2016年03月31日

揺杏の「ごめんねー爽が強引で」がめっちゃ好きだ

 全国大会準決勝Bブロック、副将戦開始前のユキの回想。揺杏、ユキ、成香の三人で買い出しに行った帰りとおぼしきシチュで、揺杏がふと、爽がユキを強引に自分たちの輪へ引き込んだことを謝るこのシーン。

「ごめんねー爽が強引で」
「いえ…」

(第131局「妥当」)


 私はここで「ごめんねー爽が強引で」とちょっと得意げに言う揺杏の表情が好きだ。もう大好きだ。揺杏が爽の、あちこちに駆けつけてはいろんなことに首を突っ込むという性質が好きで、全幅の信頼を置いているのが伝わってくる。

 私がここの揺杏を見て、脳裏をよぎった場面が二つある。
 一つは、『しゃべくり007』の爆笑問題・太田光がゲストだった回。後輩芸人たちが太田のあまりの空気の読めなさ、周りを辟易させるほどの暴走っぷりについて盛大にダメ出しを行う中で、有田が相棒の田中にも問題があるのではないかと提言した流れ。

【有田】
「もう俺、田中さんもちょっと問題があると思うんだよね」
【一同】
「なんで~?」
【上田】
「優しいから?」
【有田】
「『世界一受けたい授業』のオールスターの時とかも
 (太田さんが)メチャクチャ言うじゃない
 本当にもう泣きそうになる人もいるわけじゃない
 そんな中でさ、ワーってまあ続けて、
 で田中さんが『ゴメンね』なんて言いに来るわけよ
 『ウチの太田がゴメンね』って言うのが……
 ちょっとね、誇らしげなんだよね」
【太田】
「ガハハハハハ!」
【有田】
「わかるでしょ!?」
【泰造】
「わかる」
【有田】
「『ウチの太田やりづらいでしょ?
 ゴメンゴメン もう連れてこないから』」
【一同】
「わかるわかる」

(『しゃべくり007』太田光の回)


 もう一つは、日常系百合漫画の金字塔『ゆるゆり』の単行本5巻書き下ろしエピソード。ふと二人きりになった結衣と向日葵が、お互いのパートナーのダメっぷり、無茶苦茶度合いに苦労させられていることについて、それはもう嬉しそうに言い合うシーン。

【結衣】
「お互い苦労してるね」
【向日葵】
「ええほんとに」

(『ゆるゆり』Bonus track.8★違いの分かる女)


 あのシーンの揺杏の表情は、太田の破天荒ぶりについて謝る田中のように誇らしげで、京子や櫻子に振り回されっぱなしだとぐちる結衣や向日葵のように嬉しげだ。私はあの笑顔で、揺杏ならびに爽揺がますます好きになってしまったぞ。
 あえて言わないだけで「ウチ(ら)の爽が~」なんだろうなぁ。

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tags: 咲-Saki- 
2016年03月19日

『ポケットモンスター』の何がそんなに凄かったのか

 『ポケットモンスター』が二十周年と聞いて、時の流れを感じる……。ええそうですよ、自分は二十年前に小学校低学年というポケモン直撃世代ですとも。自分は流行からちょっと後れて、これだけのためにゲームボーイポケットを買ってもらい、青版をコロコロコミックで購入して、主に対戦方面に力を入れてしこしこやっていたなあ。
 世の中にはゲームがいっぱいあって、中には名作として語り継がれるレベルの作品がある。何を言われずとも触って十分で面白さが理解できるゲーム、お話が感動的で人の価値観にまで影響を与えるようなゲーム、ゲーム性が奥深くて何回でも遊べるゲーム、という作品は、あまりゲーマー気質ではない自分でもいくつか名前を挙げることが出来る。しかし、子どもたちの遊び方、ライフスタイルそのものまで変えてしまったゲームというと、自分の観測範囲では『ポケモン』以外にはぱっと思いつかない。ありゃあまさにパラダイムシフトだった。誇張表現ではなく、ポケモンは子どもの生活の中心にでーんと鎮座しており、猫も杓子もポケモンだったんだよ。金持ちの子も貧乏な家の子も、はつらつとしたスポーツ少年も、伏し目がちな文学少年も、誰でもポケモンをやっていた。「これを持っていないと、クラスの話題についていけない」というレベルの存在感を誇るゲームなんて、長いゲームの歴史でも片手で数えるくらいしかないんじゃあないだろうか。
 あの熱狂は、蒐集・育成(カスタマイズ)・交換・対戦というゲーム自体の魅力・コンセプトもさるものながら、アニメやホビー(カードゲームなど)まで含めたメディアミックス戦略がなかったら成立しなかっただろうなと今になって思っている。やっぱり子どもたちの流行の最先端を発信する「コロコロコミック」が果たした役割は大きいよなぁ。あと、バグ技や隠しステータス、隠れた強ポケモンの話、都市伝説などなどで大盛り上がりしていた当事者の見解で、あの頃既にインターネットが発達していたら、あそこまでの狂乱にはならなかったと思う。子どもたちの生の会話・コミュニケーションの間で熱病的に広まっていたゲームという印象を自分は持っている。
 ゲーム性に焦点を絞ると、強いモンスターを(実際にゲーム中で、机上で試行錯誤して、友だちと情報交換して)探すわくわく感、モンスターのカスタマイズ性(自分で名前を付けられる、わざマシンで好きな技を仕込める)などを高く買っている。モンスターを仲間にできるシステムは『ドラクエV』やその元ネタと言われる『女神転生』などで既に実装されていたが、そこをゲームの中心に据えちまうとはなぁ。RPGながら比重を主人公ではなくモンスターに移す、というのはほんまにアイデアだ。できそうでできない発想の転換だ。あと、モンスターのデザイン(そこからアウトプットされたゲーム中のドット絵には目をつぶって)、音楽が完ぺきだったのは、天の時、人の和が味方したとしか言いようがない。

