2016年08月21日

東方Project ノーマル難易度比較

 「東方 難易度」の検索でトップに来ているようなので更新した。継続は力なり、何事も慣れとはよく言ったもので、STG初心者だった私も、ナンバリングタイトルに限ればノーマルモードは全てクリアできるようになった(紅魔郷、妖々夢、永夜抄、風神録はハードまで)。エクストラも全作品で突破している。
 さて、この記事では『東方Projec』整数ナンバリングタイトルの、主にノーマルモードの難易度について語っていこうと思う。しかし、何をもってゲームクリアと考えるかで難易度という言葉も変わってくる。
 まずは手段を問わず、一つでも本編のグッドエンドを見ることがクリアだとしよう。そうすると、イージーモードでもエンディングを見ることができる妖々夢、永夜抄、地霊殿、星蓮船が楽になる。紅魔郷と風神録は、イージーではエンディングを見られない。紅魔郷は5面終了時点で咲夜に追い返されてしまうので、6ボスのレミリアに会うことすらできない。また、Windows三部作(紅~永)まではオプションで初期残機を増やすことができた。特にエクステンドが少ない紅魔郷なんかは、これでクリアにぐっと近づける。逆に妖々夢は、残機にてこ入れしなくてもプリズムリバー三姉妹の時点でカンストが可能なんだが、それでも落ちるときはずるずる落ちて満身創痍になるので、うま味は薄いかもしれない。もし、初期残機7の永夜抄イージーがクリアできないようなら、マリオやカービィなどの難易度の低いアクションゲームを触って、ゲームというものに慣れることから始めたほうがいい。
 次に、エクストラモードの開放でクリア認定とする。するとイージーモードをクリアすればいい妖々夢、永夜抄は難易度が低くなる。ちなみに地霊殿、星蓮船はエンディングだけは見られるが、エクストラへの挑戦権は得られない。まぁ、ノーマルをクリアできないのにエクストラにいどんでも詮無いことだ。精進するこったね。
 エクストラモードの開放と関連して、全てのキャラに出会うまでを条件にする。EXボスに会うまでだが、エクストラの道中と中ボスはノーマルをクリアできる腕っぷしがあれば、それなりの練習とボムの決め打ちで打破できるはずだ。星蓮船道中や地霊殿の早苗がちょっぴり厳しいかもしれない。大半の作品はエクストラ開放の難易度=EXボスに会うまでの難易度=全キャラに会う難易度なんだが、一つだけ例外が存在する。妖々夢のファンタズムボスである紫に会うためには、その前にエクストラボスの藍を倒さなくてはならない。かてて加えて、藍はExボスの中でも強敵である(逆に紫は与しやすい部類に入る)。ゆえに妖々夢の難易度が頭二つくらい飛び抜けている。
 あるいは、全キャラクターの全装備でクリアすること、言いかえればEDとかけあいの回収を目標にしてみる。紅魔郷なんかは、どの武装も一定以上の攻撃力があり(というより、共通のメインショットに攻撃力の比重が高い)、ボムも極端なハズレがないので、この条件はそこまで苦にならない。風神録も、霊夢と魔理沙の全武装で共通のボムである霊撃がぶっ飛んだ性能なのでどうにでもなる。最新作の神霊廟も、どのキャラも一長一短であまり格差がなさそうだったな。早苗がボス戦で若干厳しくて反歩後ろかなってなくらいだ。逆に、機体の強弱差が顕著である地霊殿や星蓮船はこの条件が非常に苦しくなる。この二作品にはショットは何ともはや、ボムもお察しくださいという機体があるからなぁ。私は、魔理沙が何回目かの人気投票で大きく順位を落としたのは、星蓮船におけるウェブマリのどうしようもなさが影響しているんじゃあないかと踏んでいる。
 以下、各作品の雑感をつらつらと書いていく。難易度ノーマルの初期設定かつ、いわゆる強機体でのプレイを想定している。

『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』
 一番難しいと言う人もいるが、私は真ん中くらいだと思う。以降のシリーズに比べて段幕の密度が薄い(当たり判定の仕様を考慮しても薄い)のは素直にありがたい。また、ニコニコ大百科の記事ではコントローラーの遅延を高難易度の理由に上げていたが、遊びはcustom.exeで軽減できるはずだ。確かに初期値の600でプレイすると違和感がある。
 以降の作品にあるような救済システムは存在しない。また、エネミーマーカーはともかく、低速時の当たり判定が表示されないのは影響が大きいかもしれない。しかし、弾幕の密度や圧迫感は永夜抄や地霊殿と比べれば断然薄いので、大きなハンデかというとそこまででもない。魔理沙は妖と同じデザインだしね。どちらかというと問題なのは、敵弾の当たり判定が割に大きいことだろう。特に中弾、大弾が後の作品に比べてめり込めないので、同じ感覚で回避しようとするとぽこぽこ被弾する。紅魔郷は殊に弾幕の薄い(薄くなる)部分を見定めて立ち回る技術が問われる。
 特徴としては、ボスが以後の作品に比べると格段に柔らかい。特に咲夜なんかは、気合いを溜めているあいだに極力近づいて撃ち込むことを心がけるとぐっと楽になるはずだ(操りドールは返り討ちにされるけれど)。パチュリーは上述した当たり判定の影響で一部のスペルが鬼畜になっている。プリンセスウンディネの恐怖はじっさいに体験してもらいたい。パッチェさん相手に抱え落ちを繰り返すとクリアがぐんぐんと遠のいていく。また、5面道中も仕組みがわかるまでは弾数に圧倒されて死ぬだろう。ラストのレミリアは、6ボスの中では御しやすいほうなのかな。体力が少ないのは同様なので、押し流されずに正面に陣取ることができれば、案外あっさりとスペルカードゲットできる。最終スペルのレッドマジックはHardの紅色の幻想郷より難しいと言われている。確かにあのうねりつつ徐々に徐々に狭まってくる弾幕は初心者には脅威の一言だ。なるべく慌てず騒がずで、レミリアの下をキープしつづけるのがクリアの鍵だ。

『東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.』
 ノーマルはそれほどでもなく、どちらかというとイージーが割りにムズい。4面の道中はイージーでも難しい。
 救済システムの森羅結界はシンプルで強い。システムを完全に把握していなくても(私はしていない)弾幕を避けていれば勝手に発動してくれる。ボム数が4の咲夜はそうそう倒れない。強力なボスとの対決時に発動しやすいのもまた心憎いね。
 4ボスのプリズムリバー三姉妹は通常弾でのへにょりレーザーが鬼門な上に固いのがいやらしい。5ボスの妖夢は鬼としか言いようがない。抱え落ちしたい人にお薦めの危険な庭師兼辻斬り魂魄妖夢。イントロから1秒の通常弾1で普通の魔法使いが頭から血を流して倒れていた。「そんな危険なわけがない」といって出て行った博霊の巫女が5分後二百由旬の一閃にハメられて戻ってきた。妖々夢が難しいというイメージは四割がた妖夢に作られていると思う。あの通常弾とは都合三回鉢合わせるので、視界が狭く交差弾に慣れないうちはトラウマになる。幽々子は結界がガンガン発動するのと、最終スペル相当の完全なる墨染の桜にボムが通じるのがありがたい。ほとんどのスペルが危ないと思ってからボムが入るのも助かる。
 4ボムの咲夜安定。特殊タイプがどうしても使いこなせないなら広範囲タイプで。

