2018年11月17日

バーチャルYouTuberの面白さがわかる(といいな)動画10選ちょっと

 うちの閲覧層とバーチャルYouTuberのファン層がぜんぜん被っていない気がするので、また宣伝の記事でも書いてみようと思った。かく言う私も3月頃に企業勢が3Dモデルを引っさげて参入してきたあたりで知識が止まっているのだが。

トーク
 いつの時代でもフリートークは芸の華だ。洋の東西や老若男女を問わず、人は理路整然としたしゃべりやエスプリとアドリブの効いたしゃべくりに憧憬を抱かずにはいられない。
 トーク力のあるVTuberと言われて真っ先に思い浮かぶのは、やはり月ノ美兎だ。委員長はとにかく説明好きで、サブカルの好き語りだけでなく興味が広くて話の引き出しが多い。そして不測の事態に出会した時のアドリブ力やひねり出されるパワーワードが素晴らしい。


 漫談だと輝夜月が強い。声だけで面白い、開始五秒で面白いというのはあまりにも強すぎる。おまけに編集をぎんぎんに利かせているから動画時間に対する内容の密度が凄まじい。


 私の知っている範囲だと、他に剣持刀也とかWEATHEROIDアイリ(ポン子)も口が達者だね。前者は自分の好きなコトやモノを言い表す言語化能力が高く、突っ込みのテンポやワードチョイスが尖っている。後者はしゃべりが理路整然としていて聞きやすく、日常の些事をすらすら面白く聞かせてくる。お天気ネタはガチの知識に裏打ちされて、それを絡めて展開されるトークもまた楽しい。ほか、私のTLでは皇牙サキあたりの評判がよい。

コミュニケーション
 VTuberの強みとして双方向性(インタラクティビティ)があるのは通説だ。キャラクター本人から返ってくるレスポンスの鮮度、SNSでの交流やファン活動への反応といった距離の近さは、今までのキャラクターコンテンツに無かったものだろう。あと、モーションキャプチャや表情認識の技術が反映された、身振り手振りやころころ変わる表情もキャラクターの魅力に寄与している。もしキズナアイやミライアカリが静止画や立ち絵のパターンしかなかったら、絶対にここまでの人気は出なかったと思う。
 VTuberの強みがもっとも表れたイベントとして、ニコニコの企画「超バーチャルYouTu“BAR”」を紹介したい。企画の概要は、バーテンダー役のVTuberがスペースに来場者を招き、1分程度の時間でお悩み相談に乗るというもの。

 どの出演者もパフォーマンスに個性が出ていて面白かったが、白眉はミライアカリの捌きっぷりだ。私の観測範囲ではこの人の評価はあんまり高くなく、かく言う私もそこまで買っていなかったのだが、このイベントでの堂々たる立ち回りで見る目が変わってしまった。情報開示の返報性や共感の姿勢を自然と理解しているように見える。この人について「下ネタのお姉ちゃん」という認識しかない人はぜひ見てほしい。

キャラクター・ロールプレイ・自己実現
 VTuberの構造で面白いのは、2Dだ3Dだという以前に「キャラクター」がわれわれと同様に動画を配信したり、ゲームやアプリで遊んだり、SNSでアカウントを作っているところだ。キズナアイのTwitterに日本で何位というもの凄い数のフォロワーがいて、夢咲楓がポケモンシングルレートのランキングに名を連ねていて、輝夜月のファッションブランドが立ち上がっている現状には未来を感じる。


