2015年12月30日

『サクラノ詩』『苗床デモンズグラウンド』2015年の百合ゲーまとめ・超簡易レビュー

 今年は前半こそ例年通りの不作だったが、後半になって論ずるに値する作品が二本も出てきて嬉しい限りだった。総合的には豊作の年だと思う。二作品とも、各ブランドの最高傑作に挙げる人がいてもおかしくないぐらいの出来だった。以下、プレイした作品についてさっくりと感想を書く。

別格
『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』
【サクラノ詩】応援中!
 既にいいかげんなレビューを書いているが、傑作だった。すかぢの手腕は本物である。『素晴らしき日々』はまぐれで作れる作品じゃあねえわなとは思っていたが、二作続けて傑作級をものしてくれるとは予想だにしていなかった。十一年もの延期ということで、スタッフの入れ替わりやシナリオの大幅な路線変更など紆余曲折あったことが察せられるが、最終的にこのレベルのモノに仕上がったことに対して、枕/ケロQスタッフ一同や芸術の神に感謝せざるを得ない。本当に、埋もれなくてよかった。世に出てくれてよかった。この作品が壮絶な難産の末に世に出たことを思うと、本編のシナリオにいろいろ思うところが出てくると思う。ある意味ではすかぢやケロQの自伝的作品、メタ・エロゲーではないかな。
 ぼくのかんがえたギャルゲーエロゲー名作選の15位以内に作品が食い込んだのは、実に『俺つば』以来だ。『サクラノ刻』の出来次第では10位以内にねじ込む。あと、サントラは絶対に確保しておくべき。

かなり面白かった
『苗床デモンズグラウンド ~奈落の孕姫~』
月の水企画
 ておでぃ/月の水企画の最新作でシリーズ五作目(『アスとれ!』を除いた場合)、苗床モンスターテイマー系の二作目になる。過去作品がどれも水準以上の出来だったのでここには全幅の信頼を寄せているのだが、案の定今作も良作だった。作り込みの堅実さは揺るぎないし、インターフェースから移動、序盤の仲間の育成に関する救済措置、ゲームオーバーのリカバリーまで含めた遊びやすさは間違いなくシリーズで一番よいと思う。個人的にておでぃ作品で一番楽しみにしている、過去作品とのクロスオーバーについては、本編こそ少しだけ物足りなかったものの、クリア後のエクストラシナリオでがっつり絡んできて嬉しかったな。世界観の神話的にもファンサービス的にも大盛り上がりだった。よい仕事してるぜておでぃ。
 恒例になるエクストラクリア後の次回予告もえがったなぁ。ネタバレになるのであまり詳しくは言えないが、まさか本編でそっちに展開してくるとは思わなかった。興奮度合いで言えば今までで一番だったかもしれない。ておでぃが東方大好きというのは有名な話だが、まるで東方本編と秘封倶楽部の関係のようでいろいろ妄想が止まらないぞ。この展開についても処女作の『レディナイト・サーガ』の時点で仄めかされていたから、堅実な長期的構想の下に作品を作っているのがよくわかる。
 私は過去作品と同様に難易度ノーマルでプレイしたのだが、若干ゆるかったので、ここの作品やRPGをやりなれている人はハードモード推奨。

あまり面白くなかった
『きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月』
新ブランド BaseSon Light 最新作『きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月』応援中!
 これはもうレビューを書いた。 『けいおん!』が流行ってた頃に作って埃被っていた企画書に、とりあえず低予算分肉付けして出したのだろうか? シナリオの規模やお飾りレベルのゲームデザインの割には頭でっかちな設定だった。そういえば、ずっと積んでいた『シュタゲ』を今さら読み終えたんだけれど、五、六年前の作品であるこれで既に「シュレディンガーの猫キター!」とネタにされていたなぁ……。
 百合作品としては、上記二作品よりよっぽどまともであることは確か。まともだから何だって話だけど。

 今年の新作で他に潰す予定があるのは、PC版が出ると踏んでいたら案の定出た『白衣性愛情依存症』と、来年に延期してしまったが『凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ>』の二本ぐらい。前者はライターが『あなたを月にさらったら』の人だと聞いて、後者は深見真が監修しているのと体験版がぐりぐり動いて面白かったので期待している。他はとりあえずいいや。

『カミツレ ~7の二乗不思議~』
 噂によると男体化以上の超展開があるらしいがスルーする。
『よるのないくに』
 GEGEさんが代わりに出陣してくれて討ち死にしたのでスルーする。
『FLOWERS -Le volume sur ete- (夏篇)』
 ライターが変わらないならやらない。

『ウィザードリンクス』
『アルプトラウムの黒蝶』
『夏空あすてりずむ』
『死に至る純愛』
 この辺りは来年には出るんだろうか? 『つい・ゆり』は年の瀬にひっそり復活していたと小耳にはさんだが、はてさて。

