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2018年10月11日

かえみと24時間が見られる日まで死ねない

 青年期から今に至るまでアニメを真剣に見る習慣がなかったため、それの見方がいまいちわからないマンです。なので私のアニメ評は根本的に当てになりません。小学生の時は午後6時からのテレビ東京を欠かさず見ていたんですが(年がばれる)、そっから中高大とまったく努力値を振っていなかった。だからせめて、1クールに1本くらいはオリジナルアニメを見て経験値を積もうと思います。
 そろそろ『アオイシロ』の再レビューにとっかからないといけなくて、めちゃくちゃ気が重いです。
 バーチャルYouTuberだと、最近ではぽんぽこ・ピーナッツくんの24時間がバリクソ面白かったですね。ライバーのパフォーマンスで白眉だったのは、不測の放送事故に動じずにフリートークで悠々と繋ぐ月ノ美兎と、無茶ぶりの寸劇をアドリブトーク力とガチの気象知識の合わせ技で華麗にいなすポン子(ウェザーロイドAiri)でした。あの人たちからは圧倒的な場慣れを感じましたね。

メリーバッドエンドとは (メリーバッドエンドとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

読者や観客側の解釈と劇中の登場人物側の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる物語の形式を指す言葉。略称は「メリバ」。



自分の考える百合のど真ん中ー『やがて君になる』仲谷鳰先生インタビュー – 百合ナビ

恋愛のお話は好きなんですが、人を好きになる気持ちがあまりにも当たり前で説明不要なものとして描かれている作品には、私はずっとどこかで引っかかりを感じていました。その点、同性愛を題材とした恋愛作品には、相手を好きになる理由や葛藤、あるいは理屈をねじ伏せてしまうような強い関係性が描かれていることが多い気がして惹かれていきました。

別に異性間の恋愛描写に根拠がとぼしいとか、同性間の恋愛描写にはより強度が必要だということは決してないので、自分の言っていることがおかしいとは思っています。ただ、私個人にとっては、同性愛を扱った作品が、物語で描かれる恋愛感情に納得を与えてくれるものだったという体験があるのは仕方のないところです。

BLも好きですし描いたこともあるんですが、いま百合ばかり描いているのは単に女の子が描きたいだけです。女の子ばっかり描いていたいから百合! で描く理由なんて十分かもしれません。


 作品の評価とは別ですが、上段・中段の月並みな認識はわりと残念ですね。下段は率直すぎて好感しか持てないですが。

アニメ『プリンセス・プリンシパル』スパイ作品へのオマージュの数々を読み解く | on the move
 元ネタの解説も為になる上、作品のエッセンスも的確に捉えている良記事。


 つくづく、つくづくよい曲ですね。ケロQライブでも原曲で単独演奏されていたようですが、それだけ別格の扱いがされて然るべきの曲でしょう。


 届木ウカ様が制作中のノベルゲームか、覚えておかなきゃ。ウカ様ってどんなエロゲー・ギャルゲーやってるのかしらん。昔『アバドーン』に言及してたのは覚えてるけど。

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2018年10月01日

少女歌劇 レヴュースタァライト レビュー・感想 ふわふわなオブジェクティブが作劇をへたらせる

 歌劇という絢爛で高慢で嘘っぱちで真実を秘めた題材、大仕掛けの舞台設定(超常の舞台劇・バトルロイヤル・ループ)、カックイイ映像表現やキーフレーズと、小娘たちの頑是無い約束や犬も食わないじゃれあいが致命的に噛み合っておらず、観客を劇にのめり込ませるフックがない。嫌な言い方だが、「なんでぇ、イクニかい」「なんでぇ、ほむほむ(まどマギ)かい」という底の浅い決め付けを突っぱねるだけのパワーが感じられなかった。

 別にね、超常の奪い合いゲーム(レヴュー)とそのゲームマスター(キリン)に理屈付けやバックボーンが無くてもいいんだよ。舞台はあくまで舞台であって、そこで誰が何のためにどうやってどうするかで作品の面白さが決まるわけだからね。だけど、戦いに挑まんとする人間の想いは真に迫っていないと駄目だし、勝ち取らんとするものは善悪はさておき共感を喚ぶものでないと駄目だろうよ。同様に、映像表現が現実の事象に即している必要は一切ないし、むしろ現実を侵食していても一向に構わないんだよ。だけど、それで発露される情動や象徴性は作風や作劇やキャラクターに結びついていないと駄目だろう。
 まず、主人公の華恋とその変身バンクシーンについて。「ワタシ、再生産」って言うけど、あんたは炉にくべられて生まれ変わらなきゃならんくらいのちゃらんぽらんな毎日を送ってたの? 幼馴染との約束は「色褪せた約束」になっちゃってたの? その割には演劇の名門校にちゃっかり入っていて、思い出の髪留めを大事に付けていてよくわからんのだけど。歌劇という主題から、日常の平凡な自分からの変身願望を表しているのかとも思ったが、いずれにしろキャラの性質に噛み合っておらず、映像先行で宙ぶらりんになっているように感じた。あと、幼なじみのひかりもそうだけど「トップスタァ」になるっつったって、いったい全体何をもってそれが定義されるんだ? あの学校の首席になること? ゲームで序列一位を勝ち取ること? 将来大女優になること? 彼女らにとって「スタァ」が何だったのかはエンディングの直前も直前になって明かされるが、そこに至るまでオブジェクティブがふわっふわなのは作劇としてどうなんだよ。この物語が序盤から最終盤に掛けて訴求力に欠けているのは、この構造的な欠陥に起因しているとしか思えない。小さい頃の友だちとの約束、という頑是無い動機が、歓喜や欲望や愛憎や栄枯や虚実が入り乱れる歌劇という舞台に出し負けている。
 他のメンバーについても、中坊のときに所属していた演劇部が廃部になってさびしかったってのはまだわかるけど、それで本当に周囲の人間を巻き込んでループ時空に閉じ込める狂気に至ってしまうのかい? 相棒に対するかまっちょや行き過ぎた嫉妬心が、自らの歌劇少女としての命を賭けて、他人を蹴落とすゲームに参加する動機たり得るのかい? そういった疑問や違和感がひたすら物語への没入を妨げていた。

 いつもの感想と逆の構成で、あえてよかった探しをしてみよう。純那は舞台や歌劇に対する憧れや渇望がストレートに書かれていて、物語途中でも比較的感情移入しやすかった。それと、アラレちゃんメガネを付けたまま舞台に上がって立ち回りを演じているのは格好良かったね。メガネってよく未成熟とか内向のシンボルに使われちゃうんで。憑き物が落ちたばななとの会話もよかったな。あと、ペアの中では真矢とクロディーヌの組がわりと好きだった。私のTLでも人気だったのはこの二人だ。何より自分のトレーニングやパフォーマンスに自信と自負とを持っているのがよいし、京都組へそれぞれ協力するところは群像劇としての面白さもあった。そいで口説き文句の「泣き顔も可愛いですよ、私のクロディーヌ」、あれはよかった! ちょいとサディスティックで独占欲を匂わせていて、何とも言えず官能的だった。そんなところかな。 
 本筋から外れるが、私のように集中力が欠けていて、アニメをあまり見ない層の人間を引き込むには、早い話数で(できれば第一話の中で)作品のエッセンスを提示できないと厳しいなと思った。その辺、最近見た作品だと『プリンセス・プリンシパル』『ゆるキャン△』はうまくやっていたかな。

