2019年05月08日

『咲-Saki-』が好きでよかった

 改めて、『咲-Saki-』が好きで本当によかった。この作品を生涯で数本と遇えない傑作と仰いだのは間違いじゃあなかった。

 小林立の公式サイト「dreamscape」に掲載された、『咲-Saki-』作中世界の同性愛に関するあけすけな既述に対する所感だ。

http://www.sciasta.com/ritz/

 先に断っておくと、今回の件で真っ先に心へ浮かんだのは、質問した人に対する「そもそも、作者に対してキャラクターが同性愛者かいちいち聞くなんて無粋もいいとこじゃないか」というアンニュイな想いだし、「そら同性愛者は(多寡はさておき)いるでしょうよ……」というひねた想いもわずかにあったのは正直なところだ。だけど。けれども。だけれども。それはそれとして、作者が自分の作品、それも既に各方面から評価を受けている作品に対して「登場人物に同性愛者はいる」「登場キャラに女性と女性の子供がいる」「同性婚が可能」ときっぱりと言い切ったのは、誠実で、掛け値無しに素晴らしいと思った。面倒臭い輩に難癖を付けられるのは当然予想できるし、お茶を濁したりネタに逃げたりすることも可能だったはずだ。その上で、当たり前のことを当たり前だと実直に言い切った小林立の意気を、私は買いたい。

 私はつねづね、きっかけは精子提供でもiPS細胞でも独自概念でも、あるいは特に説明が無くてもよいから、女と女が結婚して、子どもを産んで、世代が続く作品が世の中にもっともっとあってほしいと思っていた。そんな中で、ベストの一つに挙げるほど好きな作品が正式に名乗りを上げてきたものだから、胸がいっぱいでうまい言葉がなかなか出てこない。ただただ、『咲-Saki-』を好きで本当によかった、と繰り返すばかりである。

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tags: 咲-Saki- 百合 
2019年05月04日

平成最高のゲーム10本(選者:あんまりゲームをやらない人)

 Twitterで「#平成最高のゲーム」のタグを眺めていたら面白かったので、自分もぺらぺらライトゲーマーの身(GC・PS3からWiiU・PS4までノータッチ、ほぼテキストゲームしかやらない)ながらベスト10を書いてみた。このサイトは基本的に読み物の感想しか書かないが、ときどき思い出したようにADV以外の百合ゲーのレビューも書くので、どんなものを評価しているかの参考にでもなればと思う。

『スーパーマリオブラザーズ3』
 自分にとって「ファミコン」「テレビゲーム」の象徴的存在だ。自機のパワーアップから敵キャラクター、ステージや隠し要素までとにかくバラエティに富んでいて、総合エンターテイメントたるゲームとしてほぼ完ぺきだと思う。グラフィックも演出も凄かったけど、1-1の曲のパーカッションにもっとも未来を感じた。親戚や友だちの家で遊ばしてもらってから自分にとってずっとあこがれの存在で、ファミコン本体とともに買ってもらってようやくわが家で遊べたときはただただ感動だったな。
 個人的に素晴らしいと思うのが、ゲームが始まるまでの一連の流れ。スイッチを入れると画面の緞帳が上がり、軽快なセレクト音と選択音とともにゲームが始まり、さっそうとマップに表れたマリオを動かして1-1に入り、フェードインとともにアクションシーンが始まる。これだけプレイヤーをゲームの世界に没入させる導入が他にあるだろうか。
 他の2Dマリオだと、『ヨッシーアイランド』がヨッシーのアクションからステージのギミック、敵キャラクターのバリエーションが豊かで、適度なやり込み要素もあってもっとも完成度が高く感じるかな。3Dマリオは『64』しかやっていないが、あれはマリオを動かしているだけで楽しい、庭を幅跳びしているだけで楽しいという素敵なゲームだった。

『星のカービィ スーパーデラックス』
 渡辺徹のゲーム番組で初めてプレイ映像を見た瞬間、買うことを決めたような記憶がある。
 サブタイトルに恥じない、豪華けんらんでおもちゃ箱みたいな、ビデオゲームの最高傑作の一つだと思う。コピー能力をフル活用したカービィの爽快な操作性、グラフィックとサウンド、ボリュームに対するテンポ、どこを切ってもよく出来ている。それと、カービィシリーズの特色として、ほのぼのとしたビジュアルに反した、シンプルながらも熱いシナリオ展開が挙げられる。これは『マリオ』や『ゼルダ』にはないこのシリーズの強力な強みだと思う。ダイナブレイドに乗ってハルバードに乗り込むところと、ギャラクティック・ノヴァを喧嘩していた太陽と月が協力して止めるところ、みんな好きでしょ?
 ウルトラスーパーデラックス? 知らない子ですね……。セレクトボタンで能力が捨てられること以外何もよいことがなかった。