 上で書いた通り、『サクラノ詩』『苗床DG』の二本については絶対の自信を以てお奨めできるので、お正月休みのお供を探している方はぜひ手にとってみてくだされ。それではみなさんよいお年を。

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2015年12月23日

とっぽいとっぽい。十周年ありがとうございます&歴代自薦記事十本

 気付けばブログが十周年を迎えていました。カウンターの数字も200万を超えております。こんな更新頻度のブログに愛想を尽かさず付き合ってくれているみなさんには感謝の言葉もありません。これからも月に一本程度は読める記事を書けるよう努力していくので、どうかよろしくお願いいたします。
 例年であればその年の記事十選なぞ書いている時期ですが、節目の年なので過去の記事を総ざらいしてみました。我ながらよく書けている記事だと思うので、年末年始の暇つぶしにでも読んでみてください。

アカイイト シナリオ解読・考察・FAQ
 当時2ちゃんねるAIR総合まとめを読んでいろいろと衝撃を受けた私が、読んだ人が『アカイイト』の評価を底上げするようなコンテンツを自分も作ってみたいと思いしたためのがこれです(一部FAQ形式なのはフォーマットを真似したから)。体力的にも熱情的にも、二度とこんなものは作れないだろうなぁ。
 考察記事は語彙や表現力が無くても、情報整理・調査・書き起こしを行う根気さえあれば、書ける! 書けるのだ! もし、自分の好きな作品のためにサイトを作ってみたい、でも何を書いたらわからないという人がいたら、まず考察記事を薦めておきます。面白い感想記事は絶対に面白い主観無しには書けませんが、考察は客観で可能です。

リリィナイト・サーガ レビュー・感想 名作! 王道風ド外道百合エロRPG
 うちのサイトは端的に言って、みやきちさんのサイトのパクリです。あそこの凄まじく粗悪なデッドコピーから一歩でも進み、わりと粗悪なデッドコピーにでも昇格したいと思い、遮二無二やってきた次第です。
 ときに、自分が書いているのは主にプレイ済みを前提とした感想文。みやきちさんのレビューのように、ネタバレを回避しつつ読み手に「うおっめっちゃ面白そう」「自分もやってみたい!」と思わせる紹介文も書いてみたいと思い、慣れないことをやってみたのがこの記事です。結果は推して知るべし。てめぇの歓喜や感動をより鮮明に伝える技術と、理路整然とした論述で読み手の興味を惹く技術は全く別ものだなぁと思いました。

アカイイト レビュー・感想 傑作百合ゲー、ノベルゲームが到達した最高点の一つ (後編)
 持てる全てを出し尽くしました。投げ出さずにこの記事を書き上げることができて本当によかったです。自画自賛。白状すると、この記事の完成を以て後は消化試合、維持管理の気分だったりします。

少女セクト 玄鉄絢 レビュー・感想 瀟洒でペダンチックであっけらかん、新時代の到来を告げた麒麟児
 記事の出来を客観的な指標で評価するならこれがベストです。42ブックマークなんていう数字をうちのサイトで見られるとは思いませんでした。個人的にはあまり気の利いたことは書けていないと思っていたのですが、当時の興奮や空気感を読んでいる人に伝えることができた結果がこの数字なのかなと思ったり。

屋上の百合霊さん レビュー・感想・評価 駄百合ゲー、ときどき電波
 客観的な指標をコメント数とすれば、この記事が圧倒的。いまだにコメントが付きますからねぇ(一昨日くらいにも付いた)。『百合霊』はへっぽこ百合作品の集大成みたいな作品なので、徹底的にこき下ろす記事を作ったことで結果的にこのサイトのスタンスを表明できたのでよかったです。

智代アフター ~It's a Wonderful Life~ レビュー・感想 越えてはならない一線を踏みにじったいんちきファンタジー
 私が今まで書いてきた批判記事は出来そのものが悪い作品を叩いているものが主で、あまり大したことは書いていません。粗悪品が粗悪品なのは単なる事実です。この記事はそうではなく、その作品の価値観・論法を否定しているレビューとしてそれなりにまとまっていると思います。地味に自信作。

『咲-Saki-』と『ジョジョの奇妙な冒険』 能力バトルとパーソナリティ
 『咲-Saki-』の記事ではこれがもっとも簡潔明瞭だと思います。
 自分が真面目に勉強していた分野の知識が、思いがけず好きな作品を語る上で活きてくる。この打ち震えるような感動は書きものをやっている人にしかわかりません。