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2018年09月14日

のんのんびより ご注文はうさぎですか? きんいろモザイク いいかげんなレビュー・感想

 本棚の整理をするため、積みっぱなしだった有名どころの日常系ゆるふわ百合漫画を雑に十把一絡げにして消化する。アニメ化された作品だけあって女の子はとてもかわいく、やりとりはほのぼのとしていて、キャラクターの中に恋愛寄りの強い感情を持っている子がいるのは共通している。しかし、やはりというか何というか、食い足りなかった。

 私は何も、あまねくエンターテイメントに重厚なビルドゥングスロマンや胸を打つラブロマンスや手に汗握るストーリーテリングがなきゃあダメだなどど言うつもりはない。変わらない日常の大切さをマイペースに描いた作品や、生活やアクティビティの中のちょっとした楽しみや喜びを切り取った作品は素晴らしいと思う。しかし、私はキャラクターを食べて、エピソードを食べて、関係性を食べて、掛け合いを食べて、情報を食べて生きている人間だ。女の子が「かわいい」「おばか」「シュール」だけではやっぱり物足りない。だから、欲は言わないので、『ゆるキャン△』のキャンプ描写や旅の描写と同程度には田舎暮らしや風物詩をいきいきと描いてほしかったし、『NEW GAME!』と仕事や創作に対する姿勢と同程度には飲食店の経営要素や住み込み労働の描写に力を入れてほしかったし、『ゆるゆり』の百合要素と同程度には国際交流の面白おかしさや金髪へのフェチズムが話の中核にあってほしかった。こんなことを書くと「お前、欲深すぎじゃねぇか」と言われそうだけど。
 雑な記事を雑にまとめると、私は日常作品に対する熱意はあんまり高くなく、上で引き合いに出した作品は格別の評価しているということだ。

のんのんびより 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
あっと
404066521X

ご注文はうさぎですか? (1) (まんがタイムKRコミックス)
Koi
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きんいろモザイク (1) (まんがタイムKRコミックス)
原 悠衣
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2018年09月03日

素晴らしき日々~不連続存在~ 正史考察・解説

※以下、『素晴らしき日々~不連続存在~』のネタバレに一切考慮していない。
 この作品の正史(メインルート)における、主人公らを中心とした登場人物の行動をまとめている。

素晴らしき日々 ビックハザードこっちくんな

 人格間には認識のズレがあり、新しい由岐は記憶を捏造しているので怪しいところもちらほらある。
 佐奈実の血に死者の魂を吸い寄せる能力があることを前提とする。

 沢衣村の近隣にある村が廃村になる。村には死者の魂が集まるという佐奈伎神社があり、そこの娘である佐奈実琴美が、神道系古流柔術の流れを汲む間宮の家に引き取られる。
 琴美は古い価値観の残る村で気味悪がれ迫害されるが、間宮浩夫だけがそれをかばう。二人は次第に愛し合うようになり、東京に駆け落ちして結婚する。やがて二人の間に皆守が誕生する。

 浩夫が癌を患う。元々の持病のせいで病気が進んで衰弱する。
 琴美は浩夫を救いたい一心でカルト宗教「白蓮華協会」に入信する。教祖の白連太郎は琴美の持つ佐奈実の血と美貌に目をつけ、甘言で誑かす。救世主の話を真に受けた琴美は教祖と性交渉し、羽咲と卓司が生まれる。琴美に飽きた教祖は、子どもが双子だったので救世主の資格を失ったと言いがかりをつけ、琴美を捨てる。
 琴美は次第に精神を病んでいく。卓司と琴美による羽咲への虐待が続く。それを許せない皆守は二人に暴力を振るう。ある日、皆守が錯乱した母親に刃物で襲われるが、逆に負傷させてしまう。皆守は父親の実家がある沢衣村に移される。
 琴美は卓司を救世主として育てるべく英才教育を施し、2012年7月20日に世界は滅亡するので世界を空に還さなければならないと吹き込む。一方で躾として熱湯をかけたり風呂に沈めたりして虐待する。

 三年後、浩夫の癌が悪化し、検査入院のために羽咲も沢衣村に預けることに。
 間宮兄妹と由岐の交流。しばらくして浩夫が息を引き取る。
 浩夫の一年祭に琴美と卓司が村を訪れる。二人は羽咲たちを夜の山で襲う。由岐は突き飛ばされた羽咲をかばって墜落死。皆守はナイフを持った卓司ともみ合いになり、拍子で卓司の胸にナイフが付き刺さる。しかし、皆守は死の間際の卓司に取り憑かれてしまう。同時に由岐も皆守の身体に取り憑く。羽咲は身体と心に深い傷を負う。
 皆守は以後、自分を間宮卓司だと認識するようになってしまう。卓司の死が受けいれられない琴美も、皆守の学校関連の書類を間宮卓司の名前で提出する。

 由岐が目を覚ます。

 卓司は北校に入学した当初から城山、西村たちにいじめられる。その憂さ晴らしに北校SAWAYAKA掲示板を設立する。

 一年ほど前、卓司は城山たちに罰ゲームとしてざくろの制服を盗むよう命令される。それを着せられて嬲られているときに皆守が目を覚まし、城山たちを叩きのめして制服をざくろに返す。その一時間ほど後に由岐が現れ、自分内格闘で皆守をしごいた後に、自分たちの状況について説明する。
 皆守は不良たちから麻薬をカツアゲするが、そのことで卓司の名前が裏社会に知れわたる。

 ざくろが北校に編入してくる。めぐと聡子がいじめの標的を希実香から空気の読めないざくろに変える。
 めぐたちはC棟の屋上を彼氏との逢い引きといじめに使うために美術部を設立し、四人の数合わせのために希実香とざくろを入れて、瀬名川を名前だけの顧問にする。誰も来ない屋上でざくろへのいじめが続けられていたが、瀬名川は見て見ぬふりをする。
 ある時、聡子たちがざくろの希実香からもらった黒い人形を奪って投げ合い、それを取り戻そうとしたざくろが屋上から落ちる事故が起こる。ざくろは運良く三階のひさしにぶつかって体育館の屋根に落ち、軽傷で済む。瀬名川と学校は事故として処理してもみ消し、C棟は閉鎖される。

□2012/7/02
 卓司が秘密基地に漫画を持ち込もうとするが、旧プールの前で皆守に絡まれ自分内喧嘩で痛めつけられる。漫画を皆守に燃やされる。
 ざくろが城山たちから逃げている時に、火が上がっているのを見かけて旧プール前に来る。出会った卓司に匿ってもらい、現実逃避のために誘いに乗り、秘密基地も見せてもらう。秘密基地で割れの話を聞かされている時に我に返り、早々と帰る。眠気が襲ってきて皆守に交代。
【18:30過ぎ】
 皆守がバーでアルバイト。
【18:58】
 羽咲がバーに来店。

□2012/7/03
 卓司が一限から出席し、サボりで二限から秘密基地に篭もる。秘密基地のパソコンで、裏掲示板を瀬名川に紹介してもらった清川を承認する。眠気が襲ってきて皆守に交代。
 B棟屋上でさぼっているところに由岐が現れる。由岐は自分が切り離されつつあり、記憶の断片化が進んで羽咲や皆守を認識できなくなってきていることを語る。
 昼休みにざくろが屋上に来る。由岐が応対する。知的で人当たりがいい由岐に惹かれるざくろ。羽咲が弁当を届けに来る。
 卓司に交替。食糧の買い出しに行こうとして学校にいた羽咲(司と鏡)に話しかけられ、繁華街まで付いてこられるが冷たくあしらう。兄からうさぎの人形を貰った思い出話をされるが聞き流す。
 夕方、買い出し帰りの卓司が秘密基地の前でざくろに会うが、ざくろは由岐との雰囲気の違いに戸惑いすぐに帰ってしまう。
 秘密基地のソファに座ったところで眠気に襲われ由岐に交替、帰宅。
 家で皆守が目を覚ます。隠れていた羽咲が顔を出し、由岐と三人で談話する。温めなおしたご飯を食べる。
【22:01】
 ざくろの携帯に、いじめコミュニティーへの書き込みを見た宇佐見から意味深なメールが届く。「はじめまして……と言った方がいいでしょうか?」「たぶんあなたに大きな変化があると思います。それはたぶん良い事です。」