『東方永夜抄 〜 Imperishable Night.』
 評判通り、簡単な部類だろう。ただしそれは決死結界の恩恵があるからであって、スペルカードそのものは優しくもなんともない。全体の傾向としては、弾速の密度が高くて非常に圧迫感がある。画面下でちまちまと精密動作を強いられるシーンが多い。3ボスの慧音からして既に神経に障ってくる。指先の調子が悪いとぽこぽこ被弾してしまう。
 しかし、決死結界システムが抱え落ち=オワタという東方の常識を覆す。二ボム拾ったら一機アップみたいな感覚がある。東方のノーマルがクリアできない、すなわち抱え落ちをしているってことがよくわかる。弾幕は全然見切れなかったのに、ラストスペルを順当に使っていたらクリアしちゃってた、なんてことが多々ある。
 魔理沙はパワーキャラの触れ込みに反して人の神経を逆なでするちまちました弾ぁ撃ってくるんだよな。星形弾は見た目の派手派手しさの割りに判定は小さいが、その分を差し引いても四ボスの中ではキツいほうだと思う。逆にイナバ‎は覚えればどうとでもなる。一番の問題は、5ボスの割りにどうにも危機感が湧かないことだ。これが紅魔郷なら咲夜、星蓮線なら星と戦っているところだ、と考えてボムを出し惜しみなく使おう。輝夜の蓬莱の弾の枝は、永夜抄を象徴するようなスペルだな。
 ゆかれいむ安定。グッバイ抱え落ち。

『東方風神録 〜 Mountain of Faith.』
 他の作品はできるのに風神録のノーマルがクリアできない、イコール「霊撃を使いきっていない」だ。断言できる。
 霊撃がありえないくらい強い。強すぎる。1ボムで1スペルを飛ばせる威力なのに使用回数があれだけあり、リカバリーは容易で、道中で使うペナルティはほぼなしときたもんだ。想像してみてくれ、紅魔郷でザコ敵の一群を倒したり、ボスの通常弾とスペルの一セットを突破したりするたびに緑色のボムアイテムが支給されるところを。クリア重視プレイの風神録はそんな感覚だ。遠慮なく使おう。残機数は紅魔郷と同じく余裕がないので、逆に霊撃を出し惜しみして抱え落ちが重なると苦しくなる。
 文も早苗も、霊撃のせいでどうにも印象が薄い。神奈子はさすがに、今まで通りの霊撃ぶっぱでは残機によほどの余裕がないと無理なので、研究と対策を重ねてしっかりと安定スペルを作っておくこと。マウンテン・オブ・フェイスは、イージーの方が難しい。
 道中が楽な上、破壊力も悪くないホーミングがいいと思う。

『東方地霊殿 〜 Subterranean Animism.』
 歴代史上最凶と言われているが、ぶっち切りで難しいかといえばそうでもないんじゃないか。私は初クリアの時にかなり残機が余った。ただし、プレイしていて最も疲れるのは間違いなくこれだ。ボスが尋常じゃなく固い。カッチカチやで。
 特徴は、針に糸を通すような精密動作やだるい反復動作、長ったらしいチョン避けを強いられる箇所が多いことだ。魔理沙で挑戦するモチベーションがない。道中は自機狙い弾が大半だとわかっていても長ったるくてへばってしまう。いつもは箸休めの6面ですらしんどい。しかし、風神録より弱体化したとはいえ推奨機体の霊撃はそれなりに優秀で(使えない機体は本当に使えないが)、気を張っていれば残機を減らさずリカバリーできる。ボムを使い切った後に粘ってまたリカバリーできる可能性があるのはなかなかうれしい。ただし、あやれいむ以外は苦手なスペルで霊撃を連発しても、すっ飛ばすほどの威力はないので、最後は気合いが必要になる。
 地霊殿はエクステンドの仕様が特殊で、ボスとの勝負でミスをしなかった場合にのみ(ボムろうが何だろうがミスしなければよい)残機のかけらが取得できる。被弾してしまうともらえない。よって好調にプレイしているときとミスが続いているときで残機の差が大きく開くようになっている。序盤からちょくちょく被弾しているうちは「この残機であと何ステージ乗り切るとか不可能もいいところだろ……」と絶望してしまいがちだ。しかし、序盤をパーフェクトで進めるようになると途端に残機に余裕が出てくる。なので腐らずがんばろう。
 地霊殿が難しいというイメージは、三割がたはパルスィとお燐のファーストインプレッションに作られていると思う。私のノーマル初回プレイは、グリーンアイドモンスターになすすべもなく撃沈した。しかし、タネに気付けばあの二人はそこまでの難ボスでもない。パルシィにしろお燐にしろ、弾幕を安全に避けるためにはいったんショットを切ったり、敵の背後に回ったりする必要がある。地霊殿以前の東方ノーマルでは、敵に背中を向ける必要がほぼなかったので、その固定観念で行くと延々ハマりつづけることになる。それさえ捨てられれば難易度は段違いに下がるはずだ。お空は、フィクストスターは魔理沙でも安定だが、残りのスペルがありえない。見えない。避けられないんじゃなくて、見えない。どういうことかは6面まで行ってごろうじろ。
 ゆかれいむ推奨。ショットにくせがなく(というか、他がくせものだらけ)、ボムのダメージもそれなりに通る。文も強いのはわかるんだが、私にはあのショットがどうしても操れない。

『東方星蓮船 〜 Undefined Fantastic Object.』
 シリーズ中最も特殊なシステムを搭載している。残機とボムを稼ぐには、道中でベントラーアイテムを色を揃えて回収し、出現したUFOにアイテムを吸わせてから破壊する必要がある。慣れてしまえばベントラーを効率よく回し、物量にものを言わせて楽にクリアできるが、その慣れるまでにかなり骨が折れる。私はノーマルノーミス初クリアまでのリトライ回数なら星蓮船が断トツで多い。たとえば永夜抄や風神録のノーマルは、他作品のそれをやり込んでいる人がプレイしたらあっさり初回クリアすることもありえると思うが、星蓮船はかなり厳しいんじゃないだろうか。死に覚えでベントラーのシステムを把握し、パターンをきっかり構築しつつ、不測の事態(主に青UFO)にも対応できる応用力を身につけないことにはにっちもさっちもいかない。東方のクリア重視プレイでは、主に中ボスが出す残機とボム(パワー)だけをさくっと拾って、後のアイテムは無理して取らずに画面下で粘るというプレイスタイルが基本になる。しかし、星の道中は、継続的に危険を冒してベントラーを回収しにいく必要がある。そうしないとボムの補充もエクステンドもままならない。しかし、ベントラーの軌道や色の変化に神経を使わざるをえない分、敵弾に対する注意がおろそかになる。道中での事故死率はシリーズ随一だ。
 星蓮船は、敵弾がやたらぴかぴか光っていたり、レーザーや自機のオプションに弾が被さったりで、視認性が史上最悪である。加えて村紗も星もスペルが粒ぞろいだ。しかし、道中での立ち回りを完璧にしておけば、ぶっ壊れた残機数とボムで何もかもすっ飛ばしてしまえる。たしか村紗登場までノーミスならば、あの時点で9機9ボムになっていたと思う。クリア重視プレイなら、村紗に辿り着いた時点で既に消化試合の気分になっている。ただし、ラストの聖は魔界妖香と通常弾の半分くらいしか安牌がなく、最終スペルのフライングファンタスティカ以外にエア巻物にもボム耐性があるので、しっかり対策すること。
 すわさな以外ありえない。攻撃範囲もボム威力もぶっ壊れている。