Key・麻枝准の奇跡話
 上に同じ。Key・麻枝准の奇跡五部作はやはり自分の中では別格の扱いです。

刑務所のリタ・ヘイワース スティーヴン・キング レビュー・感想
 キングの作品、もとい小説のレビューとしてはこれ以上のものはもう書けません。まがりなりにもナンバーワンのファンを目指していたからこそ書けた記事。
 うちのサイトに小説のレビューがほんのわずかしか無いのは、単純に読書量が絶対的に足りていないのと、読んでも感想がうまく出てこないからです。同様に映画も500本以上見ていながら、語ることがほとんど無い! 私がもっとも感銘を受ける媒体はやはりギャルゲーなのだなぁ。

咲-Saki-のドット絵ゲーム『SAKI』プレイ日記その1 メンバー勧誘編
 文章以外のコンテンツではこれが一番よく出来ていると思います。自分も作っていて楽しくて仕方がなかった。私、仕事を引退したら『咲-Saki-』と『アカイイト』と『リリィナイト・サーガ』を足して割ったようなパチモノゲーを制作しますんでよろしく!


 まがりなりにも十年間やってみて、コンテンツも自分なりに充実してきたなという感慨があります。
 重ね重ねになりますが、これからも「とっぽいとっぽい。」をよろしくお願いいたします。

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2015年12月20日

サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- いいかげんなレビュー・感想

 まごうことなき傑作だった。一大傑作である。
 『サクラノ詩』に対して、どれだけ厳正かつ客観的な評価をしようとも、どうあっても名作以下の評定は下せない。個人的にはすかぢ/ケロQ・枕の前作『素晴らしき日々』(時系列が逆だったら申し訳。延期が長すぎてよくわからない)に肉薄するほどの傑作ではないかと思っている。もし両作品に付けた評価が私と逆の人がいたとしても、私は何の疑問も持たないし異論を挟む余地もない。それほどこの作品が内包するエネルギーは凄まじかった。圧倒的な訴求力の物語、ぎらぎらとした人間、リフレインする簡潔明瞭なメッセージは私の胸をしたたかに打ち、ペダンチックな浪花節というすかぢ節はどこをとっても健在であった。
 私は現時点(この作品を読み始める前)で既にすかぢに対して十分すぎるほど高い点を付けていると思っていたが、それでもまだ評価が低すぎた。まだまだあなどっていた。『すばひび』はラッキーパンチでもなければ最後っぺでもなかった。このおっさんの腕っぷしは本物である。延期期間があまりにも長すぎて情報を追えなくなったのを言い訳にさせてもらうが、それでも発表直後にこの作品を読み進めなかったことを激しく恥じている。
 『パルフェ』で期待値を釣り上げまくっていた丸戸信者が『こんにゃく』を読み終えたときの気分。あるいは『AIR』の出来と、延期に次ぐ延期でハードルをこれ以上ないほど上げていたバ鍵っ子が『CLANNAD』をコンプリートしたときの気分。今の私の安らかな安堵感と充ち満ちた充足感はそういったものに近いかもしれない。

サクラノ詩-櫻の森の上を舞う-
B00USS9QJK

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tags: 百合 
2015年12月08日

試験前に掃除がしたくなるのに近いかもしれない

 最近仕事が立て込んでいたせいで、逆に妙なやる気が出てきてしまって、年甲斐もなく一月で積みゲーを三本も消化してもうた。絶好調。しばらくやる気を継続させるつもりなので、私がやっていなそうで「てめーこれをやらずにノベルゲーム語ってんじゃねーよ」という作品があったらおせーてくだされ。

ロマ(ロマ)とは - コトバンク ロマ(ロマ)とは - コトバンク

ヨーロッパを中心に、南・北アメリカなど世界各地で生活する少数民族。……。ジプシーと呼ばれてきたが、ロマが自称。



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  「存在を認める」とか「抵抗感を感じる」とかいう表現が嫌いなんだ。そもそもそこかよと言われそうだけど。

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 『痕』は1996年版しかやっていないので、このメイドさんが何者なのかいまだに知らなかったりする。私の脳みそは『輝く季節へ』のメガネみたいな存在だと勝手に判断している。

ロケットの夏~Full Voice Version~ [月面基地前][キミヲ foca 藤森ゆき奈] | DLsite Pro - 成人向け ロケットの夏~Full Voice Version~ [月面基地前][キミヲ foca 藤森ゆき奈] | DLsite Pro - 成人向け
 キャラクター原案がりつべ。そこそこおすすめの佳作。



 巷での評判通り、ゆるゆり三期はよい出来じゃ。一期と二期はところどころ、あまりにも世界観から逸脱しているギャグが見受けられたが(そのもっともたるものがあかりドラム缶)、三期は本当に安心して見ていられる。なもりのネームもこのあたりは切れ味が特によいしね。

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