□2012/7/04
 ざくろが屋上で由岐と会話する。ますます彼女に惹かれる。
 ざくろが帰ったあとに皆守が目を覚ます。羽咲が弁当を届けに来る。由岐がうさぎのほつれを直す。
 羽咲はバーに出勤、皆守はそのまま授業を消化する。放課後に校舎裏で沼田たちから覚醒剤をカツアゲする。
 皆守はカツアゲの成果を公園の公衆便所に流したあとに、誰かに尾行されていることに気付き、横道で捕まえる。詰問するが、途中で腕時計に仕込まれたフラッシュを喰らい逃げられる。
 帰宅。羽咲のいないうちに思いっきりゲームをする予定だったが、ゲームを起動した直後にマスターの誕生日の準備が終わった(?)羽咲が帰宅する。下ネタで追い返そうとするが食いつかれ、結局ゲームには集中できずじまい。

□2012/7/05
 ざくろ、電車の中で由岐と出逢い、遊園地でデートすることに。その後バーで食事をし、ピアノも聞かせてもらう。
 演奏中に皆守が目を覚まし自分内会話。その後もざくろと軽妙な会話をしつつも、皆守とエロトークを繰り広げる由岐さん。
 デート後にそのままバイト。羽咲とマスターと四人でオナヌーや萌えについて語る。
 三人で帰路につく。由岐は自分内会話で、記憶の連続性を保ち、意識が途切れないよう、出来事を明確に記憶できるよう努力していることを語る。
 三人で川の字になって眠る。誰に欲情するかしないかで揉める。

□2012/7/06
 皆守が授業を受けるが、羽咲が弁当を届けにきて慌てる。言い争っているところに美羽が話に入ってくる。皆守は羽咲が教室に入れるように、美羽がドアを開けてくれていたことを知る。また間宮卓司がクラスで意外に受けいれられていることに驚く。
 皆守は杉ノ宮までの道で尾行者に気付き、再び路地裏で待ち受ける。あっさり捕まってカメラを粉砕される木村。卓司の身辺を洗い、白蓮華協会教祖の隠し子であることをつきとめたと白状する。木村は前回と同じく目を眩ませて皆守を振り切る。
 皆守がバーに出勤。マスターの策略にはまって女装させられる。
 帰宅。身体を洗いながら、卓司の存在感が強くなっているのを考えている時に由岐が出現。無意識にいるときや人格として存在しないときに、皆守や卓司の考えが聞こえるようになったと語る。その後羽咲が乱入してきてカオス空間に。
 のぼせた羽咲をベッドに運ぶ。皆守はその後四日間の眠りにつく。

□2012/7/08
 めぐたちが小遣い稼ぎにざくろと希実香でAVを撮るとする。希実香はざくろを助けようと立ち向かうも、城山たちに囲まれて敗北。ざくろは騙されてクスリを使ってしまい、気分がよくなっているところを撮られてしまう。
【23:10】
 ざくろは途方に暮れ、宇佐美をうさんくさく思いつつもメールに返信する。「はじめまして、私はチェシャ猫です。」「少し気になったんですが……私に起こる大きな変化とはなんでしょうか?」

□2012/7/09
 希実香は怪我で欠席。
 ざくろへのいじめが続く。ざくろは帰り道にめぐたちに集団で襲われ、ホテルで輪姦された後放置される。
【23:01】
 ざくろの携帯に宇佐見からの返信が届く。「間違いなくあなたはわたしたちの仲間です。」「近いうちにあなたを悩ましていた問題が一つ消え去ります。」
 深夜に聡子とめぐみが壊れはじめたざくろについて掲示板の「めぐとさとこの仲良しスレ」スレッドに書き込む。「なんか壊れたんじゃないの」「マジバレたら、停学とかじゃすまないかも」

□2012/7/10
 ざくろがドラッグの影響とレイプのショックから幻覚を見はじめる。秘密基地で「ビッチ死ね」という落書きを見たときのショックがフラッシュバックする。
 卓司は秘密基地に顔を出さないざくろのことが気になり、北校裏掲示板で「めぐとさとこの仲良しスレ」スレッドを調べる。
 ざくろに何かがあったのを知った卓司は教室に向かう。ちょうど皆守が目を覚まし、強くなる卓司の存在を消そうと必死に痛めつける。(意識が途切れるときに聞いた「また……殺す気なの?」は無意識にいた由岐のつぶやき)
 卓司は授業が始まったので秘密基地に戻るが、屋上で神の幻覚を見ているざくろの姿を見る。屋上に向かうがざくろとは入れ違いになり、代わりに城山たちがフェンスを乗り越えてクスリを使っている姿を目撃する。引き返す途中で羽咲(鏡と司)に出会うが、冷たくスルーする。
 城山はハイになって屋上のふちでけんすいしているときに手を滑らせて転落死する。卓司はそれを知ることなく秘密基地に戻り、誰かと交替する。
【12:52】
 ざくろが宇佐美からメールを受信。「あなたが苦しいのは、あなたの存在が正しいからにすぎません。」「近いうちにあなたを悩ましていた問題が一つ消え去ります。」 ※あとで時系列を修正
 卓司が秘密基地のソファで就寝。
 ざくろは城山が死んだことで宇佐見のメールを信用し、返信をする。

□2012/7/11
【00:20】
 ざくろが裏掲示板の「転落事故について語るスレ」にコテハンで書き込む。「彼が死ぬのは必然。」
 名無したちから総スカンを食らう。「マジお前自重。」「てめぇが殺したんだろ」
【01:50】
 ざくろが同スレッドに書き込み。「彼が死ぬのは始まりでしかない。」
【02:00】
 ざくろが同様に書き込み。「だって……これって予言通りなのだから……。」
 ざくろ、駅前で宇佐見と亜由美に会う。完全に正常な判断力を失っていたざくろは、二人を前世の仲間だと信じ切り、彼女らと力を取りもどすための儀式「スパイラルマタイ」を行うことを決心する。
【22:02】
 ざくろが裏掲示板に「ビックハザードが来ます。」のスレッドを立てる。「なぜならば、アザはもうすぐに目覚めるからです。ビックハザードが来るんです。」
 しばらくビックハザードをバカにするやりとりが続く。「ビックハザードこっちくんな」「ワロタ」「こ っ ち く んな」
【22:17】
 ざくろが書き込み。「ふざけないでください!」

