2008年01月08日

ユメイルート

ユメイ(ルート)に関する伏線
千羽烏月(ルート)に関する伏線
ノゾミ(ルート)に関する伏線
浅間サクヤ(ルート)に関する伏線
若杉葛(ルート)に関する伏線


※烏月ルートとの共通部は省略

◇幻視行
 詳しい解説は◇それは物語の予兆◇タソガレ◇ナクシタヒ◇幻視行にて。

 ぐるりと(お屋敷を)一通り見てまわる。改めて、とても広かった。
 私が小さい子供なら、走り出したくなるほど広い。
 鬼ごっこ。隠れ鬼。家の中だけで十分に遊べる。


 鬼という単語を口にした桂ちゃんに他意はないのけれど(このルートではまだ存在を知らない)、既に烏月・葛・サクヤルートでノゾミカゲちゃんや主に痛い目に遭っているプレイヤーはギクリと(あるいはニヤリと)する。うまいね。


◇ハシラトケイ
 (背比べの傷がある)柱と桂、ハシラ(の継ぎ手になった柚明さん)と桂、(桂ちゃんが幻視をするきっかけになった)柱時計。


◇緑樹の導き

-ケイ-
「そして、ここには近づかないほうがいい」
-桂-
「どうして……」
-ケイ-
「どうしてもだよ」
 理由はさっぱりだったけど、私のためを思ってくれているのだけは伝わってきた。
 それは夢の中のあの人の「駄目」と同じ響きを持っていて――


ユメイさんとケイくんの類似性、繋がりを意識させている。

-桂-
「それよりこの木、すごく大きいですね?」
-ケイ-
「相当、樹齢のある木だからね」
「木鬼っていう木なんだけど、『寿命を延ばす』って字を当てることもあるんだ」
 延寿――
-桂-
「ヘー、それでこんなに育ったんだ」
-ケイ-
「延ばすのは人の寿命なんだけどね。花も実も葉も樹皮から根まで、無駄なく薬になる木だから」
-桂-
「わ、植物博士?」
-ケイ-
「たまたまだよ。この木には縁があってね」
-桂-
「へぇ、縁ですか……」
 同じ「えんじゅ」を当てるなら、その字を当てた「縁樹」の方が、私には浮かびやすい。
-桂-
「なるほど、思い出の場所とか?」
-ケイ-
「そうだね。この木は僕の大事な人の分身みたいなものだから」


分身というか、本体というか。


◇なんでこんなところに?

 …………
 ……まて、わたし。
 お母さんの昔からの友達で、私がランドセル背負ってたころから、年格好の変わっていないサクヤさんって……


サクヤさんの正体のヒント。10年経っても年格好が変わらないのは、いくら何でも人間離れしている。桂ちゃんはにぶすぎ。

-サクヤ-
「なるほど……」
 珠に落としたサクヤさんの瞳はやけに真剣で、ためつすがめつ。
-サクヤ-
「やっぱり薄くなってるか」
-桂-
「え?何が薄いの?」
-サクヤ-
「ああ、色だよ色。青金石にしちゃあ金の粒が見えないし、藍より空色に近いだろう?」
-桂-
「はぁ」
 サクヤさんの興味は白い蝶の模様じゃなくて、石そのものに向いていたらしい。それをごまかすような、少し慌てた口調だった。


サクヤさんの興味は、真弓さんが石に込めた力が薄くなっていないかどうか。サクヤさんも《力》を視る能力だけはあるらしい。


◇雨のにおい

-サクヤ-
「あー、いやな天気だねぇ。こりゃあ近いうちに一雨くるよ」
-桂-
「見てないのにわかるの?」
-サクヤ-
「わかるさ。空気の匂いとかでねぇ」(略)
-桂-
「そういうのって、職業柄?」
-サクヤ-
「いや、天気予報が得意なのは生まれつきさね。あたしの家系は鼻が利くんだよ」


