下で夜景をシェアするところや、リンがなでしこと千明のナビで一人旅をするところ、野クルメンバーが部室の壁を写真で埋めようとするエピソードなどに、それが顕著に表れていたと思う。
 最終話のエピローグ、リンと出逢った思い出の場所で初めてのソロキャンプにチャレンジするなでしこが、同じくソロキャンプをしていたリンと偶然合流するエピソードは、この作品のアクティビティに対するスタンスをこれ以上なく表していて好きだ。ソロキャン中のリンからキャンプの楽しさを教わったなでしこが、なでしことの縁からグルキャンの面白さも知ったリンとはじまりの場所で会うという円環構造が美しい。二人はあの後グルキャンをするんだろうし、以後はソロキャンもグルキャンも思い思いにやるんだろうなと想像させてくれるのがよい。このエピソードはアニメオリジナルらしいが、よい仕事だった。

 最後に余計な一言を付け足すと、作品の良さが五感に訴えかける要素や全体的なクオリティの高さに依っている分、作画がヨレヨレもヨレヨレだった8話は訴求力の衰えを如実に感じた。あと、ギャグの寸劇はあんまり肌に合わなかったかな。

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