 受け手側はキャラがやっているからこそより親しみを感じたり気軽に応援できたりする側面があると思う。ぽんこつもいいところである「インテリジェントなスーパーAI」や、サブカルクソっぷりを隠そうとも隠しきれない「正当派ツンデレ清楚委員長」はそれだけで愛嬌の塊だ。演者の側としても、キャラになりきる面白さや気楽さがあるんじゃあないだろうか。顔出しはしたくないけれど発信したい、表現したい、交流したい人の選択肢として、VTuberはこれから存在感を増していくと思われる。
 また、VTuberはバーチャル空間で性別も容姿も声も自由に変えてなりたい自分になれる、好きなキャラを動かせてしゃべらせられるという自己実現の一つの形だと思う。2017年における黎明期の英雄の一人であるのらきゃっとちゃんさんは、長年の修行や投資によって理想の姿やKAWAIIムーブを手に入れた凄い存在である。ガチRP勢には珍しくプロデューサーという上位存在・演者の存在をおおっぴらにしていて、のらきゃっと名義とは別でアカウントも持っているので、興味がある人は覗いてみるといい。


歌・ダンス
 あえて説明するまでもなく、素晴らしい歌や踊りは言葉の壁をものともしない。動画サイトで世界に対して発信しているVTuberには強力な武器になり得るものだ。じっさいヒナヒメは海外でも認知されて、爆発的に登録者や再生数を伸ばしている。
 富士葵のこぶしの利かせ方は素人の耳にも凄いとわかる。この人は3Dモデルの新調のためにクラウドファンディングを募って達成し、人気を順当に伸ばして大成功した人としても有名だ。


 MVとして見ると、明らかにクオリティが高いのが田中ヒメ&鈴木ヒナや岩本町芸能社だ。ヒメヒナはデュエットとしても聞かせるし、ちゃんとした振り付け師が付いているらしく動きがキレッキレだ。岩本町のはトラッキングどうなってるんだアレ。


ゲーム
 ゲームプレイについても上に同じ。シンプルにゲーミングスキルが高い人だと、猫宮ひなたやヨメミ、ゲーム部などがいる。

 電脳少女シロはキャラクター性を前面に押し出した(勝手に前面に出てきた)ゲームプレイでファンを魅了している。アイドル志望でぽわぽわした雰囲気の少女が、硬派なFPSをやり始めた途端に豹変し、底冷えするような声で物々しい発言をこぼしながら残虐プレイをしていくというギャップの面白さ、素が透けて見える面白さ。これは鈴木史朗のバイオハザードプレイ(「チクショ~この野郎」「焼きます」)なんかに通じるものがあるかもしれない。下記の2回はプレイも上手く回っていて見応え有りまくり、ブレイクのきっかけになったのもわかる。


 突っ込みどころ満載のバカゲーのプレイなら、委員長の右に出るものなし。リアクションがいちいち面白くてかわいいし、突っ込みの言葉選びもセンスを感じる。コメントを拾って視聴者を巻き込んでいく手腕もお見事だ。


制作、企業と個人
 このコンテンツの特徴として、企業と個人の垣根が比較的低いことがある。ある程度の知識と技術があってそれなりにお金を掛ければ、企業と同程度のものを作るのも不可能ではない。人気の上位陣ともなるとやはり企業勢が多いが、一芸(主に話芸や声芸)に秀でたり強烈な個性を持っていたり地固め(コネ)がすごかったりする個人勢が、カネをふんだんに使った企業のお抱えを人気でしのぐこともままある。

 この動画は個人勢の起源としても重要だし、ロールプレイやジェンダーといった様々なものを内包している。このおじさんが自作のアバターを操り、ボイチェンを通さない生のたどたどしい声で「はいどうもー」とあいさつした時に、バーチャルYouTuberの歴史が生まれたと言っても過言ではない。ロールプレイを徹底して、美麗な3Dモデルやボイチェンの機材やキャラ設定にがちがちに凝って理想を追求してもよいし、のっけから素を出している雑さで、次作の2D絵や3Dモデルで、おっさんの声のままで、気軽に始めてもよい。VTuber界隈にはそんなおおらかさがある。のじゃおじは既にYouTuberを引退しているそうだが、その功績は語りつがれていくべきだろう。
 個人が主導した企画で紹介したいのは、ピーナッツくんとぽんぽこの24時間動画だ。質量ともにとんでもない。