『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』
 伝奇要素や同人文化についても語ると終わらないが、弾幕STGとしてもめちゃんこ遊ばせてもらった。この作品の面白さの根源にあるのは「反復」の気持ちよさではないだろうか。所見ではどう見ても避けられないように思えた弾幕が、「繰り返し」のプレイによって抜け道が見つかったりトリックが割れたりして、次第に見切れて避けられるようになる。とてもじゃないが倒せない! 無理ゲー! としか思えなかったボスが、安全牌のスペルを増やしたり決めボムを仕込んだりすることで、だんだんと太刀打ちできるようになる。練り上げたパターンでさんざっぱら苦戦させられた弾幕もといボスキャラを打ち破ったときの気持ちよさは、言葉で言い表せない。東方は「今まで出来なかったことが出来るようになる」という遊びの根源的な快感を刺激するゲームデザインをしている。プレイヤーのしてやったり感を盛り立てるのがめっぽう上手いゲーム、と言い換えてもよい。クリアしたことが自慢になる辛口な難易度設計も好み。しかし、個人製作の限界か、素材の使いまわしやモーションのパターンの少なさを感じるのも事実なので、無理を承知でいつかガチガチにお金を掛けたバージョンもやってみたい。
 これもベストを決めるのは難しいが、さくさく進むゲーム性と音楽がことごとく好みな『紅魔郷』を推したい。

『メイド・イン・ワリオ』
 ゼンリョクで作り込まれた、あまりにも幸せなバカゲーだ。
 このゲームが凄いのは、わかりやすいとっつきやすさとストイックなやり込みっぷりを両立させているところだ。誇張抜きで、さわって5秒で面白さがわかる。私はたまたま友だちにやらしてもらって一瞬でのめり込んでしまい、速攻で自分用に買ってしまった。
 シリーズはだいたいやったはずだけど、やっぱり初代が一番好きだ。合いの手が2パターンあってノリノリだし、ボーカル曲が2曲あるのもよい。ドット絵も素晴らしいな。

『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』
 この作品も自分にとって永遠にあこがれの存在だ。表と裏のマップを見て「まだこんなに続きがあるのか」「どんな敵や謎が待っているんだ」と胸を高鳴らせ、アイテム欄の空きから「次にどんなアイテムが手に入るんだ」「何ができるようになるんだ」と想像を巡らせていたのを昨日のことのように思い出せる。
 2Dゼルダの基本的なシステムや、リンクの操作感もほぼほぼ完成されている。あえて言うなら、ペガサスの靴のダッシュが多少左右に移動できて、どこかのボタンにもう一つアイテムを設定できたら言うことなしだったね。
 ちなみにファミコンの『1』を家にSFCがなかったときに代わりに買ってもらったのが、こちらもめっちゃ好き。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
 私がSwitchを確保したのはポケモンの本編が出るとの情報を聞いたからで、『BOTW』は何とはなしに買ったのだが、ここまでのめり込むとは予想だにしなかった。私のようなゲーム半引退勢ですら必死でプレイさせるくらいのパワーがあった。
 冨樫義博は、あるゲームのシステムについて楽しそうに不満を漏らす様子を「はまる兆候」と書いていたが、『BOTW』ほど不満点が嬉しそうに語られたゲームは他にないと思う。かくいう私も、「敵のレパートリィがもうちょっとあったらなぁ」とか「武器ごとの特性がもっとあったらなぁ」とか「雨は不便さに対するリターンが少なすぎじゃないの」とか言いたいことはいくらでもある。だがしかし、それを補ってあまりあるほど、3Dの世界に対して直感的に作用できる操作感、ハイラルの大地の途方もないスケール感、自分でルートを考えて開拓していく手探りの冒険感がたまらなかった。どうしたってとっつきづらくなるオープンワールドを、
 ゲーム性が評価される一方で、ストーリーは薄味だともっぱらの評判だけど、順当に進めていれば背景は必要十分にわかるのであれでよいと思う。ウツシエの記憶の最後の一枚をあそこで見つけた時は、ちょっと感無量だったよ。あと、リンクを記憶喪失にしたのは、プレイスタイルを縛らないための英断だったと思っている。