□2012/7/12
【00:01】
 ざくろが宇佐美からメールを受信。「水臭いですよ、前世からの仲間に対して!」「明日は6時半に杉ノ宮駅の西口改札口としましょう。」
【08:01】
 ざくろが宇佐美からメールを受信。「今日ですね。スパイラルマタイ!」「がんばりましょう。世界の命運は私たちに掛かっているのですから!」
【09:02】
 ざくろが「ビックハザードが来ます。」のスレッドに最後の書き込みをする。「もうすぐにビックハザードが来ます!」
 卓司が杉ノ宮駅前でアニメ声優のCDと本を買う。デパートの屋上で眠ったところで新しい由岐と交替する。新しい由岐はタワレコファンでお気に入りのバンドの新譜を買ったと認識しているが、これは由岐が後で記憶に不整合が起きるようにわざとCDを買った記憶を残しておいたため。
 夕方、新しい由岐は駅前でスパイラルマタイ決行前のざくろに出会い、話をしたあとにキスをされる。意識が残っていて、それを俯瞰視点で見ていた卓司は嫌な予感がして、一度電車に乗るも駅前に引き返す。
【18:42】
 ざくろと宇佐美と亜由美が駅前で落ち合い、駅近くのマンションの屋上からスパイラルマタイという名の集団飛び降り自殺をする。ざくろを追ってきていた卓司は自殺の現場に鉢合わせし、ざくろの霊が皆守たちの身体に取り憑いてしまう。(ここでざくろが皆守たちの身体と激突した場合はDown the Rabbit-HoleⅠに分岐)
 卓司はざくろの携帯で救急車を呼び、現場の写真を撮ったあと、混乱して携帯を持ったまま逃げ出してしまう。
 卓司は秘密基地に籠もり、気持ちを落ち着けるために『魔法少女リルル』の漫画とアニメを見るが、ざくろの霊の影響で彼女が最後に見た映像とごっちゃになった幻覚に襲われる。ざくろの死体に絡みつかれたところで意識を失う。
【19:02】
 瀬名川が高島メールに返信。「なんのいたずらですか? 高島さんのメールを装って不謹慎すぎます」 ※Down the Rabbit-Holeより、まだ高島メールが始まっていないので日付誤り?
【22:30】
 皆守が二日ぶりに目を覚ます。秘密基地を出たところで声優のCDを持っていることに気付きぞっとするが、由岐の物であることを考えて捨てずに持ちかえる。
【22:44】(Down the Rabbit-Holeでざくろがこの時間にメールを送信している)
 皆守の身体に取り憑いていたざくろの霊が、学校裏掲示板の登録情報を使って、自分の携帯でメールを死体の画像付きで一斉送信する。「わたしはしぬ事によりせんしとしてうまれかわりました のはずですが いたいです みんなしにます 8にちごにしにます ぜんいんかならずしにます」(ざくろが戦士に生まれかわるために飛び降りたことを知っているのは本人だけ)
【22:52】
 ざくろのメールを受信した誰かが裏掲示板に「なんかキタんですけど(lll▽ ̄)」コワヒ~」スレッドを立てる。スレは自分にもメールが来たという書き込みであふれかえる。
 新しい由岐が帰宅。買ってきた新譜を聴こうとしてアニメのCDであることに驚く。皆守は自分を認識できない新しい由岐の姿に涙を流す。
 由岐は記憶の不整合で存在に亀裂が入り、かろうじて連続性を取りもどす。皆守を抱きしめる。
 皆守と由岐で作戦会議を行う。由岐は切り離されている間も、卓司に衝撃を与えた事件についての調査を出来るよう心構えをする。お互いに情報交換できるように、自室のノートにメモを取ることを決める。

□2012/7/13
【01:40】
 聡子が「なんかキタんですけど(lll▽ ̄)」コワヒ~」スレッドに書き込む。「あのメール本当に高島ざくろのものだと思う……。アドレスが携帯に入ってるから分かる」
【01:42】
 めぐがスレッドに返信する。「あれ間違いなく高島のメールだよ。あの子が持っていた携帯のカメラの写りと同じだもん。」

 自室で卓司が目を覚ます。皆守が羽咲に起こされる。羽咲が持ったお盆で朝食を食べながら登校する。「俺が嘘言ったことがあるか? でも、この約束は絶対だ」
 羽咲と別れて校門をくぐろうとしたところで意識下に引っ張られそうになる。由岐に話を聞いてた皆守はすんでの所で踏みとどまるが、新しい由岐の認識に支配されかけて混乱する。
 教室に入るとクラスが異様にざわついている。美羽に「今日も可愛い二人連れてるね」と褒められる。クラスメイトの女子からざくろの自殺について聞かされる。
 HRが始まり、清川からもざくろの自殺を告げられたところで、今度は卓司の認識に襲われる。皆守は卓司の世界にチューニングを合わせて、彼を消滅させようと徹底的にいたぶる。蹴り飛ばそうとしたところで完全に意識化に引き込まれ、その際に封印した記憶の一部を見る。
 卓司に交替し、物理の授業を受ける。混乱した精神状態からざくろは自分に助けを求めていたというメッセージを受け取る。休み時間に羽咲と出会ったところで意識が途切れて新しい由岐に交替。※時系列があいまい
 一限の終了後、新しい由岐は屋上でサボうろうとして彩名と出逢う。『空飛ぶ二十面相』と『純粋理性批判』を読んで雑談。
 何の気無しに3組の教室に入ると、瀬名川に声を掛けられる。瀬名川は由岐(卓司)から自殺する直前のざくろと会ったことを伝えられて取り乱す。(死の直前に自分の名前を出していなかったかびびっていた)
 卓司に交替。3組の教室でざくろの机を見つけ、机を彼女に見立ててセックスする。射精後に机を調べて、落書きの中に「2012年7月20日……世界が終わる」を見つけて衝撃を受ける(琴美に刷り込まれてた予言の内容と一致していたため)。「スパイラルマタイ」「アタマリバース」
 卓司は混乱しながら秘密基地に行き、入り口で頭痛を堪えながら新しい由岐と会話する。「というか……どこから出てきたのかね……」
 由岐から逃げて地下に入るが、貯水タンクで彩名に出会して会話する。「人は……誰一人として、経験としての死を迎える事は出来ない」「死を想像しないものは、永遠の相を生きる」
 彩名が消えた後、拾って放置していたテレビにざくろたちの幻覚が映り、さらに壁に描いたリルルの落書きに話しかけられる。校外で怪物(ショゴス)やざくろの死体に襲われるビジョンや、胎児の夢を見せられる。「卓司くんは救世主になるため生まれてきたんじゃないのかな?」「卓司くんの兆しを……」「至らせるために……」「終ノ空」「それは……世界が空に還る時」
 由岐に交替し、羽咲と一緒に帰宅する。家の前で卓司と会話。
 希実香が多くの人間に償いをさせるために、掲示板にざくろのメールに関するスレッドを立てて恐怖を煽る。一連の事件はざくろの呪いで、全ての人間がざくろの呪いで死ぬと主張する。