サクヤさんの正体のヒント。言うまでもなく「あたしの家系」とは観月の民のこと。サクヤさんの人並み外れた嗅覚は◇不法侵入などでも強調されている。


◇オハシラサマ

 にっこりと上品に微笑み、どこからともなく取り出した名刺を差し出すサクヤさん。
-サクヤ-
「浅間サクヤと申します」
-女将-
「あらあら、ルポライターでフォトグラファーなんですね」
-サクヤ-
「はい。文章では主に政経面について。写真は山や野生動物など、自然を主に扱っております」


「ルポライター」という単語自体がサクヤさんの正体のヒント。美人独身二十歳なら「ジャーナリスト」か「フリーライター」を使うだろう。

-女将-
「お祭りを取り仕切っていたお家があったんだけど、ずいぶんと前にその人たちがいなくなってしまったのね」
「それで、ここのところ形ばかりのお祭りが続いていたの」
「迷信だと思うんだけど、それからすっかりここも寂れてしまって……」
-桂-
「はぁ、ちゃんとしたお祭りができなかったせいですか?」
-女将-
「迷信よ迷信。でも商売していると験はかついでおきたいものでしょ?」(略)
-桂-
「じゃあ、今年の特別っていうのは?」
-女将-
「何とそのお家と縁続きだっていう、お祭りに詳しい人が来てくださったのよ。まだお若いのに、しっかりなさった方で」
-サクヤ-
「……げっ」
 サクヤさんが潰れた蛙のような声を漏らした。


◇贄の血で桂ちゃんが語っているように、祭りを取り仕切っていたのは羽藤家だったのだろう。羽藤一家が経観塚を去る時期とお祭りが廃れた時期が一致する。
「お祭りの協力者」って誰だったの?


◇犬と猿

-サクヤ-
「まったく、こんなところまで何しに来たんだい?」
-昨夜の少女-
「それはこちらの言い分です。また私の邪魔をしに現れたんですか?」
-サクヤ-
「はっ、誰がわざわざ」
「そんなことが目的なら、夜通し車飛ばしてまで、こんなとこには来やしないよ」
「それとも何だい?またあたしが邪魔したくなるようなことを、やらかすつもりなのかい?」
 この二人、前からの知り合いみたいなんだけど……もしかしなくても相当仲悪い?


サクヤさんと烏月さんの不仲の原因は?

 ぷるぷる首を振って、余計な考えを散らす――と、そういえば。
 烏月さんを見てようやくわかった。
 そうか、あの時感じた既視感はこれか。
 前日に写真を見ているんだから、あのケイくんの顔に見覚えがあるのも当然だった。


なるほどもっともらしいが、桂ちゃんがケイくんの顔に見覚えがあるのは、ケイくんが実の兄で、人生の半分以上を同じ屋根の下暮らしていたからである。うまいね。

-サクヤ-
「で、桂はともかく、あんたはそろそろ上がるころなんじゃないのかい?」
-烏月-
「どうして私が」
-サクヤ-
「烏の行水って言葉があるだろう? 慣れない長湯は身体に障るよ」
-烏月-
「何を言うかと思えば、馬鹿馬鹿しい。重ねた齢にふさわしい――」


サクヤさんの正体のヒント。サクヤ嬢は当年とって17XX歳である。「そんなことになったら大変よ」byユメイさん


◇ラクジツ


◇贄の血

 女の子の足だ――と、思った。
 それを裏付けするように、膝にも届く袂の長さに気付く。
 右は鳩羽鼠に花の染め抜き、左は薄紅。青と白とのあの人とは対照的な、非対称の振り袖だった。
 それにしても、この着物は――(赤エフェクト)
-桂-
「……んっ」
 思い出すなと、赤い痛み。(略)
-ノゾミ-
「それにしても――」
 滑るような動きでミカゲちゃんから身体を離したノゾミちゃんは、今度は私のおとがいに指をかけて、強引に視線を吸いつけてくる。
-ノゾミ-
「あなた、本当に忘れてしまったのね?」
-ミカゲ-
「ほんの少しも覚えてないの?」
-ノゾミ-
「せっかく思い出させてあげようとしたのに」
-ミカゲ-
「あなたは途中で目覚めてしまった」
 ……え?
 あの夢はこの子たちが?
 だとすると、この二人は、わたしの知らないわたしのことを知っている。


