2007年12月06日

斧 ドナルド・E・ウェストレイク

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 子供のときに、SFファンだったときがある。スプートニクが飛ぶまで、多くの子供がそうだった。スプートニクが飛んだとき、わたしは十二歳だった。それまでに読んだすべてのSF雑誌とか、観たすべての映画やTV番組とかは、当然の権利として、宇宙はアメリカ人のものだと思い込んでいた。宇宙の探検家や移住者や命知らずたちは、どの話でも全員アメリカ人だった。そこに、いきなりロシア人がスプートニクを射ちあげた。最初の宇宙衛星を。ロシア人がだ!
 それから、わたしたちはみんなSFを読むのをやめ、SF映画やTV映画に背中を向けた。他のみんなのことは知らないが、覚えている限り、その後、わたしはウェスタンに関心を持った。ウェスタンでは、誰が勝つのか疑問の余地はなかった。

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 ダインズはわたしに似ていた。わたしの友人、味方になるべきだった。共通の敵に対して一緒に戦うべきだった。敵どもが上で笑っているのに、この穴の中で残飯を手に入れるために、つかみ合い、戦うべきではなかった。もしくは、敵どもが上で気にもしていないのに。

-175-
 二人は用具を置いて、一緒に郵便箱に向かった。何だ、あの二人は? シャム双生児なのか?

-188-
 近頃では、みんなが連続殺人鬼の存在を信じている。映画や小説は、まるで連続殺人鬼の集まりか、《エルス・クラブ》のような友愛団体であるかのように、その手の連中であふれている。そういう話をでっち上げる連中にとって、連続殺人鬼の素晴らしい点は、動機のことを考えなくてもいいことだ。その人間はどうしてあの人間を殺したのか? そういう話でそういう質問をするのは不適当なのだ。それがその男のすることだからというのが、いつもの答えなのだ。

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 海老茶色のスーツだって? 酔っぱらっているかのように呂律がまわらないうえに、海老茶色のスーツを着ている男が、息子の弁護士になるのだ。

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 彼は弁護士を見つけるのが難しい日曜日を生きがいにしているのだと思う。

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 すると、厄介なことになる。わたしは森の中をさまよっているただの変な男ではなく、森の中に隠れている変な男になるのだ。

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 立ちあがると、体じゅうの骨がぽきぽきと鳴った。国じゅうの蛇を怯えさせるほどの音だ。

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 そして、キーをひねった。驚きだ。エンジンがかかったぞ。

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 ハウス・エクスマンの航海だ。彼は海兵隊員だった。気に入ってくれるだろう。

-367-
「新しい仕事だよ」わたしは言った。

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(2001/03)
ドナルド・E. ウェストレイク
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