『東方神霊廟 〜 Ten Desires.』
 星蓮船と同じく、道中でのエクステンドとボムの補充に習熟が必要である。敵の体当たりと弾幕が飛び交う中、時間で消滅する紫神霊と緑神霊を回収しに行くのはハラハラする(神霊は出現位置から移動しない上にボムで回収できない)。回収には躊躇無く霊界トランスを使用しよう。あれは苦手なスペルを潰すボム代わりにも使いたくなるが、発動時に紫・緑神霊の効果が二倍になる効果がある。神はエクステンドの理論値が低めなので、極力こちらにゲージを回すべし。
 道中での稼ぎ場所を把握しておく必要があることを除いて、全体的に難易度は優しい。何でもZUNその人が意図的に難易度を抑えて作ったと語っていたらしい。4面以降のボスが使用するスペルカードの難易度は、確実に下から数えた方が早い。特に布都の弱さがとても印象に残っている。おのれは本当に妖夢や星と同じ5ボスなんねんかと。先ほど試しに5面のプラクティスを試してみたが、通常弾含めてノーボムノーミスで撃破してしまった。5ボスは基本的にガンボム上等で切り抜ける腕前の私でもこうなるのでお察しくだされ。いやほんと、面食らうのは芳香の神霊吸収系スペルくらいのものだ。さらに、スペルプラクティスが久々に実装されていて、対策も実にやりやすい。
 クリアの難易度が跳ね上がるような地雷機体もなく、初心者が事前情報収集なしに挑んでもどうにかなるのではないだろうか。あえて言うなら霊夢安定で、ミスによるパワーダウン後の復帰が苦しい妖夢はやめておくべし。

『東方輝針城 〜 Double Dealing Character.』
 システムはシンプルだが、スペルカードがなかなか嫌らしい。うねうねブルブルと読みづらい軌道を描く弾がいくつかあり、また自機の当たり判定やキー入力、果ては画面構成(!)まで変えてくる妨害系のスペカが取りそろえられている。力が弱く蔑まされていた者がヒエラルキーを逆転させて革命を企てる、というストーリー背景を反映させているのだろうか。とにかくシリーズ初プレイにはお薦めしない。挑戦するなら、前作に引き続きスペルプラクティスが実装されているので、何度も動かしてとにかく挙動の変化に慣れること。正邪は弾幕の密度に限れば5ボスでもかなりぬるい。
 今作の残機とボムのシステムは、画面上部でのアイテム自動収集で一度に多くのアイテムを集めるとかけらが出現するというものだ。もはや恒例になりつつあるが、残機を稼ぐためには道中危険を冒してアイテム収集ラインを越えていく必要がある。ボムのかけらは8つ集めてようやく1ボム分になるので、無理にボムって上部回収してもかけら1つがリターンでは全く割に合わない。効率よく稼ぐためには、移動しながら敵弾を避けるスキルを磨くか、残機のかけら分アイテムが出現する箇所がどこなのかを把握してパターンを作り込んでいく必要がある。
 神とは打って変わって機体ごとの難易度の変化が激しい。ガチャプレイでも安定して強いのは咲夜A。特殊な強さなのが魔理沙Bで、実質的にエクステンドの回数を上げられるというシリーズの全機体の中でも珍しい特性を持っている。逆に咲夜Bの(クリア重視プレイにおける)残念っぷりはもはや語り草になっている。高速移動時にあれだけばらまかれるナイフを一点集中してなんであんな威力にしかならないのよ……。

『東方紺珠伝 〜 Legacy of Lunatic Kingdom.』
 弾幕の難易度に限れば、歴代でも断トツぶっちぎりではないだろうか。この作品は今まで通りの残機システムであるレガシーモードに加えて、完全無欠モードというほぼ無限にトライ&エラーができるシステムを選択できる。ボスは後者を前提としている(としか思えない)高速・高密度・要精密動作の弾幕をぶっ放してくるので、レガシーモードでプレイすると同じノーマルでも他作品のそれとは段違いの難易度になっている。個人的には、清蘭とサグメはともかくそれ以外のボスがイカれていると思う。
 鈴瑚! お前のような事故死率の高い通常弾を撃つ2ボスがいるか! ドレミー! スペルカードの1、2枚目がパターン化できるからまだいいものの、3ボスがあんなに高密度で積ませる通常弾を撃ってくんなや! クラウンピース……さん! やめて……やめて下さい……っブルブルッ。「星条旗のピエロ」はもう聞きたくありません……! 5ボスが高速直線レーザーつるべ打ちとか耐久スペル2枚とか、あんた何考えてるんすか……! 純狐さん、私の精密動作性ではあなたの通常弾と震え凍える星は避けられません! あと、あなたのスペルカード表示はバグか何かですか。
 勘違いされがちだが、クリア重視プレイだとレガシーモードより完全無欠モードの方がずっと難しい。完全無欠モードではボムを最大でも8個しかストックできないため、クラウンピースと純子の連戦で詰みになる可能性がそれなりに高い。最終スペルのピュアリーバレットヘルまでにボムを最低1発、なるべく2発残していないとノーマルシューターにはしんどい。そうすると単純計算で、6~7ボムでクラウンピースと純狐を打ち負かす必要があるのだが、それがいかにしんどいかは一回プレイしてもらえばわかると思う。また、リトライ一回のペナルティであるパワー-0.01(最大は4.00)が、ほぼノーリスクのように見えて意外にバカにできない。クラウンピース以降、大げさではなく、ノーマルシューターでは100回以上リトライしても突破できない可能性のあるスペルもざらにあるので(いわゆる00/99+)、パワーの減衰分をパワーアップアイテムで回復できずにジリ貧に陥る可能性がある。
 今回のエクステンドは、チャプター(区切り)ごとにグレイズを稼ぐことで残機のかけらが得られる形式。道中でのパターン作りが必須なのは『星蓮船』以降のデフォルトのようだ。『紺珠伝』は道中の難易度も頭一つくらい飛び抜けている。完全無欠モードの通しプレイによってパターンを死に覚えで作りこんだのち、レガシーモードでのクリア重視プレイで突破するというのが定石だ。幸いにしてエクステンドの回数は(きっちり道中をパターン化できていれば)少なくない。4面クリア時点でカンストするくらいはある。あとはその貯金で地獄の5、6面を凌いでくれぃ。
 自機は早苗か鈴仙を推奨。早苗は低速ショットが追尾性能有りなので避けに専念でき、ボムも癖がない(『星蓮船』に比べると威力も効果時間も弱体化しているが)。鈴仙はボムが規格外だ。弾幕回避性能・抱え墜ち回避性能がバカ高い上に、グレイズのシステムともシナジーがあるという。この記事の趣旨とは離れるが、かてて加えてエクストラモードのボスとも相性がすこぶるよい。私は鈴仙以外ではまだ変なTシャツヤローを倒せていない……。