□2012/7/14
 卓司が新校舎の下で目を覚まし、ポケットにざくろの携帯が入っていることに気付く。ざくろのことを知るためにメールをチェックし、宇佐美たちとのやりとりを知る。秘密基地のパソコンで聡子とめぐのスレッドをさらに調べ、ざくろが屋上から転落した事件の詳細や瀬名川がいじめを黙認していたことを知る。携帯に付いたストラップの紐を調べようとして、髪の毛と肉片であることに気付いて回収する。
 卓司は取り憑いたざくろの霊と琴美の狂信的な教育のフラッシュバックが影響して精神を病んでいく。母と世界の石を曲解して救世主としての使命に目覚める。世界が自分の思い通りになると強く信じることで、由岐や皆守に対しての支配力が強くなる。
 卓司がざくろの携帯を使い、前回送ったメールと同じ文面で裏掲示板の登録者宛に15:33に予約送信する。「わたしはしぬ事によりせんしとしてうまれかわりました のはずですが いたいです みんなしにます 6にちごにしにます ぜんいんかならずしにます」
 ※この後に授業に出席するのでたぶん予約送信
 めぐ、聡子、瀬名川にメールを18:01に予約送信する。「いたいいたい いたい いたいいたいいたいいたい」
以後一時間ごとに同様のメールを送信するよう設定する。
 卓司がクラスに行くと、裏掲示板から伝播したWeb Bot Projectや七月二十日に世界が終わるという不穏な噂で盛り上がっている。
 丸一日意識が飛んでいた皆守が目を覚ます。皆守は卓司に必死で絡んで二十万を請求するが卓司は動じない。西村たちは卓司に二十万あげると言われたかと思えば独り占めすると凄まれたりで混乱する。
 卓司は皆守を屋上へ連れ出す。皆守は自信に満ちた卓司、死と隣り合わせの場所という沢衣村の時と似たシチュエーションに不安を感じる。屋上での自分内喧嘩。皆守は不安を隠すために大見得を切るが、皆守の合気道の経験を使った卓司に返り討ちにされてしまう。
 新しい由岐に交替し、羽咲(鏡と司)と屋上で弁当を食べる。学校の裏掲示板や、ざくろが死んだのは7月20日の世界滅亡に備えるためという話を聞く。ざくろや城山の死について調査を開始する。
 新しい由岐が教室で潔にフリーメールのアドレスを渡し、裏掲示板のアドレスなどを教えることと紹介者になることを頼む。代わりに合コンに参加ことを承諾。
 ざくろのことを調べるために3組の教室に向かう途中でやす子に会う。世界が今月の20日に滅びるのか、世界の終わりが近付いているのは本当なのか聞かれ、携帯に届いたざくろのメールを見せられる。メールは撮影者の影が映っていることなどからいたずらだと説明し、近い将来に滅びることもあり得ないと言う。
 3組の教室で、探偵セットを使ってざくろの机を調べる。「アタマリバース」「ハル・メキド」
 かすれた部分を微細アルミニウムで浮き上がらせて「間宮くん」を解読し、ついでに机に付いていた指紋(昨日自分が付けた間宮皆守の指紋)を採取しておく。その様子を意識が残っている卓司が目撃する。(机の中にあったぬるぬるしたものは、昨日射精した自分の精液)
 卓司を探しに屋上へ行き、彩名と会う。「ご精が出ますねぇ」「はい、精液出しまくりです。水上さんに合わせてみました」
 旧プールに向かい、卓司と新しい由岐が会話する。新しい由岐は卓司に心を読まれたと思って恐怖を感じる。卓司は救世主の能力だと勘違いする。
 卓司、旧プールの下で音無と会話中に気を失う。リルルちゃんとの会話。
 新しい由岐に交替して帰宅。家の前で卓司と自分内会話。「君は体の人なんだ。ボクみたいに理を学ばなければならない。高次元の認識に向かい! 上りたまえ!」
 自宅のパソコンで潔からのメールを受け取り、裏掲示板への参加を申請する。しばたかついえ、生年月日は大永2年の487歳。

□2012/7/15
 SAWAYAKA掲示板の登録者にメールが届く。「あたまからちをながします ひとがまたあたまからちをながしてたおれます」※
 卓司が家のパソコンでSAWAYAKA掲示板を見る。新しい由岐の申請を承認する(自分が出した申請を自分で承認している)。
 卓司はざくろ事件の責任者である瀬名川を救世主のための生け贄にすることを考える。ざくろの携帯を使って予言のメールを出す。あたまがちだらけになります。きょうまたちがとびちります。
 卓司が登校。新しい由岐は遅刻して三限の終わりに登校したと認識。
 クラスでは昨日と打って変わって、誰もざくろの自殺や世界の終わりを話題にしない。羽咲が学校に来る。
 卓司がクラスの皆が不安になるような発言をする。4限の授業で、卓司が自分を注意した世界史の飯田を花瓶で殴り、予定とは違うが予言を成立させる。
 卓司が演説する。城山と高島は自分が救世主に生まれかわるために神が生け贄にした。世界はあと五日で終わる。救われない者は永遠に地獄の業火で焼かれる。次いで三つの予言をする。もう一つの死によって死の濃度はさらに明言される。多くの者がその死をもう一度目撃する。死者はすべての終局を語る。隣のクラスでは希実香と清川がその演説を聞いている。
 卓司は教室を飛びだし、秘密基地の前で希実香に出くわす。希実香は卓司がざくろの呪いを終わらせるつもりなら、ナイフで殺す算段だったが、瀬名川が死ぬ運命にあることを聞いて思い留める。その後も希実香の演技を交えた瀬踏みは続き、聡子とめぐのことは承伏しかねるが結局卓司の手下になる。
 希実香が瀬名川の監視を開始する。
【11:23】
 卓司がめぐと聡子を釣るために、本名で裏掲示板に「救われる者と救われない者」というスレッドを立てる。「私は、今ここに立っている。救世主として。」「今こそ、救われる者と救われない者はふるいにかけられるであろう。」
 屋上でリルル大戦を目撃する。
【15:30】
 新しい由岐が屋上で彩名と会話。「人はなぜ……いろんなものを隠そうとするんだろう……」「……世界には何人の魂があれば足りるか……」
 帰宅してメールをチェックし、北校SAWAYAKA掲示板の会員登録完了メールを受信する。掲示板で「救われる者と救われない者」スレッドを開き、卓司がバカにされているのを見てほっとする。「警察に通報しまつた。」
 新しい由岐は古いスレッドを探り、「ビックハザードが来ます。」「なんかキタんですけど(lll▽ ̄)」コワヒ~」を読む。「なんかキタんですけど」のレスに張られていたURLをクリックして、新白蓮華教会Webbot研究所(羽咲と琴美の家)のサイトにアクセスする。所在地をプリントアウトしておく。
【21:01】※送信者は希実香?
 瀬名川宛に高島メール。「あのときちゃんとみてたのに なにもしなかった」
【21:06】
 瀬名川が高島メールに返信。「違います。私は本当に知らなかったんです 赤坂さんと北見さんが部活で写生のため屋上使うから 私は鍵を用務員さんからあずかっていただけなんです」
【22:01】
 瀬名川宛に高島メール。「しーとうでいつもいじめられてたのを しってたはず」
【22:08】
 瀬名川が高島メールに返信。「そこでイジメが行われたなんて本当に知らなかったんです。ごめんなさい高島さん」
【23:01】
 瀬名川宛に高島メール。「おくじょうからわたしのにんぎようすてられた あれがないとわたし じょうぶつできない」
【23:09】
 瀬名川が高島メールに返信。「本当に先生は知らなかったんです。人形は明日必ず先生が調べますから。」
【23:13】
 めぐと聡子が、裏掲示板の「救われる者と救われない者」スレッドで卓司に対してざくろの呪いを止めるよう書き込む。
 卓司が意識を失っている間に、由岐が皆守を意識化から引っ張り出す。皆守は卓司に勝って羽咲を守るために、明晰夢についての訓練を受けることに。結果、世界が思い通りになることを疑わない卓司から、イニシアチブを奪う力を身につける。由岐は目が覚めたら最終決戦の場になっていると予言したが、皆守は強い意志で、その前に羽咲に会うと宣言する。※