大典太 - Wikipedia 大典太 - Wikipedia

  大典太光世(おおでんたみつよ、おおてんたみつよ)とも。天下五剣の名刀のうちの一つである。



九字兼定 - 名刀幻想辞典 九字兼定 - 名刀幻想辞典

二代和泉守兼定は、「定」の字が、「㝎」(ウ冠の下に「之」)と切られていることから、之定(ノサダ)と呼ばれる。「関の孫六」と称される兼元とともに美濃関鍛冶を代表する存在で、「最上大業物」に分類される。


 ちなみにプレイしていたのは『刀剣乱舞』ではない。

痛いニュース(ノ∀`) : 「ペヤング」の姉妹製品「ペヨング」発売 - ライブドアブログ 痛いニュース(ノ∀`) : 「ペヤング」の姉妹製品「ペヨング」発売 - ライブドアブログ
 凍京NECROかと思った。

ポケモンの歴史~20年の歩み~part1 ‐ ニコニコ動画:GINZA ポケモンの歴史~20年の歩み~part1 ‐ ニコニコ動画:GINZA
 このお化けゲームを直撃世代としてプレイできた自分は本当に幸福だった。


 いかがわよろしい。『ゆるゆり』最新刊も面白かった。

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2016年03月06日

蒼い海のトリスティア レビュー・感想 意外にシビアスなお話はよし、ユーザビリティは素人目にも不十分

 はじめに、私は今までの人生において『シムシティ』『どうぶつの森』といった箱庭シミュレーションゲームとはさっぱり縁がありませんでした。少ないこづかいをやりくりして買ったのは主にRPG(ポケモン世代ど真ん中)や育成シミュレーションで、カネを自由に稼いで使える頃には既にノベルゲームひと筋だったのです。そういうわけで、このゲームジャンルにはまともな経験値もなければ深い愛着もないので、この感想文もトーシロのたわごとだと一笑に付してもらって構いません。おまけに、私は人一倍こらえ性が無い人間です。
 こんな感じで姑息に逃げを打っておきましたが、『蒼い海のトリアスティア』の率直な感想は、ストレスフルでした。ゲーム性がどうだ脚本がどうだキャラクターがどうだという感想の前にこんな言葉が出てきます。ユーザインタフェースの根本的な不備や、確率に振り回される不毛なゲームデザインは素人目にも(いや、素人だからこそ?)気になって仕方がなかったです。痒いところに手が届かない、と言う表現がありますが、この作品の総合的な遊びやすさは痒くて全身掻きむしりたくなるレベルでした。