桂ちゃんとノゾミカゲちゃんの反応から、三人が以前に出会っていることがわかる。10年前のオハシラサマ封印解除事件の時のこと。

 赤と黒の二色の振り袖。
 左足首には金の鈴。
 赤い瞳と、色素の薄い、毛先が少し外向きにはねたようなかぶろ髪――
 並んだふたりは鏡写しのようにそっくりで。
 ただ表情だけが似ておらず、驕慢な彼女に対して気弱に眉を下げていて。
 …双子?(赤エフェクト)
 そんな何の変哲もない言葉が、わたしの心臓を驚かせた。


 桂ちゃんの秘められた過去に「双子」に関する何かがあったということ。ノゾミカゲちゃんが引き起こした十年前の事件のことであり、双子の兄、白花ちゃんが隠されたことでもある。

-ノゾミ-
「私はあなたを迎えにきたのよ」
-桂-
「わたしを……迎えに……?」
-ノゾミ-
「そう――あなたは、あの女の――贄の血を引く家の子だから」


「あの女」は竹林の長者の娘、姫さまのこと。ノゾミちゃんが姫さまを「あの女」呼ばわりするのは、「主様があいつのせいで封じられてしまった」という逆恨みから。

--
「私はミカゲ――」
-ノゾミ-
「私の妹。お父様に捨てられちゃった、可哀想な私の妹」
 ミカゲちゃんの後ろに回ったノゾミちゃんが、ミカゲちゃんを押しつぶすように抱きつきながら、言葉を継いでそう言った。
-ノゾミ-
「私は妹がいるだなんて知らなかったのだけど…可哀想だから助けてあげたの。そうよね?」
-ミカゲ-
「はい、姉さま…」


ミカゲちゃんの正体のヒント。よっぽど冴えている人なら「わざとらしくこんなことを言わせるからには……なにか裏があるんだろうか…?」と読めるんじゃあないだろうか。……厳しいか。
ミカゲちゃんの正体は?


-ユメイ-
「大丈夫」
 ふわりと抱きとめられると、夢と同じ微かに甘い香りがした。
 その香りは、あの山の大樹に咲いた白い花のものだった。
 ああ――
 頭の中でバラバラのまま投げ出されていたピースが、本来あるべき位置にはまっていくことで、描かれていた絵がわかってくる。
 あれだけ大きなお屋敷に住んでいた、そしてあのあたりにある唯一の家だけに、羽藤の家がオハシラサマを祭っていた家なんだろう。
 正しいお祭りが失われてしまったのは、お父さんが死んでしまった十年前か、それよりもっと前なのかはわからないけれど。
 特別な血を――お化けに狙われる血を持っている羽藤の家系が私の代まで続いているのは、きっと、誰かが守っていてくれたから。
 それはきっと。
 そしてきっと。
 私を守ってくれているこの人が。
 ご神木と同じ香りの、蝶と白花を付き従えるこの人が。


葛ルート◇言霊の神で、葛ちゃんが「オハシラサマが形を成して姿を現していること自体が異例なこと」と説明している。羽藤家を直接的に守ってきたのは、先代オハシラサマの姫さまやユメイさんではなく、役行者小角が経観塚に張った結界と、青珠のお守りだろう。
 

-ユメイ-
「消えなさい。本当に消えたくないのなら」
 言葉に合わせて周囲の光がうねる様は、威嚇しているようだった。
-ノゾミ-
「………」
-ミカゲ-
「姉さま、今一度は退くべきかと」
-ノゾミ-
「……退いてどうするのよ?」
-ミカゲ-
「《力》を蓄えましょう。私たちも弱ってるから」
-ノゾミ-
「……そうね……別に特別じゃなくても、それなりに精がつくものね」


ノゾミちゃんの手綱を握るミカゲちゃんの図。


◇吸血鬼

-桂-
「あ、サクヤさんお醤油かけすぎ」
-サクヤ-
「いいだろ。あたしは塩気の利いているのが好きなんだよ。鮭ならガチガチの塩漬けが一番だね」
-桂-
「えー、あのお茶漬けにでもしないと辛いやつ? そんなんじゃ血圧上がるよ。長生きできないよ」
-サクヤ-
「残念ながら、憎まれっ子何とやら、さ。少なくともあんたよりは長生きするだろうよ」


サクヤさんの正体のヒント。サクヤルートクリア後は笑うに笑えない。


◇無銭乗車?