【比較的やさしい】
妖々夢、永夜抄、風神録、神霊廟

【比較的難しい】
紅魔郷、地霊殿、星蓮船、輝針城、紺珠伝

 攻略wikiとほぼ同じ分類になった。


2011/5/2
投稿
2013/11/24
さらに加筆
2016/8/20
紺珠伝をクリアしたので項を追加

tags: 東方 
2016年08月06日

ある意味田中ロミオの最高傑作

 間違いなくアニメの影響だろうけど『Rewrite 評価』や『Rewrite 竜騎士』で飛んでくる人の多いこと多いこと。
Rewrite いいかげん極まりないレビュー・感想 竜騎士07シナリオのクソっぷりが想像以上だった
 上記の記事を最後に個別記事ではコメントせずにぶん投げていたけれど、私の『Rewrite』に対する評価は「ぼくのかんがえたすごいエロゲーランキング」で24位程度のものでさぁ。20位代には他に『パルフェ』とか『月姫』とか『EXTRAVAGANZA』とかを選んでいると書くと、けっこう買っているのが伝わるだろうか。騙されたと思って読んでみてほしい。苦行の先に至高の超展開が待っている。
 しかしながら、評価の内訳は

ロミオの筆力(95)
ロミオのシナリオ(30)
旅・渡りの詩・CANOE(5)
竜騎士(-30)

 と異常に偏っているので、アニメで見て面白いか? と言われると、うなり声しか返せない。少なくともニコニコで見た一話は体調を崩すレベルで面白くなかった。

 最近のニュースでは、ポケモンGOのスマッシュヒットと42歳イチローの快進撃に心躍ったね。自分らの世代にとって、ポケモンというのは国民的スターと同じくらいの存在なんだよ。任天堂がスマフォ業界に参入すると聞いたときは迷走の二字が頭に浮かんだが、新しい土壌できっちりと結果を残しやがって、脱帽しましたとも。
 ただ、人のプレイを見る限りでは(未着任提督です)、ゲーム性はもっと練ってもよかったんでないかと思う。間口の広さと奥深さは相反するものではないと私は思っている。

the old Adamの意味 - goo辞書 英和和英

 人間の罪深い本性.



四体液説 - Wikipedia

  「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」の4種類を人間の基本体液とする体液病理説(en.humoral pathology)である。



尾羽うち枯らすの意味 - goo国語辞書

《鷹 (たか) の尾羽が傷ついてみすぼらしくなるところから》落ちぶれて、みすぼらしい姿になる。尾羽うち枯れる。



宗像教授伝奇考 : そーすけさんの日々
 確かサクヤルートで、烏月さんが「孫悟空とはあながち無縁というわけでもありませんし」と言っていた意味が、10年越しでわかった。後で記事にしようかな。

あなたはどっち?3分でわかる百合・レズビアンの違い - NAVER まとめ

レズは一人でいてもレズ。百合は二人いるのを外部から見て決めるもの。本人たちがどう思っているかはともかく、外部から見てはじめて百合は百合になる。


 森島明子ってこんな月並みなことを言う人だったんだ……。別にファンじゃなかったけど。


 これはいいゲームだったなぁ。まさに単純明快さと奥深さを兼ね備えた作品だった。


  「世界線」は根付いた言葉だね。


  こうなることは知っていたが、動画映えするな。

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2016年07月31日

つい・ゆり レビュー・感想 二つの禁断で背徳感も二倍だな!

 読む価値無し。これっぽっちも無し。
 世にごまんとある、くちばしが黄色いガキンチョが同性の関係や実姉妹での関係にうじうじう悩み、終いにゃあ刃傷沙汰に至ったり拉致監禁の暴挙に出たりするお話である。月並みもいいところだ。このご時世に、同性愛やインセストを

「受け入れられない」
「越えてはならない一線」
「社会的に、倫理的に許されない」
「ほんとうはダメ」
「両親や親友に隠し通さなくてはならない」


 と頭ごなしに断定されて何の疑問も反発も湧かない人でないと、話の展開について行けないし人間にも一切共感できやしない。同性愛や近親をスキャンダラスでアブノーマルな「事件」として消費する方々に向けて作られているのが随所から伺える。
 いちおう、トゥルーエンドとおぼしきものでは、姉と妹がそれぞれ自分の気持ちを受け入れて、「いつかみんながわかってくれたらいいな」とわずかながらも前向きに歩き出すが、結局具体的な展望は何一つ示されないまま終幕してしまう。私はこの手の玉虫色な落としどころに対して「『いつか』って一体いつなんじゃい! はっきり言え!」と疑問を感じずにはいられない。子どもからお年玉を巻き上げた母親の言い訳かよ、もっと歯切れのよい答えを返しやがれ。

 私は『ついゆり』みたいにネガティブなことをねちねち語るだけの陰気で「情けないフィクション」に触れると、実妹や実姉がどんなに愛おしいか、血の繋がりや積み重ね(BY『咲-Saki-』)がどんなに素晴らしいか、滔々と語る作品がもっと出てきてくれないかとつぶやいておりまする。世の中にはまだまだ「いやっほ~う! 妹(姉)最高!」という百合作品が足りていない!

 作品の本質はタイトルに表れる、というのは私の持論だが、『つい・ゆり ~おかあさんにはナイショだよ~』(「ナイショ」は芸術点を付けたい)という幼稚さと加齢臭が同居するサブタイトルは、作品の程度をこれ以上なく表していると思う。

つい・ゆり ~おかあさんにはナイショだよ~ 豪華版
B01C8IMIBU

tags: 百合 
2016年07月09日

2016年後半戦の新作百合ゲー……が全然無い! 『カタハネ ―An' call Belle―』『ジェミニフォートの勿忘草』『ナイトメア・ガールズ』『ねのかみ後編』

 恒例の新作百合ゲー下馬評記事だが、紹介する作品がさっぱりなくてさびしい限り。ちょっと前までの雨後の竹の子のような勢いはどうしちまったのさ。
 まずは2016年の前半に出ていた作品を振り返る。
2016年の新作百合ゲーあれこれ『凍京NECRO』『ウィザードリンクス』『メダロット ガールズミッション』『りりくる Rainbow Stage!!!』『つい・ゆり』『ナイトメア・ガールズ』『ねのかみ』『アルプトラウムの黒蝶』『夏空あすてりずむ』『百合ねいと!』『死に至る純愛』『女性向けガールズラブSLG(仮)』

『凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ>』
 ちゃんと発売日に買い、寝る間を惜しんで読み切ったよ。
 原案が深見真、ニトロプラス制作と聞いて釣り上げまくった期待値以上の作品だった。絶対の自信をもって薦められる名作(万人に薦められる、とは言わない)。『凍京NECRO』が出ただけで、今年は当たり年だったと言える。みんなやるべき。やらないと怒る。
『つい・ゆり ~おかあさんにはナイショだよ~』
 サブタイトルの時点でダメダメ臭がカンストしていたが、結局やった。わかっちゃいたが駄作だった。受け身を取る準備は出来ていたのでさしたるダメージはない。そのうち三十分くらいでレビューを書く。
『FLOWERS -Le volume sur automne- (秋篇)』
 やってない、変死体が出てきたら起こしてくれ……と言い続けていたらもう秋なのか。ボクサーよ、お前の変死体に書ける情熱はその程度だったのか!?
『りりくる Rainbow Stage!!』
 やらない。
『ウィザードリンクス』
 ダメっぽいなこりゃと思ったので回避した。


カタハネ ―An' call Belle― (2016/7/29→2016/8/26)
http://www.katahane.com/index.html

最新OSに対応し、解像度は1280x720に強化、さらにパッケージも新たにする『An’call Belle』。
『カタハネ』の総てを網羅した完全ビジュアル本「ALL OVER KATAHANE」が付属し、
Blueberry&Yogurtによる新OP曲 & yo-yu氏が手掛けるムービーも用意!

http://www.getchu.com/soft.phtml?id=902438


●旧作からの変更点●

Blueberry&Yogurtによる新OP曲を追加
yo-yu氏による新OPムービーを追加
800x600から1280x720へ解像度変更
Windowsの最新OSに対応
ユーザーインターフェイスを一新

※アップコンバート版OPムービー2007ver.2も同時収録


 百合ゲー史上最高傑作との呼び声も高い『カタハネ』のリメイク版。製品仕様を見る限りでは流行りのHDリメイクで、シナリオの追加はなさそうだ。
 ときに、私の評価と世間の評価でもっとも乖離がある作品は、アオイシロでなければ百合霊でもなく、実は『カタハネ』なんじゃあないだろうか。

ジェミニフォートの勿忘草 (2016年予定)
月の水企画

で、追加部分が終わったばかりで何なのですが、次回短編の話も始めようということで。

次回短編は『ジェミニフォートの勿忘草』というタイトルのゲームになります。

以前から申し上げていましたように、探索ADVのようなシナリオ重視のゲームです。
色々試してみたいので戦闘なども入れ込むかもしれませんが、まだ諸々未定で……
HCG枚数はいつもの半分ということで30枚前後に納めるよう詰めている最中です。

詳細な設定やシナリオの雰囲気などは追々記事で紹介していく予定なのですが、
しっとりした感じのタイトルとは似つかない、出落ち感満載の軽い内容の話ですので、
Hシーンの密度が多めのライトな感じの雰囲気にご期待いただければ間違いないかと。

http://tsukinomizu.b.dlsite.net/archives/8536736.html


ナイトメア・ガールズ~異界氾濫~ (2016年制作開始予定)

苗床DG本編後にも予告として入れさせていただいた、短編の後作る予定の作品です。

まだ本編で予告を見ていない方もいらっしゃるかと思いますので、以下続きの方に……

次回長編は現代風触手凌辱RPGと銘打った、現代ものをやらせていただく予定です。


タイトルロゴでもないのですが、一応イメージはこんな感じです。

たまには雰囲気を変えてみてもいいんじゃないかっていう考えの企画ですので、
あまり深く考えずに楽しんでいただけるような作品に出来ればと思っております。

当サークル作品で一人、現代風の背景を持った既存キャラクターがおりますが、
その辺りの話は、結構な割合で本編の中心に絡んでくることになるかと思います。
勿論新規の方にも楽しめる内容にさせていただくつもりですのでご期待下さい。

キーワード的には、都市伝説や七不思議といった伝奇的な要素から、
SFや某コズミックホラーのテイストも混ぜつつ、基本は触手な感じの予定です。

完成はいつになるかわかりませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。
(そもそもaceでやろうかMVでやろうかも今のところ未定で……)

http://tsukinomizu.b.dlsite.net/archives/8455358.html


 毎度お馴染み、ド外道百合エロ本格RPGで知られるておでぃ/月の水企画の新作二本。『ジェミニフォートの勿忘草』は今回初紹介の短編で、『ナイトメア・ガールズ』より先に発表されるらしい。『ナイトメア』は世界観の根幹に関わる話になりそうなので今か今かと待ち望んではいるが、『ジェミニフォート』もそれはそれで大いに楽しみ。「探索ADVのようなシナリオ重視のゲーム」ということは、過去作品で言うと『リリムユニオン』に近いのかな。

 『ジェミニフォート』のタイトル画像らしい。左の娘は触手と非常に親和性の高そうな服装っすな……。
 下はがんばって書いた、月の水企画作品の推薦記事。読んで興味が湧いてきたら君も明日から魔触になろう。
リリィナイト・サーガ レビュー・感想 名作! 王道風ド外道百合エロRPG


 以下、同人作品の枠。

ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士 後編 (2016年8月)
ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士 後編

争乱の京洛に乙女達は舞う――

実物大の京都を舞台に4人の少女達の運命を描く和風伝奇ADVゲーム

半年ほど前に京都市北部で起きた、異常な地震。
テレビに映る“邪教”なる宗教団体の信者の異様な姿。

次第に人々の興味は他愛もないものに移り、もはや話題にもならない。

女子校生のレンは数年ぶりに出会う幼なじみ、東雲に突然「死んで欲しい」と告げられ………。

東雲と再開したその日から、“現実”という名の舞台が漣の前に現れ、世界の“真実”を覆っていた幕が開かれる。

http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ161801.html


 過去作品をまだやれてないなぁ。『サクラメントの十二宮 乱れる仔ひつじと手懐く狼』もここだったのか。
 前回も書いたけど、塗りが殺人的によくなっている。

 以下、公式サイトの更新が長いこと停止している作品群。

アルプトラウムの黒蝶 (2014年秋予定→2015年予定→?)