完成度の低い操作性
 2002年に発表された作品なので仕方ない面もありますが、操作性が劣悪です。私が本当に嫌で嫌で仕方なかったのが、何でもかんでもマウスの左クリックで操作させるところです。キーボードでの操作はメッセージ送り程度のお飾りレベルで、右クリックは機能していません。アイテムの研究・開発・売買、ステータス、セーブ・ロードといった子ウィンドウは、ページ送りには「次のページ」「前のページ」(「最初のページ」「最後のページ」は無い)、閉じるには「閉じる」という小さな小さなボタンをいちいちいちいちクリックする必要があります。
 主人公の移動に関しても、もの凄く面倒くさいです。スタートの画面である工房の画面からある店へ移動しようと思っても、ワンアクションで行えません。いちいち工房の外に出て、そこから全体マップに移動し、地区へ移動して、そこから店を探してクリックしてようやく移動が完了します。私はあるアイテムを作るために「タンポポ」が必要だと分かり、どこかで見た記憶のある花屋を探すため地区を移動して店をしらみ潰しに探し、結局その花屋がつぶれていたと分かったときに、ギブアップという言葉が頭をよぎりました。
 他にも、バックログ未実装、未読・既読問わずスキップ未実装(エンターキーをひたすら押しっぱなしでそれっぽく動く)、セーブは工房以外では不可です。

確率に振り回される嫌なゲームデザイン
 このゲームは確率との不毛な戦いを常に強いられます。アイテムの制作の成功・失敗も、アイテム研究の進捗度合いも、試行回数で改善されるとはいえ基本的に運次第です。乱数の仕様なのか、結果は何度ロードしなおしても変わりません。私はダイヤモンドのこぎりという、材料の人工ダイヤ三個を揃えるのが一苦労で、時間と金を盛大に食い潰してくれたアイテムが、一回の制作失敗でロストしたときに、ギブアップを真剣に考えました。
 また、このゲームには取り返しが利かない時限イベントが多数あり、そんなもん初見で分かるかいという発生条件のものもあれば、締め切りが非常にシビアで一回の失敗が致命的になる(上記のダイアモンドのこぎりがまさにそうだった)ものもあり、いくつかはヒロインとのベストエンドを見るための条件になっています。そういうわけで、半ば必然的に攻略やメモを駆使しての再プレイが要求されます。

 上述した操作性とゲームデザインの何が悪いかって、このゲームの基本方針である、材料を仕入れてアイテムの研究・開発を行い店へと売りこむ、という流れと密接に絡んでいるのが最悪なんですよ。ちょっとしたストレスでも、繰り返し繰り返しやらされるにつれて加速度的にマッハになるのは言うまでもありません。
 例えば、これからあるアイテムを開発して、ある地区の店へと売り込み行きたいとします。その場合に必要な実際の操作は以下の通り。

 まずは素材を買いに行きます。
01.工房画面の玄関マットへカーソルを動かしてクリックし(職人通りの外観図に移動)
02.(境目のよくわからない)道の切れ端へカーソルを動かしてクリックし(全体マップに移動)
03.対象の店がある地区へカーソルを動かしてクリックし(そこの外観図に移動、ナノカちゃんアイコンがのそのそ移動するのを見守る必要有)
04.対象の店へカーソルを動かしてクリックし(店ウィンドウ起動)
05.「買い物」へカーソルを動かしてクリックし(買い物ウィンドウ起動)
06.対象の商品へカーソルを動かしてクリック
07.注文個数へとカーソルを動かしてクリックで調節し
08.「買う」へカーソルを動かしてクリック
09.「やめる」へカーソルを動かしてクリックし(買い物ウィンドウ閉じる)
10.「とじる」へカーソルを動かしてクリックし(買い物ウィンドウ閉じる)
11.(境目のよくわからない)道の切れ端へカーソルを動かしてクリックし(全体マップに移動)
12.工房のある職人通りへカーソルを動かしてクリックし(そこの外観図に移動)
13.工房へカーソルを動かしてクリック(工房画面へ移動)

 次にアイテムを制作します。
14.炉へカーソルを動かしてクリックし(制作アイテムの一覧ウィンドウ起動)
15.「次のページ」へカーソルを動かしてクリックし、目的のアイテムのページまで移動して
16.「アイテム制作」へカーソルを動かしてクリック
 乱数の神様が微笑んでくれたら制作成功! 失敗した場合、材料は塵芥と帰します(炉などの設備のみ除く)。
 材料が無くなった場合は再び01の操作からやり直してください。

 次にアイテムを売り込みに行きます。
17.工房画面の玄関マットへカーソルを動かしてクリックし(職人通りの外観図に移動)
18.(境目のよくわからない)道の切れ端へカーソルを動かしてクリックし(全体マップに移動)
(省略)
19.対象の店へカーソルを動かしてクリックし(店ウィンドウ起動)
20.「売り込み」へカーソルを動かしてクリックし(売り込みウィンドウ起動)
21.対象の商品へカーソルを動かしてクリック
22.「売る」へカーソルを動かしてクリックして
 売り込みが完了になります。ここから工房へ戻るには(省略)です。