『スーパーメトロイド』
 言わずと知れた探索ゲームのひとつの到達点。強化アイテムの収集とルートの開拓、余計な説明をしないで動かさせるスタイルなど『ゼルダ』のゲーム性と共通項が多いが、こちらは攻撃性能や機動力がもりもり強化されていくのが男のコでよい。操作感は『フュージョン』や『ゼロミッション』のほうがしっくりきたけど(『スーパー』は角にひっかかって減速する感じがちょいニガテ、伝わるだろうか)、ビジュアルとサウンド、そして何より探索のスケール感はやっぱり今作が突出して素晴らしい。
 Switchで『プライム』シリーズが出たら、そっちもやってみたい。

『ポケットモンスター』
 世の中に面白いゲームや感動するゲームは数あれど、小学生のライフスタイルを変えてしまうほどの影響力を持ったゲームは片手で数えるほどしかないと思う。誇張表現ではなく、ポケモンは子どもの生活の中心にでーんと鎮座しており、猫も杓子もポケモンだったんだよ。あの熱狂は、蒐集・育成(カスタマイズ)・交換・対戦というゲーム自体の魅力・コンセプトもさるものながら、アニメやホビーなどのメディアミックス戦略がなかったら成立しなかっただろうなと今になって思っている。子どもの流行の最先端を発信する「コロコロコミック」が果たした役割は大きい。あと、当事者の見解では、あの頃既にインターネットが発達していたら、あそこまでの狂乱にはならなかったと思う。バグ技や隠しステータス、隠れた強ポケモン・都市伝説の幻ポケモンなどなど、子どもたちの生の会話・コミュニケーションの間で熱病的に広まっていったゲームという印象を自分は持っている。
 ゲーム性に焦点を絞ると、RPGでありながら「モンスター」にフォーカスを当てる発想がとんでもなかったと思う。『ポケットモンスター』という作品は、舞台がどこであろうと、時代がいつであろうと、主役が誰であろうと、文字通り「ポケモン」が飛び出してくれば成立する。これはキャラクターコンテンツとしてあまりにも強いよ。『GO』がメディアの壁や次元の壁すら超えて成功したこころはここにあるじゃあないだろうか。
 最高傑作を選ぶのは困難だが、圧倒的充実度の『エメラルド』、黄金期である第四世代の『プラチナ』『ハートゴールド・ソウルシルバー』あたりに落ち着くんだろうか。私はぬし戦やVSチャンピオンに張り合いのある『サン・ムーン』もけっこう好きだが、『ウルトラ』はがっくしきたね。

『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!』
 不思議のダンジョンシリーズは、言うまでもなく、もっと不思議系ダンジョンがいっちゃん面白い。挑戦のたびにレベルも装備もリセットされてしまうが、代わりにプレイヤー側へアイテムの識別法やモンスターの対処・レベル上げなどのテクニックが蓄積されていく達成感がよい。冒険のたびにダンジョンの構成やアイテムのラインナップが変わるので、アドリブ力や機転が試されるのもまたよい。
 どちらかというと積み立て型のトルネコより、アッパー要素のタガが外れてるシレンのほうが好みかな。どの作品も一長一短なのでベストを選ぶのは難しいが、もっと不思議以外のダンジョンや収集要素の面白さも加味すると『シレン2』か『アスカ見参!』じゃないだろうか。『シレン2』の3Dゲームらしからぬ、コマをうまく抜いたテンポの良さは素晴らしい(『トルネコ3』はなんなんだありゃ)。最果てへの道がもうちょっと厳しめに調整されていて、裏白蛇の渋いアイテム分布やクレイジーなデビルカンガルーにもうちょっと温情があったらなぁ。

『パワプロクンポケット9』
 当初は、オリジナル選手を育成できるサクセスがゲームボーイで遊べる点に惹かれて買ったんだ。もちろん、育成論を煮詰めたり選手能力をカスタマイズしたりするのも面白かったけれど、シナリオが予想以上に面白くて、おまけに続編ものとしての展開(組織の変革、過去キャラの再登場など)がめちゃくちゃうまいもんだから、いつの間にかそっちを期待して買うようになってたんだよ。たぶんこのシリーズをやっていなかったら、のちにギャルゲー・エロゲーを履修することはなかったと思う。
『パワポケ』の野球はおまけとよく言われるが、自分はCPUの穴を突いて小技を突き詰めれば9割試合に勝てるゲーム性がそんなに嫌いではない。
 シナリオの骨子や再登場キャラが過去作品の集大成で、野球が安定していて(『7』『8』が極度に不安定なだけかもしらん)かつ強い選手が作れる『9』が好きなんじゃあ。
 


 年がばれそうなラインナップだと自分でも思った。

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