祈ればきっと叶うよ。
あなたの願いも、わたしの願いも―

時は大正時代。
とある山中にひっそりと存在する集落「白女霧」<しらめぎり>
主人公 坂本舞子は生まれた時からこの集落で
多少の不自由はあるものの楽しい時を過ごしていた。

そんなある日、舞子は一人の少女と出会う。
神も肌もまっしろな、いわゆるアルビノ<先天性色素欠乏症>の少女イリス。

舞子は初めこそ自分と違う容姿に戸惑いを隠せずにいたが、
打ち解けていくうちに徐々に心を惹かれていく。
最初は心を閉ざしていたイリスもまた、舞子の純真な心に触れ、次第に心をひらいていく

こうして少女ふたりのちいさな物語がすこしずつ、すこしずつ紡がれていく―



夏空あすてりずむ (2014年予定→2015年予定→?)
爽やか青春系百合ADV 『夏空あすてりずむ』

青春×田舎×乙女!!
明るく元気だけが取り得で、天体観測が趣味の女の子『椿沢 科乃(つばきさわ しなの)』
今年の夏もめいっぱい楽しもう!! と、思っていたのに……。
あれれ、今年の夏は去年までの夏と違うっ!?
趣味に進路に友情に、そして――もしかしたら恋に!?

星がゆっくりと夜空を流れていくように、
ゆっくりでも、確実に変わらなきゃいけない夏。
その先にある未来へと繋がる星座を形作るために。



百合ねいと! (未定)
百合ねいと!

おしっこ×百合! 禁断の組み合わせが今!!

雪ノ下春。どこにでも居る普通の女の子。
猫柳雪。どこにでも居る普通の女の子。

桜の蕾が膨らみかける季節。
雪解け水のよりも透明な少女の想い。

誰にも言えない、彼女だけの何よりも透明で熱い想い。

『ダメ……熱い想い……漏れちゃう……』



女性向けガールズラブSLG(仮) (2015年秋?)
業界初!女性向けガールズラブSLG 2015年秋リリース予定!
 火薬臭が凄すぎるので、どんな酷いことになるのか興味はあった。もうプロジェクトが頓挫していそうだけど。

死に至る純愛 (2015年予定→?)
死に至る純愛

妻に恋するファンタジー百合18禁ADV
原画・シナリオ ろくみ


 「妻に恋する」が愛妻家の意なのか、それとも人妻百合なのか、そこだけでも知りたかった。

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2016年07月02日

エロゲー・ギャルゲー入門編 ノベルゲームの面白さがたぶんわかる十本

 以前にも似たようなエロゲー初心者の入門記事を書いていたのですが、あれからまた多くの作品を鑑賞するうちに価値観も変化してきたので、まるっと刷新しました。面白さの観点を整理したほか、総合的なクオリティや入手難易度などを考慮していくつかの作品を入れ替えています。
※この十本は私の好きな作品ベスト10ではありません。いくつかは被っていますが。
※この記事ではアドベンチャーゲームとビジュアルノベルを厳密に区別せず、一緒くたにしてノベルゲームと呼んでいます。

『痕』 原点
 1996年発表、リーフビジュアルノベルシリーズ第二弾。『痕』が現在主流になっているエロゲー・ギャルゲーの始祖だということに異を唱える人は少ないでしょう。高橋龍也と水無月徹のコンビは自らが『雫』で始めたビジュアルノベルの歴史を次作『痕』でさっさと終わらせてしまいました。この作品はノベルゲームという媒体で表現可能なことをやり尽くしていると言っても過言ではありません。極論っちゃあ極論ですが、下に挙げた蒼々たる名作群もこの作品の二番煎じでしかありません。どちらの作品が優れているかはさておき。また、長らくエロゲーの主流となる異能伝奇バトル路線の嚆矢でもあります。
 余裕があれば前作『雫』もやりましょう。さすがに今になって読むと毒電波という独自概念のテキトーさやテキストの雑さなどが目につきますが、歴史を変えた記念碑的作品を抑えておいて損は無いです。じっさい『弟切草』『かまいたちの夜』などのサウンドノベルとこの作品の間には1万光年の隔たりがあります。『雫』の単体記事はいつか書きたいですね。
【対応機種】Windows(調べてみたら全年齢版がない)

『この青空に約束を―』 コミュニケーション
 『こんにゃく』のゲームデザインは、私が勝手に「コミュニケーション型」と読んでいるスタンダードなものです。あるヒロインと交流していくうちに、その人の過去や隠されていた本質が明らかになったり、あるいはその人が抱えている問題を一緒に解決したりすることで絆を深めていく、というのが基本の流れになっています。、
 ギャルゲーの面白いところは、物語中で主人公とヒロインの仲が深まっていくのと同時に、読み手がそのキャラのパーソナリティに触れることで愛着が生まれるという、もう一階層上のメタフィクショナルな交流が起こるところです。愛=理解! 名作と呼ばれるような作品は、伏線やルートごとの情報の秘匿・開示によって、それを鮮やかに演出してきます。いや本当に、まるで目から鱗が落ちたかのように、そのキャラクターに対する印象が変わってしまうんですよ。私がギャルゲーをプレイする動機の根源にあるのは「その人のことを知りたい」「その人の本質に触れたい」という欲求なのですが、みなさんはどうでっしゃろか。
 『こんにゃく』は好感の持てる主人公、キャラの立ったヒロインとサブキャラクター、読みやすいテキスト、かわいらしいビジュアル、心に染みるサウンド、泣けるシナリオとおよそ名作と呼ばれる作品の必須要素を搭載しているので、入門編にはうってつけです。若干、これからやる作品のハードルが高くなる気はしますが。
【対応機種】Windows、PS2、PSP、Vita

『Fate/stay night』 マルチシナリオ
 ノベルゲームの面白さのうち、アニメ・漫画・映画・小説といった媒体では表現しえない(あるいは非常に困難な)ものに「マルチシナリオ」があります。同一の時間を起点にして、同一の舞台設定、作品概念、登場人物によって、幾通りもの物語を展開し、幾通りもの結末・価値観を提示することができる。それがノベルゲームの強みです。中でもこの『Fate』は、徹底的に作り込まれた世界で、えぐいほどにアクが強い登場人物が、全く展開の異なるバトルロワイヤルを三度に渡って繰り広げるという、マルチシナリオの贅を尽くしたような作品です。「Fateは文学」なのかどうかは知りませんが、こいつがノベルゲームの理想型を実現させた数少ない作品の一つであることは間違いありません。
【対応機種】Windows、PS2、Vita

『アカイイト』 情報分散 マルチエンディング
 私が「情報分散」型と呼んでいるデザインは、各ヒロインのルートに情報が分散して割り振られていて、全てのルートを読み終えたときに初めて全容が明らかになる形式です。断片的だった情報が額縁にピースをはめていくかのように組み合わさって意味を成していき、次第に世界の全体図が見えてくる。あの目から鱗が落ちていくような快感は実際にやってもらわないとわからないです。
 私がこの形式の作品としてお奨めしたいのが、王道和風伝奇百合ゲー『アカイイト』です。この作品のデザインコンセプトが秀逸なのは、一人目のルートでその人が関わっていた十年前の事件の真実が明らかになり、二人目のルートでその人と妖怪変化・悪鬼羅刹との千年前からの因縁が判明し、三人目で三年前の……といったあんばいで、ヒロインの正体がわかっていく課程で、長大な年表が時系列を入れ替えながら組み上がっていき、世界観が構築されていくところですね。『アカ』ほど一つ一つルートを読み解いていくのが楽しかった作品はありません。
 また、プレイヤーの選択によってエンディングが変化する「マルチエンド」はギャルゲーのご先祖であるサウンドノベルの頃から売りにされていた要素ですが、『アカ』はノーマルエンド・バッドエンドが魅力的なゲームとしても知られています。その後の展開を想像させるような内容である上に、エンディング一つ一つに気の利いた名前が付けられていて、強く心に残ることうけあいです。
【対応機種】PS2、PS3(ゲームアーカイブス)