□2012/7/16
【01:01】
 瀬名川宛に高島メール。「くろいにんぎょう わたしのくろいにんぎょう」
【01:37】
 卓司はめぐと聡子に、ざくろの自殺現場に髪の毛の束が落ちているはずだ、それを持ち帰れと命令し、自転車で先回りして携帯にへばり付いていたざくろの遺髪を置く。
【02:01】
 瀬名川宛に高島メール。「すてられたにんぎょうがさむいっていってる わたしといっしょにかえるの」
【02:16】
 二人がざくろの髪の毛の束を拾う。
 意識が途切れた卓司に変わり、希実香が遺髪を焼くように指示を出し、それから呪いのメールの配信を止める。
【03:01】
 瀬名川宛に高島メール。「わたしはにんぎょうをつれいか おまえつれいく」【05:01】「いっしょにきて」
【05:05】
 めぐと聡子がスレッドにメールが止まったことを書き込む。多くの人間が卓司の能力を信じるようになる。
【06:01】
 瀬名川宛に高島メール。「いっしょにいきたいのでこれからいきます」
【06:06】
 瀬名川が高島メールに返信。「だめ部屋にはこないで、お願い。すぐに人形さがしにいくから。」
【07:00】
 瀬名川宛に高島メール。「せっかくあなたのへやにきたのに なんでいない?」
【07:09】
 瀬名川が高島メールに返信。「忘れ物箱探したけどなかったみたい。でも、もう少ししたら用務員さんが来るから、そしたら人形の事きいてあげるから」
【08:03】
 瀬名川宛に高島メール。「わたしからだない からだこわれた にんぎょうか あなたがひつよう」【09:02】「からだないからだない からだこわれた」
【09:20】
 新しい高島メール。「またしにます おくじょうからなかにわです あとすこしでほんとうにおわりです」
 卓司が登校すると、秘密基地の前に人だかりができている。卓司は信じる者は救われる、救いたい者は誰でもここに連れてきていい、ただし一人でも自分を信じないなら誰も助からないと伝える。(やす子が「卓司が予言なんて成立しないと言っていた」と語るが、そう言っていたのは新しい由岐)
 希実香がホワイトマターで出来た服を卓司に渡す(卓司はリルルちゃんだと認識)。
【10:02】
 瀬名川宛に高島メール。「どこにいるの? わたしはおまえひつよう いっしょいけ」【11:01】「いたい」【12:04】「いたいからだいたい」【13:01】「わたししっぱい うでおれて のうでて いたい」
【12時過ぎ】
 新しい由岐に交替。電車で新白蓮華教会Webbot研究所に行き、アパートの部屋の入り口で羽咲と鉢合わせる。「今……誰ですかっ」
 部屋に招かれて、新白蓮華教会と白蓮華教会の関係や家族に起きた不幸について聞く。この時、木村は押入れに隠れている。
 胸騒ぎがして学校に帰ると、生徒の気配がしない。教室で自分の机を調べる希実香と出会し、捕まえようとするがナイフとフラッシュを使われて取り逃がす。
【14:03】
 瀬名川宛に高島メール。「ちがあるくとでて さむい さむいよ」
【15:01】
「ろうかですがたみた? すぐにいくよ」
【16:02】
「ろうかですがたみた? すぐにいくよ」
【17:01】
「いましょくいんしつでしゃがんでる あなたみてる」
【17:08】
 瀬名川が高島メールに返信。「もしかしたらまだC棟の屋上に残ってるかもあそこのひさしとかに引っかかってるかもしれないから先生見てきてあげるから」
 瀬名川は用務員室に行き、鍵を借りてC棟に向かう。
【17:58】(Down the Rabbit-Holeでざくろがこの時間にぬいぐるみを落としている)
 瀬名川は屋上のフェンスの向こうに置かれた人形を拾おうとするが、そこで高島メールを受信。「あなたのうしろ ほらつかまえた」
 瀬名川は恐怖で屋上から墜落する。新しい由岐がちょうど墜落した彼女と鉢合わせる。(瀬名川が「ま、まみぃ」と呟いたのは、まさに目の前に間宮卓司がいたから)
 新しい由岐が瀬名川の携帯を使って救急車を呼ぶが、いつの間にか近付いていた希実香に携帯を奪われる。
 職員室に向かおうとしたところで卓司に交替。気付くと既に瀬名川が死んでいる。
 卓司はヤクザから麻薬を強奪するよう生徒たちに命令する。(めぐたちが城山と3Pしたことを知っていたのは、城山の死の直前に屋上でその話を聞いていたから)
 希実香はやす子がリルルちゃんのポスターを買いに行くのに同行する。
 希実香らが清川を連れて帰ってくる。めぐたちが収穫のクスリとヤクザに刺された西村を連れてくる。
 卓司が西村に施したいんちき治療と演説で、信者がさらにエキサイトする(おそらくこの時既に希実香がクスリをばらまいている)。
 新しい由岐に交替して帰宅。パソコンに高島メールが届いている。「またしにます おくじょうからなかにわです あとすこしでほんとうにおわりです」
 北校SAWAYAKA掲示板で「高島メール総合」「救われる者と救われない者3」スレッドをチェック。

□2012/7/17
 新しい由岐が登校して教室で清川に会う。「あ、あの……名前確認して良いかしら?」
 清川が職員室に呼び出された際に、彼女の鞄の中に希実香に奪われた瀬名川の携帯があることに気付き、奪って帰宅する。
 瀬名川の携帯に入っているメールをチェック。彼女が高島メールに誘導されてC棟の屋上から落ちたことを知る。アドレス帳にざくろが登録されているので、試しに電話を掛けると、机の引き出しの中にあるざくろの携帯が震える。驚いた新しい由岐は、机の上にあった探偵セットの微細アルミニウムをこぼす。ざくろの机にあった指紋(卓司が付けたもの)と部屋中にある間宮皆守の指紋が同一であることに気付き、ざくろかその関係者が部屋に入って携帯を置いたと勘違いして動転する。
 部屋に入ってきた羽咲のことを黒い影と認識し、意識を失う。 ※羽咲であってる?

□2012/7/18
 早朝、新しい由岐が羽咲から逃げるように屋上に行き、彩名と会話する。「人は隠したものをすぐにまた掘り返す」「逃れるために隠すのではなく……その甘美なものとより深く戯れるために隠す……」「最後に見たものを……次に会った時に……教えて……」
 卓司がふたなりの彩名をレイプする夢を見る。彩名の魂に触れようとした卓司は同一性にひびが入ってしまう。
 新しい由岐が目を覚まし、気力を取り戻す。財布がないため教室の自分の机に仕込んだ五百円玉を回収しようとするが、若槻姉妹の机に一昨日の教科書が入れっぱなしであることに気付く。 ※本当は誰の机だ
 帰宅途中に若槻家(長谷川さん家)の部屋にカーテンが掛かったままなことに気付く。自室でざくろの携帯に指紋が残っているのに思い至り、指紋の採集セットを使って、五つの指紋のうち二つはざくろの机で採取したものと一致するのを確認する。※ざくろ、清川、希実香、間宮皆守であと一つは?
 新しい由岐が、卓司が姿を消していた旧プールに向かう。マンホールから下水と排水タンクを経由して新校舎の土台のスペースに着き、切り刻まれた鏡(うさぎのぬいぐるみ)と羽咲を発見する。羽咲と共にぬいぐるみを背負って長谷川さん家に届けるが、困惑される。

【22:30】
 皆守が強い意志で身体の主導権を奪い返す。

□2012/7/18
【00:00】
 新しい由岐が校門前で彩名と会う。彩名に新プールの土台下スペースに連れられ、ぬいぐるみの綿と卓司が柱に描いたリルルちゃんの絵を目にする。
 建築時に使われたハシゴからC棟の屋上に出る。 ※本当にあったことか?
 希実香が屋上から飛び降りる。

□メモ
 卓司は父は胃ガンで死に、母親も死んだと認識している。親戚のおじさんが癌で死んだ時に立ち会ったと言っているが、父親である浩夫の死の記憶を改変している?

2010/03/30
 新規作成
2018/09/03
 随時更新中

素晴らしき日々~不連続存在~ レビュー・感想 幸福、幸福ってなんだ?
素晴らしき日々~不連続存在~ 正史考察・解説
素晴らしき日々 高島ざくろのビックハザードが来ます!