◇狭間の道行
 狭間と羽様が掛けている。


◇隠れ鬼


◇テンショウ
 漢字を当てると「転生」。ユメイさんが桂ちゃんの血の《力》で、おぼろげな幽体から血の通った現身に成り変わることを表している。ユメイさんに血を与えていないと、桂ちゃんは谷底に激突してショウテンしてしまう。


◇宿替え

-ユメイ-
「そうですね。旅館に宿泊するとなると、お金も相応にかかりますし」
-桂-
「わ……」
-ユメイ-
「どうしたの、桂ちゃん」
-桂-
「ユメイさんって、オハシラサマなのにすごく庶民っぽい……」
-ユメイ-
「ふふっ、そうね――」


ユメイさんの庶民的人間的イメージ定着作戦。


◇いちおう鍋物?

-葛-
「あのー、カップめんとかないですか?」
-サクヤ-
「いくらまともな調理はできない状況だからって、病み上がりにインスタントを勧めるかい」
-葛-
「それは残念。いまだカップめんってヤツを食べたことないんですよねー」
-サクヤ-
「はいはい。恵まれた家庭でお育ちで。あたしは草木の根っこも食べたことあるよ」
-葛-
「それならわたしもあるですよ。根菜類は栄養価豊富ですからねー」


サクヤさんの正体のヒント。観月の民の村で暮らしていた時に食べたのだろう。いくらアウトドア派といえど、現代を生きる良識人が草木の根っこを食べることはまずないだろうから、少なくともサクヤさんが辺鄙な環境で育ったところまでは推測できるはず。
また、現代の一般家庭で育ったなら、カップラーメンは一度や二度は口にしたことがあるはずだろう。葛ちゃんが単なるスパルタ家庭ではなく、前時代的で厳格な家の出であることがわかる。
 ところで、葛ちゃんが言っているのはゴボウやニンジンのことなのか、それとも雑木の根っこのことなのか。後者だとしたら、蠱毒の時に食糧が尽きてやむなく食べたのだろう。


◇食事の後は

-桂-
「……サクヤさんって、自然とか野生動物撮る人じゃなかったの?」
-サクヤ-
「仕事は仕事。プライベートで何撮ったっていいじゃないか」
-桂-
「それはそうなんだけど、撮られる方にだってプライバシーとか肖像権とかがあるよね」
-葛-
「そーゆーことですので、人様の目に触れるところに掲載する場合は、きちんと修正入れてくださいね」


やんわりとサクヤさんをけん制してるんじゃないかと思う。

-サクヤ-
「それより葛、あんた、しばらく風呂に入ってないだろ?」
 その言葉に、二の腕を顔の前に持っていって、小鼻を動かす葛ちゃん。
-桂-
「……もしかして、本当に入ってないの?」


サクヤさんの正体のヒント。サクヤさんの常人離れした嗅覚は、◇不法侵入?◇雨のにおいなどでもアピールされている。

-桂-
「……もうっ。ごはん食べた後片付けもしないで行っちゃったよ」
-ユメイ-
「元気があっていいじゃないの」
-桂-
「葛ちゃんはね。でも、サクヤさんはもっと年相応に落ち着いてもいいと思う」
-ユメイ-
「そんなことになったら大変よ」
-桂-
「大変って……」
 そりゃあ落ち着いたサクヤさんなんて想像つかないけれど、大変は言い過ぎなんじゃ?


