2007年11月11日

アカイイト Webノベル版テキストとADV版テキストの比較

 アオイシロのWebノベルは封印しているんで、代わりに(?)アカイイトのwebノベルでも読んでみた。思えば本腰入れて読んだのは初めてかな。発売前に吸血シーンを求めてざら読みしたぐらいで(笑)。あの時はつくづくアンポンタンだった…。
 してこのWebノベル版、一部にあまりにも仰々しくい文章があったよ。

 
↓どちらの文章のほうが好ましいか。

①Webノベル版
「なあ、今ならまだ引けるんだよ。葛さえその気になってくれれば、普通の人間に戻ることだってできるんだよ」
 サクヤさんの言葉には忠告ではなく、オハシラサマに消えないで欲しいという願いが込められているように聞こえた。もしかして、サクヤさんはオハシラサマとかつて知り合いだったのだろうか。そんな疑問が頭に浮かんだが、それを問う間もなく、オハシラサマはきっぱりとわたしたちに告げた。
「いえ、それはできません」
 髪に頬を打たせながら、彼女はゆっくりと首を横に振る。


②本編
-サクヤ-
「なあ、今ならまだ引けるんだよ?」
-サクヤ-
「葛さえその気になってくれれば、普通の人間に戻ることだってできるんだよ?」
 それはきっと、忠告のフリをした消えないでほしいという願い。
 にもかかわらずその人は。
-オハシラサマ-
「いえ、それはできません」
 髪に頬を打たせながら、彼女はゆっくりと、はっきり首を横に振った。


 私は②のほうが断然好きだ。


>サクヤさんの言葉には忠告ではなく、オハシラサマに消えないで欲しいという願いが込められているように聞こえた。
・御大、いくらなんでもこれは酷いぞ!馬鹿みたいな説明口調で品性のかけらもないぜ。サクヤさんはユメイさんに「消えないで欲しい」からこんなことを言ったんだってぇのは、私のようなアホでも想像がつくことだよ。
・現代を生きるパンジー女子高校生の桂ちゃんなら、仰々しい「欲しい」よか「ほしい」のほうがよいと思うんだけど、皆さんはどうだろうか。(逆に役行者小角のようなバリ伝奇キャラは「おぬし」ではなく「お主」にしてほしかった…)


>もしかして、サクヤさんはオハシラサマとかつて知り合いだったのだろうか。
・こんなん伏線でも何でもなく、ロマンも糞もないネタばらしである。アカイイトには相応しくない。丸々削ったのは英断。
・重箱の隅をつつくようだけど「かつて」「知り合いだった」はくどくないか?昔は知り合いだったけど、今は知り合いじゃない…なんて状況はたぶんない。



 もう一回比較。


「なあ、今ならまだ引けるんだよ。葛さえその気になってくれれば、普通の人間に戻ることだってできるんだよ」
 サクヤさんの言葉には忠告ではなく、オハシラサマに消えないで欲しいという願いが込められているように聞こえた。もしかして、サクヤさんはオハシラサマとかつて知り合いだったのだろうか。そんな疑問が頭に浮かんだが、それを問う間もなく、オハシラサマはきっぱりとわたしたちに告げた。
「いえ、それはできません」
 髪に頬を打たせながら、彼女はゆっくりと首を横に振る。



-サクヤ-
「なあ、今ならまだ引けるんだよ?」
-サクヤ-
「葛さえその気になってくれれば、普通の人間に戻ることだってできるんだよ?」
 それはきっと、忠告のフリをした消えないでほしいという願い。
 にもかかわらずその人は。
-オハシラサマ-
「いえ、それはできません」
 髪に頬を打たせながら、彼女はゆっくりと、はっきり首を横に振った。


 う~む、半分弱に絞っているのに、提示したい情報はほとんど失われていない。完璧なADV的推敲だと思う。




「葛ちゃん! 尾花ちゃんが!」
 白い手が尾花の首をがっちりとつかんでいた。
 苦しくないはずがない。尾花は四肢をばたばたと動かし、身体を捻り、ノゾミの手に咬みつこうともがく。
 けれど首をつかまれている以上、打ち鳴らす牙は敵に届かない。それでも尾花は抵抗した。牙だけではない、他の武器を用いて。


 わりと有名な話だけど、Webノベルの桂ちゃんは、地の文で尾花ちゃんとノゾミちゃんミカゲちゃんを呼び捨てにするのだ…。


大切な人がいなくなってしまう。それはとても悲しいことだ。冷たい海に放り投げられて魂が凍りつくような気持ちになる。尾花の死を前にわたしが冷静でいられたのは、情は移っていてもまだ数日の付き合いしかないからだ。

 う~ん、あまり「情が移ってい」たようには見えないぞ(笑)。
 



 それを自覚してか、葛ちゃんは誰にともなく呟くように口を開く。
「在り方が変わるときに別のモノになるのは、慈悲でもあるんですよ……ふと天の羽衣うち着せたてまつりつれば、翁をいとをしく、かなしと思しつる事も失せぬ…。そういうことです」
「…………」
 それで納得したのか、それとも何を言ってもオハシラサマの覚悟が揺るがないことを知ったのか、サクヤさんも押し黙っていた。


 クズ様…。一人でいって一人で悦に入らないでください。


-葛-
「サクヤさん。在り方が変わるときに、別のモノになるのは、慈悲でもあるんですよ」
-オハシラサマ-
「ふと天の羽衣うち着せたてまつりつれば、翁をいとをしく、かなしと思しつる事も失せぬ――」
-葛-
「そーゆーことです」
-サクヤ-
「………」


 セリフも細かいところで変更されている。ってことはこの時点ではボイス収録まだだったんだね。

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