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tags: 考察 
2018年08月16日

かえみとを見てください、よろしくおねがいします。(リプライズ)

 何度でも言いますが、かえみとを見てください、よろしくおねがいします。バーチャルYouTuber月ノ美兎と樋口楓のペアのことです。今からでも遅くないので(遅いけど)かえみとを見てください。かえみとをリアルタイムで見られたことが私が自慢できる数少ないことの一つです。うちのブログを読んでいるような人にはぶっ刺さること必至です。こんなにシナリオ(?)が面白くて、キャラ(?)が抜群に立っていて、関係性が刻々と変わっていって、掛け合いがドチャクソ面白くて、泣けて笑えてほほえましさで殺しに来る作品(?)はそうそうありません。キャラクターと人間のいいとこ取りをしたような、恐ろしく魅力的なペアです。万難を排してかえみとを見てください。是が非でもかえみとを見てください。何とかを質に入れてでもかえみとを見てください。バーチャルYouTuberに興味が無くてもかえみとだけは見てください。かえみとを見てください、よろしくおねがいします。

かえみとを見てください、よろしくおねがいします。
 しかしこの記事も二ヶ月前のものなのでいろいろ情報が古いな。ブログの形式はかえみとのスピードに付いていけない。

 最近何をしていたかというと、ポケモン本編が出るまでの繋ぎに買ったはずの『ゼルダの伝説BOTW』に掛かりっきりでした。なのでこのブログのネタ的には収穫がほぼありません。こいつは確かに凄いゲームだ、にわかゲーマーの自分にも完成度の高さがわかる。Switchを持っていて探索ゲームが好きな人ならとりあえず買っておけってレベルですね。
 百合ゲームは新作が軒並み延期していて全然捗ってないっす。『きみから』が鋭意制作中とかいう無期限発売未定になってましたね。『ナイトメア・ガールズ』は仕事が忙しくなる前に出てほしいもんです。

メルクマール(メルクマール)とは - コトバンク

指標。目印。



ラスボスはセクシズムとホモフォビア~映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』感想 - 石壁に百合の花咲く
 みやきちさんの構造分析力と文章構成力高すぎ問題。

SF評論家・牧眞司「異性愛者で恋愛経験もなさそうな人が百合とか言って喜んでる」 - Togetter
 言説のあほさ加減はともかく、人間関係をいちいち明示しちゃあ面白くあるめぇよ。


 マクロスって見たことないんだけど、楽曲作り込んでるんだな。

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2018年08月07日

百合妊娠 レビュー・感想 ウィメンズナックル

 キルタイムコミュニケーションという青少年向けジュブナイルポルノを生業とする会社が発行していた、相手の子を孕む女性同士のカップルをテーマにしたアンソロジーである。残念ながら続刊はVOL4で止まっている。
 なんでこのアンソロを紹介したかったのかというと、なんだかよくわからないが表紙に載ってる煽り文がやたら面白かったからだ。

二次元コミックマガジン 百合妊娠 (二次元ドリームコミックス)
長代ルージュ みら 剛田ナギ ヒロアキ 山田ゴゴゴ タカハギケモノ 相川りょう 桜沢かなた 天音るり
4799209272

わたしとあの娘で
――ママになろう


 うむ、1巻だけあってまだ百合妊娠というコンセプトの丈にあった内容だ。しかし、よくよく考えると「わたしとあの娘で……」と言っているお前はいったい誰なんだ。表紙絵の女の子と違うのか。

二次元コミックマガジン 百合妊娠Vol.2 (二次元ドリームコミックス)
天音るり みら ヒロアキ 山田ゴゴゴ タカハギケモノ 桜沢かなた
B01J2TYRA8

ママとママの遺伝子を、
あなたと引き継いでいく――


 2巻目にしてすでに話のスケールが大きくなっていて笑える。アジ文からするとどうやらイラストのカップルの両親も同性カップルのようだが、絶対担当者が勝手に設定を付け加えただろ!

二次元コミックマガジン 百合妊娠3 (二次元ドリームコミックス)
梟森 みら 虫けらホイホイ あっきー 山田ゴゴゴ そそざぐり 剛田ナギ おいも 長代ルージュ のちたしん
4799209949

女子だけの家系図を
空の果てまで広げたい――


 3巻目にしてスケールがビックバンを起こしているのは何なの!? 確かにイラストでは、お腹が膨らんでいる魔法少女らしき子の後ろで満天の夜空が広がっているが……。そして「広げたい」って、あんたそれただの過激派百合厨の願望じゃんか! お前はいったい誰なんだ。 

二次元コミックマガジン 百合妊娠Vol.4 (二次元ドリームコミックス)
のちたしん そそざぐり おいも 虫けらホイホイ 山田ゴゴゴ 剛田ナギ
B01MYX1FA6

妊娠っていう字はね
「女」が二人いれば成立するの


 仕切り直して最終巻、個人的にはこれがもっとも面白かった。「何お前ちょっとうまいこと言ってるの」感のあるフレーズと、イラストの女の子のどや顔が絶妙にアンマッチしていてあまりにも最高すぎる。被写体とキャプションの乖離具合、圧倒的なパワーワードがどこかメンズナックルをほうふつとさせて、腹がよじれた。

 肝心の内容のほうは、特に語ることはないかな。レーベルの特色とはいえ、妊娠の要因がファンタジー設定や呪術・伝奇系統が大半で、思い詰めての無理やりが大多数を占めていてちょっと食傷した。一作ピックアップするなら、長代ルージュの『呪いの跡継ぎ』がけっこうよかった。昔話の悲劇から連なる呪術的因業の設定は王道でよいし、相手を想い想われて因業を受け入れる爽やかさが際立っている。ヒロインの市香のまんざらでもなさそうな「私のほうがお姉さんなのよ」という言葉のエモさや、ダークなオチもまたよい。
 きっかけは精子提供でもiPS細胞でもコウノトリでもいいし、いっそ何の説明が無くてもいい。世の中にはもっと妊娠・出産や子育てを取り扱った百合作品が増えるべきだ。

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tags: 百合 感想 
2018年07月13日

素晴らしき日々~不連続存在~ レビュー・感想 幸福、幸福ってなんだ?

『素晴らしき日々~不連続存在~』は、ケロQ/すかぢの最高傑作であるのみならず、エロゲーの文化史におけるひとつの終局特異点だと思っている。

 作品の概要はひとくちには説明できない。電波オカルトにサイコサスペンスにジュブナイル、哲学に量子力学に形而上学、叙述トリックにメタフィクション、クトゥルフに伝奇、文学に戯曲に童話、果ては同時代を生きたサブカルチャーへのリスペクトといった要素が、強烈な登場人物たちの群像劇という強靭な骨格に過積載されている。そのカオスの様相は三大奇書や三大電波ゲーム(セルフオマージュ)が引き合いに出されるほど。ケロQの文脈で語ると、『終ノ空』の優れた構成とシリアスな笑いと思索の冒険ととっぽい衒学趣味とセンチなドラマツルギー、『二重影』『モエかん』の内容的多様さとストーリーテリングの流れを汲み、『H20』で見られたシナリオゲームへの歩み寄りがより強度を高めて進められている。そして思想は『サクラノ詩』へ引き継がれてさらに先鋭化される。
 私が『すばひび』を読んでまず目を見張ったのが、シナリオの充実度とキャラクターの圧倒的な存在感だ。バックボーンと行動原理という血肉の通ったキャラクターが、時には想像もつかぬ明後日の方向に突き進んで予想を裏切り、時には青春活劇の王道をひた走って期待を越えていく。私は過去作『終ノ空』『二重影』を「めちゃくちゃ面白い読み物」という以上の評価はしていなかったので、これほど真に迫る人と人との物語を創り上げてきたことに驚かされた。おみそれした。この作品は総体としていくつかの思想を打ち出しているが、それが読み手に対して発言権を勝ち得ているのは、人間が物語を動かす推進力があってこそだと私は思っている。
 また、マルチサイトのADVとしての完成度にも感服した。シナリオごとの情報の秘匿と開示による演出はエロゲーの伝統芸能だが、この作品ほど世界と人の見え方について鮮やかに表現するそれを私は知らない。私が特に美しいと思ったのが、複数の視点で繰り返される、C棟の屋上におけるさる人物とある人物の対峙のシーンだ。あのひときわ胸を打つ場面は、誰の視点かによって……シナリオの進行度、登場人物と作品世界に対する読者の認識によって、その意味合いがまるで変わってしまう。目から鱗が落ちるような、ずれていた歯車が噛み合って駆動するような、胸の空く感触。あの感慨はじっさいに鑑賞した人にしかわからないだろう。