「精神など肉体のおもちゃにすぎない」byニーチェ。


◇ユメイさんはお留守番

-葛-
「おねーさんたちは、昨日もこちらに?」
-桂-
「うん。わたしとサクヤさんと、あと烏月さんが一緒だった」
-葛-
「……えっと……どちら様で?」
-桂-
「千羽烏月って言って、すごい美人さんで、サクヤさんとは仲の悪い人」
-葛-
「千羽……」


葛ちゃんの正体のヒント。「千羽」に反応したということは、千羽党を知っている?ということは鬼切り部の関係者?と繋げること。


◇烏合

-サクヤ-
「はん、鼻息の荒さの割には、ずいぶんとだらしないんだねぇ、今の千羽の鬼切り役は」
「先代の実力はよく知らないんだけど、先々代の足下にも、到底及んでないんじゃないかい」
 どうして知っているのか、サクヤさんは烏月さんの事情についてくわしい模様。
 仲の悪いふたりだけれど、どうやら根になっているのはこの辺らしい。
 そういえばサクヤさん、いくらうちとは古い付き合いだからって、オハシラサマであるユメイさんとも昔から知り合いみたいだし――


サクヤさんは先々代鬼切り役の真弓さんとは、交際相手を紹介したり、家族ぐるみで付き合うほどの仲だったが、先代鬼切り役・千羽明良とは直接的な交流はなかった。真弓さんが当代最強の鬼切りだったことは、サクヤさんは身に染みてわかっているはず。

-桂-
「鬼を……呼び寄せる?」
-烏月-
「奴はあの塊が封じている鬼を目覚めさせ、解放しようとしている」
-桂-
「それはケイくんとは別の鬼?」
-サクヤ-
「別の鬼だよ。そうだろう、オハシラサマ」
-オハシラサマ-
「それは緩やかな死を迎えるために、塊に抱かれ眠らされている鬼。強大な《力》を持っていたが故に、滅しきれずに封じるしかなかった鬼」
-桂-
「そんなに強い……鬼」
-烏月-
「単に鬼というよりは、その霊格からして鬼神と言うべきだろうね。或いは悪しき神、まつろわぬ神と――」
「この経観塚の言い伝えでは、単に主と呼ばれているようだがね」


山神として隠居しているのに飽いた主は、照日の神への反逆への第一歩として、贄の血を引く姫を生け贄に要求した。手がつけられなくなることを恐れた観月の民は連合軍を結成し、役行者小角や一言主の力添えもあって、辛くも主を伏することができた。しかし、凝り固まった主の魂は、小角の力を以てしても滅することが出来ず、姫さまを人柱にして塊の木に封じ、少しずつ還すほかなかった。
 詳しくはサクヤルート◇千年の記憶Ⅰ~Ⅳを参照のこと。

-烏月-
「それに――奴が鬼である他にも、私には奴を切らねばならない理由がある」
「奴の存在そのものが、我ら千羽党にとっては他の鬼切部に顔向けできないほどの恥だからね」
-桂-
「あの、それは明良さんという方と――」
 不快の念を露わにした、厳しい瞳にぶつかって、私は謝りながら目をそらした。
-烏月-
「いや――そのことに関しては、そちらの方にも色々と言いたいことがあるんだがね」
-桂-
「サクヤさんに?」
-サクヤ-
「はん、その件に関してはお互い平行線ってことで話がついているだろう?」
「それにこの子の前で、そんな関係ない話を持ち出すんじゃないよ、まったく……」
-烏月-
「そう、でしたね」


人に仇なす鬼を切る鬼切り部の当主が、切るはずだった鬼を匿って、門外不出のはずの千羽妙見流を伝授し、その鬼が人を喰らって今なお逃げつづけているとなれば、他の鬼切り部に示しがつかないだろう。烏月さんは私怨を抜きにしても。ケイくんを早急に始末する必要がある。
 「色々と言いたいことがある」とは、「先々代が切るべき鬼と交わるなど酔狂なことをしたから、彼女を尊敬していた兄さんも奴を匿い、その結果…」ということ。烏月さんは同様のことをサクヤルート◇七星を踏む護法のものでも主張している。
サクヤさんと烏月さんの不仲の原因は?