 これだけの番組を、片田舎に住む妙ちきりんな兄妹がパソコン一台で作り上げたという事実にまず感動する。個々の出演者だと、不測の放送事故に動じずにフリートークで悠々と繋ぐ委員長と、無茶ぶりの寸劇をアドリブトーク力とガチの気象知識の合わせ技で華麗にいなすポン子が流石のひと言だった。あと、名取さなはこの企画で初めて見たのだが、あまりにもかわいくてちょっとびびった。個人勢で銀盾を取るだけのことはある。

バーチャル“リアリティ”
 バーチャルYouTuberはよく2.5次元と表現される。ネット上で活動するキャラクターだけれども、確かにわれわれの現実を生きている。自分の能力や特技や人生経験を頼りに、他でもない自身の価値観や信念やキャリアを賭けて、よりよい仕事やエンターテイメントのために日々活動している。そこに筋書きのないドラマがリアルタイムで生まれるわけだ。


 この動画はオフラインコラボの最傑傑作の一つで、妙に熱いポットや合わない視線といった同室だからこそのネタで取れ高が盛りだくさんだ。単体でもバリクソ面白いが、この前に月ノ美兎と樋口楓の二人に何があったのか、二人がどんな選択をした結果ここに至ったのかを把握していると、胸に迫ってくるものがある。
 オフラインで会っていたらバーチャルの意味がない、という了見の狭い意見も聞く。私は、住んでいる地域から年代も性格も趣味もまったく違う二人が時間と空間を共有して、仕事や遊びの中で仲良くなって新しい関係を作っていくという、その過程に未来と普遍性を感じた。

アイドル
 上に挙げた要素以外には、生まれたばかりのコンテンツや出てきたばかりの新人が認められて成長していき、大きな案件を成功させたりいろんな分野に進出していったりするというライブ感やサクセスストーリーの要素も、今時点での魅力の一つではないかと思う。この辺は既存のアイドル文化と共通項が見受けられる。ファン層もラブライブやアイマス、アイカツやプリパラの履修者が多いようだし、ライバー本人にも好きな人が多い(キズナアイは有名なラブライブと欅坂狂い)。
 黎明期をたまたま見ていた人間のはしくれとして、業界の行く末だけでも見守っていきたい。

【関連記事】
かえみとを見てください、よろしくおねがいします。
バーチャルYouTuberに学ぶトーク力・コミュニケーションスキル(ニコニコ超会議2018)
前編(ミライアカリ・樋口楓)
中編(ねこます・のらきゃっと)
後編(月ノ美兎・ばあちゃる)
藤崎由愛(YUA)という不気味な「失敗作」

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2018年11月05日

東方と月の水企画のおっとろしい費用対効果

 月の水企画の新作『ナイトメアガールズ』が全然終わらない。20時間を超えてようやく最終盤に突入した感覚だ。月の水はクリア後のお楽しみダンジョン&エクストラボスが用意されているのが恒例だからあと5~10時間は遊べるな。これが1500円だってんだからおそろしい価格破壊だ。



 カックイイことを言おうとしてとんでもないことをほざいているのに気付いた(前後の文脈でわかっていてほしい)。

ソリスト(そりすと)とは - コトバンク

1 独唱者。独奏者。2 物語性のあるバレエで、プリマやコール・ド・バレエと区別され、一人、または二、三人で踊る踊り手。



中華ゲーム見聞録:実際の中国漁船虐殺事件が題材のADV『One-Way Ticket / 単程票』登場人物は全員日本人? | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト
  政治問題には触れないが、背景は綺麗なもんだな。


  「人当たり」「安定感」っていうのは得がたい才能だよな。
 あの騒動の後も、ヒカキンとのコラボ、ニコニコのイベントでの歌、シングルリリースととでかい案件を次々こなしていて、さっぱりへこたれてなさそうなので安心した。

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