 以下、直接的ではないが若干のネタバレと、作品の解釈を狭めるかもしれない記述があるので未読者は注意されたし。
ビックハザードこっちくんな
『素晴らしき日々』という作品を貫くメッセージ、キーフレーズをひとつ抜き出せと言われたら、ほとんどの人は「幸福に生きよ!」を選ぶだろう。幸福に、生きよ。普遍的で、強力無比で、簡潔明瞭な哲学である。しかしながら、この哲学もといアンセムは全人類的であるがゆえに、あいまいでがらんどうで複雑怪奇だという矛盾を孕んでいる。つまるところ「幸福に生きることが幸福である」というトートロジーでしかないからだ。だもんだからえらい人も「……ということより以上は語りえないと思われる」とぶっちゃっけている。そこから必然的に辿り着くのは、「幸福とは何か」という問いだろう。だがしかし、幸福というクオリアはそれを観測する個々人に拠るものであり、一意な定義を試みる行為は本質を伴っていない。近所の八百屋の親父でも、スーパーのレジ打ってるおばさんでも、タクシーの運ちゃんでも知っている真理は、今昔の哲学者や思想家が挑んだ永遠の命題でもある。
 この如何ともしがたい逆説に対して、『すばひび』は「俺」や「ボク」や「私」たちが、「あんた」や「お前」や「キミ」との対峙の中で幸福を見出すさまをただただ書き出すことで抗っている。数奇な生まれと運命に翻弄されて全てを見失った者が、自らと大切な人の存在を賭けて掴み取った奇跡。頭のいかれた救世主が妙な因果から傍の者にもたらした福音。地獄への道をひた走る使徒がそこに落ちるまさにその時に見出した幸せ。臆病者とその友人がなけなしの勇気を振り絞って勝ち取った日常。ヒーローを信じて待ち続けた少女にようやっと訪れた救い。そして、人の道を踏み外して正体を失くした者がいつか気づくかもしれない小さな幸せ。こうした風景がしっかりと焦点を結んでいるのは、人間の存在感の為せる業だというのは先述した通りだ。そして、上記の幸福に関するコンセプトは、結果として、それがどこに拠って立つものなのかを端的に示しているのではないだろうか。
 この作品の正史・正規ルートは、おびただしい死と不幸で敷き詰められている。非業の死と不運がせわしなく襲い掛かり、登場人物は不和と不信の悲嘆にくれて悲劇の道を歩いていく。そんなおぞましくも物悲しい滑稽劇の世界観で、裂けた可能性の世界に存在するたっとい幸福の形、あるいは那由他の彼方にある場所で見出されるくるおしい幸福の姿は、強烈なコントラストでわれわれの目に焼き付いてくる。

 わたしは恐るべき真実を知った――救済と呪いのあいだには、本質的なちがいなどなにひとつありはしない、と。

(スティーヴン・キング『グリーン・マイル』)


「えいえんはあるよ」
彼女は言った。

「ここにあるよ」
確かに、彼女はそう言った。
永遠のある場所。
…そこにいま、ぼくは立っていた。

(『ONE~輝く季節へ~』)


もう滅びつつある人と世界には 語りかける必要はない
僕ら生まれ変わる新しい人に 最後のGenesisをこえて

(『未来にキスを』「Kiss the Future」)


 もう一つ、私が『すばひび』のエッセンスだと考えるフレーズが「自分の限界」と「世界の限界」だ。以下の問いは作品の導入部で投げかけられるものなので、まるっと引用してもバチは当たるまい。

 他人も含めた世界って何だ?
 世界が俺なら、他の連中は何だ?
 それらも世界を持っているのか?
 だったらそれは別々の交わらない世界なのか?
 それともその世界は交わる事が出来るのか?
 すべての世界……すべての魂は……たった一つの世界を見る事が出来るのか?
 俺が見た、世界の果ての風景。
 世界の限界。
 最果ての風景。
 その時に、お前も同じ様に世界の果てを見るのだろう。
 お前が見た、世界の果ての空。
 世界の限界の空。
 最果ての空。
 俺は、お前と見る事が出来るだろうか?
 そこで同じ世界の終わりを……。
 違う空の下でありながら……同じ空の下で見るんだ……。


 このさかしらで、しかしクリティズムを同封した問いは、前作『終ノ空』と同一の存在である音無彩名が唱える甘やかなタナトスの言葉と同義ではないだろうか。

「水上さん……こんな話……知ってる?」
「?」
「……世界には何人の魂があれば足りるか……」
「それはどういう意味?」
「そのままの意味……」
「世界に必要な数の魂……たぶん……一つで十分……」


 そう、世界はたったひとつの魂で成立し、満たされてしまうのだ。このぞっとしない甘美な事実に、真正面から向き合うことができるだろうか。
 この作品を構成する物語は、どれも「他者」の存在が起点となっている。目を覆いたくなるほどの陰惨な悲劇も、目が眩むほどまぶしい幸せも、いつだってはじまりとなるのは自分の世界を脅かす他者の到来である。このことを心に留めて全体を読み通すと、また違ったものが見えてくるんじゃあないだろうか。自分ひとりでも満たせる世界。精神的に何ら不自由することのないえいえんの世界。それをおびやかす他者がもたらすのは、幸福か、不幸か? 呪われた生か、祝福された生か? あるいは、両者に本質的な違いなどありゃあしないのだろうか? 答えを出せるのは「わたし」と「あなた」だけである。

 何より個人的な物語であるがゆえに、「私の翼」によって特殊から普遍へと飛躍した。幸福という語りえぬものの尊さを謳う「世界の限界を超える詩」となった。私は『素晴らしき日々』という作品をそう解釈している。

 言いたいことはだいたい言い切ったので、その他もろもろをつらつらと書く。
 ぼくは希実香がすきです。シナリオ(世界線)をまたがって縦横無尽に活躍するキャラがだいすきです。
 音楽がとにかく素晴らしい。劇伴もボーカル曲も、サウンドから曲展開から歌詞まで非の打ち所がない。よく知られているのは「空気力学少女と少年の詩」と「夜の向日葵」で、これはもうエロゲーソングやエロゲBGMという枠を超えて評価されている。私は「ナグルファルの船上にて」や「音に出来る事」「夏の大三角」も大好きだ。
 立ち絵に背中を向けたパターンがあるが、いろんな奥行きが感じられてなんか好き。
 同性愛を含むジェンダーのあり方に対する偏見と暴言がひどくて、あまりにもひどすぎて怒りがこみ上げてくる。特に序章は、百合ゲーとして評価するならうんちっちである。時代錯誤で誰も得をしない描写はとっぱらってもらいたい。こんなに面白い作品をくだらない描写のせいでおおっぴらに勧められないのは悲しくて仕方ない。
 わかる人にはわかる話だが、とある作品が『すばひび』とほぼ同時期に発表されたのはシンクロニシティのようで面白い。あれはこの作品に比肩するエロゲーのマグナム・オーパスだと私は思うし、たぶんみんなもそう思っている。

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