『パワプロクンポケット』シリーズ 正史構築
 あまり該当作品が無い「正史構築」型のデザインです。私もぱっと思いつくのが『久遠の絆』、『CLANNAD』と『智代アフター』、『My Merry May』と『My Merry Maybe』ぐらい。そもそもこの業界で、最初から全何部作で構想されているもの以外で、続編の名作というのがあまり思い浮かばないです。ナンバリング付きの続編なんか最近じゃあめっきり見ませんし。
 今まで語ってきたように、ギャルゲーの面白さの根源にあるのはマルチシナリオ・マルチエンドなどの分岐にありますが、アフターストーリーや続編においては基本的に正史が定められて、そこを起点に物語が展開します。正史構築型の作品には、そうして起点が固定化されることによって生まれる逆説的な面白さがあります。それはもちろん、われわれが正史確定前のさまざまな未来を観測しているからこそ成立するものです。野球をするギャルゲーと言われる『パワポケ』は、歴史に選ばれなかったヒロインの悲喜こもごも、ハッピーエンドとは異なる解法の提示、思いがけない人物・組織の台頭といった演出がずば抜けてうまいです。ギャルゲー・エロゲー畑の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、絶対の自信を持ってお奨めできる作品なのでぜひぜひプレイしてみてください。
【対応機種】GB、GBC(1、2)、GBA(1~7)、DS(8~14)

『家族計画』 テキスト
 ノベルゲームというくらいなので「テキスト」が素晴らしい作品も一つ紹介しておきます。瀬戸口廉也や虚淵玄や水無神知宏の文章も格調高くて素晴らしいですが、私がノベルゲームのテキストとしてもっとも美しいと思っているのは田中ロミオのそれです。その次が麻枝准(キリッ)。私がロミオを評価しているのは、もちろん文章の噛み砕きやすさや、表現・語彙の引き出しの多さ、躁的なテンション、名言の含有率もありますが、何よりテキストのリズム感を完ぺきに身につけている点です。平易な表現とペダンチックな表現、1クリックで表示されるテキストと情報量のペース配分が理想型に近い。だから分量だけ聞くと胃もたれしそうなシナリオでも、一気呵成に読ませてしまうんですよ。誇張表現はなく、エンターキーを押す手が止まりません。読ませる文章を書く小説家をページターナーと言いますが、私にとってロミオや麻枝はエンターキープレッシャー(?)です。
 ところで、ロミオの筆がもっとも冴え渡っているのは『Rewrite』だと個人的に思っているのですが、入門者に進めると竜騎士か殿のシナリオで確実に挫折すると思ったので無難に『家計』にしておきました。
【対応機種】Windows、PS2、PS3、PSP、Vita

『AIR』 演出
 「ゲーム性がないギャルゲーなんてライトノベルと変わらんじゃんか」と言う人がいます。それに対して「分岐がない作品に限定しても、絵があって音楽があってボイスがある、それだけで全く別物じゃないか」と言う人もいます。私は後者の主張を支持していますとも。
 けったいな考察コンテンツを作っていることからわかるように、私はバ鍵っ子の末席を汚す身です。しかし信者のひいき目を抜きにしても『AIR』は20世紀を代表する作品だと思います。時代の三歩先を行っていました。この作品の、テキストとサウンドとビジュアルが三位一体となった「演出」は読み手の涙腺に致命的なダメージを与えてきます。かの有名なゴールのシーンはギャルゲー史上の最高到達点の一つでありましょう。語るに尽きぬ作品ですが、あの一場面だけでも歴史に残ります。
 勘違いされがちですが、初出のPC版にはボイスがありません。私には観鈴ちんと晴子の声が聞こえてきましたけどね。
【対応機種】Windows、DC、PS2、PSP、iOS、Android

『STEINS;GATE』 ループ
 ギャルゲーと「ループ」要素の親和性が高いのは定説です。パターンの限られた背景と立ち絵、延々とリフレインするBGM、主人公の目を通して世界を覗くという歪んだ構図が生み出すデジャヴ感・箱庭感とループ要素がこれ以上ないほどマッチしているからだ、というのが私の意見です。
【※微妙にネタバレあり】
 ゼロ年代最後の名作と言われる『シュタゲ』は目新しさこそないものの、(プレイヤー主観の)一周目時点で発現している歴史改変の影響、トライ&エラーの果てない繰り返し、摩耗していく自我、変貌していく世界、因果律の無慈悲な収束、思いがけない「ループ逃れ」の存在、というループ作品のお約束を網羅している良作です。
【※ネタバレここまで】
 また、ひとくちにループと言っても、無限に繰り返される時間の中で何かを悟るような、狭義の「ループ」に主眼が置かれている作品と、観測された悲劇を回避するためにいわゆる「強くてニューゲーム」で立ち向かう「リプレイ」要素の比重が大きい作品があります(無論両方を兼ねている作品もある)。前者は『パンドラの夢』『CROSS†CHANNEL』(他の媒体で言うならば『リプレイ』『恋はデジャ・ヴ』)、後者は『ひぐらしのなく頃に』『マブラヴ』(『バタフライ・エフェクト』『アズカバンの囚人』)ですかね。ギャルゲーとリプレイものの親和性が高いのはある意味当然です。なぜならば、あまねくギャルゲーはそれの性質を備えているからです。われわれ読者が選択肢の位置でセーブをしてトライ&エラーを繰り返し、トゥルーエンドへの道を模索する、その行為こそがリプレイそのものではありませんか。ループゲーというのは、必然的にメタギャルゲーでもあるんです。
【対応機種】Xbox360、Windows、PS3、PS4、PSP、Vita、iOS、Android

『Ever17 -the out of infinity-』 叙述トリック グランドエンド
 『Ever17』については何を言ってもネタバレになるのでうかつなことが書けません。世の中のギャルゲーのうち大半は、読者が主人公の目を通して世界を見る、という画面構成を取っています。物理的にも、観念的にも、主人公の観測によって世界が形作られています。このいびつなレイアウトが読者を欺く「叙述トリック」と相性が抜群なのです。私はこの作品をそこまで評価していませんが、じっさいあの仕掛けにはおったまげさせられましたとも。あの脳内映像が音を立てて崩れ去る瞬間の途方もない感覚を、あなたにもぜひ味わってもらいたいです。
 また『Ever17』は、ヒロインの個別ルートでは主に情報の小出しと伏線張りを行い、最後に解放されるグランドルートで伏線を根こそぎ回収しつつ大団円エンドを迎えるグランドルート・グランドエンド形式のデザインの代表格です。個別ルートでの奥歯に物が挟まったような疑問点・違和感がグランドルートで次々に氷解していく快感は、この形式の醍醐味ですね。
【対応機種】PS2、DC、PSP、Windows、Xbox360