 この字面で、私の右手のすじに残るぴきぴきした痛みのいくらかが伝われば幸いです。
 なお、この操作手順は材料を取り扱う店やアイテムの売却が可能な店が完ぺきに把握されていた場合のそれであり、その店が何処にあったか忘れた場合はさらにマウスを握る右手にウロウロカチカチしてもらうことになります。
 ……なぜ右クリックやエスケープやウィンドウ外のクリックでウィンドウ閉じないんですか?
 なぜページアップ・ダウンやタブでウィンドウ間のページ移動が出来ないんですか?
 なぜカーソルキーでマウスポインタが(そのまま、あるいは選択箇所にジャンプで)動いて、エンターで決定という操作が出来ないんですか?
 なぜゲーム時間を進める操作は工房でしか行えないのに、「工房に戻る」ボタンを用意しなかったんですか?
 工房画面で都市全体の店舗が一覧で見られるウィンドウを用意して、地区や店の種類ごとにソートや絞り込みが出来て、店のレベルや来客数、扱っている商品が一目で分かって、直接そこに移動できるようにする、そんな発想は出てこなかったんですか?
 なぜこんな操作性とユーザインタフェースにGOサインを出してしまったんですか?

シビアでシリアスなシナリオ、テキストはよし
 評判通り、こつえーのぱんつはいていない絵柄からは思いもよらぬ、シリアスでシビアなシナリオはけっこう面白かったです。浪花節の人情・友情話だけでなく、外様の人間に対する非情な仕打ちや損益による掌返しも盛り込まれていて、だからこそ前者にほろりとさせられます。基本的に純粋な善意だけで働く主人公が、政治的陰謀に巻き込まれていき、都市の復興や独立自治の旗印として担ぎ上げられていく展開もなかなか読ませてくれました。
 あと、私が気に入ったのは言葉遣いのセンスのよさ。私はノベルゲームをプレイする際に、知らなかった単語や自分でも使ってみたい表現をメモするようにしているんですが、この作品はプレイしていてなかなか収穫が多かったです。メモを見ると、「宵っ張り」「裸足で逃げ出す」「売り物にするには足が早すぎる」「へんぺんたる資本の多寡」「こまったときは、相身たがい!」「のんべんだらり」「出来星財閥」「造次顛沛にも」「言わば言え」「しつけのいい料理」「料理の腕は玄人はだし」「男が鈴なりになるだけの素材」「闇夜に霜のおりるがごとく」なんて言葉が書いてありました。
 台詞回しは、司祭さんの表現が愉快でした。私はこういった表現を見ると思わず口角が持ち上がります。何というか、外国文学のような味わいがありませんかね?

「聖誕祭の七面鳥だけを家に残されてる猫みたいに幸せだわ」


「税金みたいにたしか」


「カカトの皮までぶんどられます」


「生まれたての子犬みたいに、ピュアな気分」


 謎の少女の恋愛に関する格言は、調べてみると外国文学やことわざからのいただきだったみたいです。文章が主体のゲームというわけではありませんが、テキストの質は全体的に高かったです。
 他には、都市が復興するに連れて外観マップでの人通りが多くなったり、自分が売り込んだ開発品の体系(工芸品、食品、工業製品など)に応じて都市がその方面に成長していったり、そういった視覚的な面もよく出来ていると思います。

百合ゲーとしての所見
 悪くないんじゃあないですか。全年齢対象の作品ですが、愛のある告白やキスまでの流れがわりと丁寧に書かれています。
 「そういう世界」とかいう表現や、ハンプデンの娘さんの意中の人へは心酔崇拝、それ以外の人間は眼中に無しというコテコテ造型はどうかと思いましたが。

まとめ
 シナリオや言葉使いはまずまずよかったですし、百合ゲーとしてもだいたい違和感なく読めましたが、あのわずらわしさと不条理さに耐える価値があるかと聞かれると「別にない」としか答えられません。SLGとしての比重の高さに対してこの操作性は致命的すぎます。まして繰り返しプレイ、そこまで行かなくともトライ&エラーを強いるゲームデザインなら、相応のユーザビリティを実現してくださいな。
 このブランドの過去作『リトル・ウィッチ・レネット』『リトル・ウィッチ・パルフェ』は百合ゲーの古典との呼び声が高いですが、この『トリスティア』よりさらにシステムが悪いならば到底プレイできる気がしません。積んだままでもいいかな、と正直思っています。『ネオスフィア』はどないすべい。

蒼い海のトリスティア ~発明工房奮闘記~
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