『さよならを教えて』 エログロ メタフィクション
 対象年齢を限定しているエロゲーは、コンシューマゲームでは実現しえないエロス、バイオレンス、グロテスク、タナトスといった表現を追求した作品も散見されます。
 ときに、ギャルゲーというものは主人公(プレイヤー)の目というフィルターを通して世界が展開されて、主人公の行動(プレイヤーの選択)によって女の子と世界の幸不幸、時には生き死にすら決定づけられるという、身勝手極まりなくて歪な媒体です。必然的に「メタフィクション」とは切っても切れない関係にあります。『さよ教』はそれとしてもよく出来た佳作ではないでしょうか。女の子を救いたいというのは、つまるところ「自分が」救われたいっちゅうことなんですよ……。
 はっきり言って5ルートも必要ないほどくどいのと、ゴア表現がかなりきついのでそこは注意。
【対応機種】Windows、Android(Win版はプレミア化しているDLsiteで購入可能に)

 プレイ環境を整えるのが少しめんどくさそうなのが『パワポケ』のGBA世代くらいで(現行機の3DSでは遊べない)、後は通販サイト・DLサイトを利用すれば適正価格で遊べると思います。また『痕』と『さよ教』以外は未成年でもプレイ可能であることを確認。
 この十本をやれば「ギャルゲーなんてただの紙芝居でしょ」「アニメで充分」などとは口が裂けても言えないはず! たぶん。

2015/11/24
 気付いたらワイドスクリーン・バロックばっかりだったので、『C†C』を『家計』に変更。
2016/07/02
 加筆修正。

2016年06月25日

昇進しました

 最近、いつにも増して記事の更新頻度が落ちて内容が薄まっていたのは、昇進に伴う教育や引き継ぎ作業などで死ぬほど忙しかったからです。来月ぐらいから生活が落ち着いてくると思います。これからは人を査定する立場というわけで、責任重大っすなぁ。人の評価っちゅうのは、クソゲーを切って捨てるように簡単にはいかないから難しい。だからこそ面白い側面もあるんですが。
 少し前の東方の記事を書いていて、そこで触れていましたが、へカーティア・純狐のペアは歴代でも屈指の難易度じゃあありませんか? あまりにもつよ過ぎるでしょう……。スペルカードに加えて通常弾が無慈悲すぎます。私は基本ノーマルシューターですが、『輝針城』以前のエクストラボスは全員倒していて、こんなにへこまされたのは記憶にありません。もうしばらくは人のリプレイを見るのは我慢して、攻略を見ながら頑張ってみるつもりです。
 最近、積んでいた百合ゲーの消化が何時になく捗っております。レビューを書こうか書くまいか悩む水準の作品がいくつかありけり。

ビビッドカラーとは - はてなキーワード

「ビビッドカラー」とは : vivid color 彩度の高い、原色のような色のこと。


 ちなみにビビパンを見ていたわけではないです。

レトロスペクティブ(レトロスペクティブ)とは - コトバンク

 過去を懐かしむさま。回顧的。



凍京グッズのご紹介|凍京都

『凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ>』ビジュアルファンブック
2016年7月29日(金)予定
KADOKAWA(エンターブレイン)より、『凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ> 』ビジュアルファンブックが発売されます。
イラストを大きく掲載できる横型本と、設定資料集の2冊組という仕様。“大崎シンヤ(UNKNOWN GAMES)”描き下ろしカバー、付録のB2ポスターに加え、“下倉バイオ”書き下ろしショートストーリーも収録されます。


 やっとかー!! もちろん買うけれど、サントラはいつまで待てばいいんすかね……。

凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ> - コミッククリア
 山田太郎みたいなツラでの「あああ~!!」で思い切り吹き出してしまった。漫画力は高いけれどこれがネクロの世界観に合っているかと言われると……?

大賞・準大賞|萌えゲーアワード 2015年度 受賞作品一覧
 知ってた。>一位

「エルサに女性の恋人を」、アナ雪ファンの訴え広がる - (1/2):CNN
 ノーコメントというコメントを残しておきます。


 ようやく、パワー型スタンド同士の重みのある殴り合いを満足のいくレベルで描写してくれたなぁと。


 あえて情報を封印していますがが、新作めっちゃ楽しみっすわ~。
 左の娘はずいぶん触手と親和性の高そうな服装っすな……。


 なんだこの組み合わせ!?
 (メガ)カイロスはマンダさんのせいで幻想郷入りしそうですからね……(違う)。

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2016年06月18日

合法百合夫婦本 伊藤ハチ レビュー・感想 合法もヘチマもあるか!

 いつにも増してクソリプみたいな記事だが許してください。

 おいィ!? この「合法」百合夫婦本とかいうタイトルはいったい全体何なんすか? その恐ろしくしっくり来ない形容は何の意図があるんですかっ!? じゃあ何ですか、あなたは「違法百合夫婦」や「非合法百合夫婦」や「不法百合夫婦」や「脱法百合夫婦」の存在を暗に肯定しているってことですか!?

 以下は物語の序文からの引用です。

この國の少し変わったところは…
頭に獣の耳を持つこと
そして同性同士の結婚が許されているのでした


そこはずっとずっと遠い國
その國の住人は頭に獣の耳をもち
同性同士の結婚が許されているのでした


 同性同士の結婚は……変わっている、ずっとずっと遠い國のお話だと、あなたはそう言いたいんですかっ!?(超クソリプ視点)
 う~ん、「許されている」ですか……私はこの表現にぷつぷつじんましんが出てしまいます。同性同士の結婚は、出来ないような環境がいまだに存在するのがおかしいのであり、許すも許さないもクソもありません。日本で同性同士の結婚が「許されていない」のは、単に制度的・精神的な後進国だからです。

 『チヨちゃんの嫁入り』『月が綺麗ですね』と併せて読みましたが、どれも特に語ることがない出来でした。これで本編の内容が充実していたら「こんな面白い作品の挙げ足取りをするのは忍びない」としょげていたので、逆にほっとしています。ヤマやオチに期待するのはお門違いとして、日常ものとしては生活感が、ファンタジーや時代物としては異国感がどうにも伝わってこないし、属性をもりもり盛っている割りには作品全体からリビドーやパッションやフェティが感じられなかったです。あと、おねロリのお姉さんの方の造型やバックボーンがかなり類型的だったのが気になりました。

 Pixivで見たことのある絵柄だなと思ったら、思い出しました、「※苦手な方はご注意ください!」の注意書きを載っけてた人でした。さもありなん、というつぶやきが漏れましたとも。劇中の描写では同性の関係をとても肯定的に書いているし、ホモフォビックな表現は(上掲の序文を除けば)これっぽっちも無かったので、そういったところでは大いに損していると思います。

合法百合夫婦本 (百合姫コミックス)
伊藤 ハチ
B01FLJ71CE

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