-サクヤ-
「で、あの子――ああ、その鬼とやらは一体どうしたんだい?」
-烏月-
「逃げられました。さすがにこう暗くては人の身には分が悪い」
「それで、むやみに追い回すよりは、桂さんを張っていた方が良いのではないかと思いましてね」
-桂-
「それはわたしが贄の血を持ち主だから?人以外の……鬼がわたしを狙ってくるから?」
-烏月-
「あなたは、どこまで知って――」
 烏月さんはサクヤさんとユメイさん方を横目で見て、言葉を飲み込み頷いた。
-サクヤ-
「なるほどねぇ。あの子が出てくるとしたら、桂を狙ってのことだとヤマを張ったわけだ」
-烏月-
「そういうことです」


「あの子」などと呼ぶからには、サクヤさんとケイくんは知り合いで、それも結構な仲であることがわかる。わざわざ「あの子」から「その鬼」と言い直したのは、桂ちゃんが「サクヤさんとケイくんって旧知の仲? ひょっとすると……」と万が一にも白花ちゃんのことを思い出さないよう配慮してのこと。

-サクヤ-
「……なあ、烏月。色々あるだろう因縁は水に流して、この土地の問題はあたしとユメイに任せてくれないかい?」
-烏月-
「それは、あの鬼のことも含めてですか?」
-サクヤ-
「あの子のことも諸々込みでだよ」
-烏月-
「では、交渉するまでもありません」
「あなたさえいなければ、こんな面倒な事態におちいらなかっただろうというのに、何を今更」
-サクヤ-
「それを言うなら、あたしだってあんたら鬼切部が余計なことをしなきゃ――」
「――って、あんたみたいな小娘に言うことじゃなかったね。悪い、大人気なかったよ」
-烏月-
「いえ……」


烏月さんの言う「面倒な事態」とは、ケイくんの存在そのものが千羽党の恥を晒している現状のこと。
「鬼切部」のした「余計なこと」とは、六十年前の千羽党による観月の村襲撃のこと。そもそもあんたら鬼切り部が仲間を皆殺しにしなかったら、あたしはあの村でのうのうと人生を終えていて、最初から何もしやしなかったんだよ。
サクヤさんと烏月さんの不仲の原因は?


◇赤い空白

-サクヤ-
「桂、もうおよし。もう思い出そうとなんてするんじゃないよ。今のあんたはすごく不安定だ」
-桂-
「でも……わたっ、わたし……やだ……」
-サクヤ-
「わかるよ。あんたはまだその歳だし、母親べったりだったんだし」
「いい年した大人だって、身内を亡くしてひとりになるのは堪えるもんだからねぇ……」
「あんたみたいなのは根性締めてる間は強いけど、緩むとどうしようも無くなるからね」
「はぁ……まったく、呆れるほど長生きしてるっていうのに、察してやれなくて悪かったよ」


サクヤさんの正体のヒント。サクヤさんが外見通りの二重代後半だったら、「呆れるほど長生きしてる」は言いすぎだろう(「あんたより一回り長く生きているのに」「人生の先輩なのに」)。サクヤさんは見た目以上に年を喰っている、人生の酸いを少なからず経験しているということ。サクヤさんはじっさいに、千羽党に仲間を皆殺しにされて「身内を亡くしてひとりにな」ることを経験している。


◇ポルターガイスト


◇とりこのあさ

-葛-
「たはは、ちょっとばかり目の毒ですよねぇ」
-サクヤ-
「そうかい?子供の口の周りについたご飯粒を、母親が取り除いたついでに、自分の口に入れちまうような感じだろう」
-葛-
「わたしはそんなことされた経験ないですから、よくわかりませんけど、やっぱり少々違う趣なのではないでしょーか?」


葛ちゃんの正体のヒント。ホームドラマのようなありふれた光景を「そんなこと」と言う葛ちゃん、幼少のみぎりから冷え切った食卓を囲んでいたのだろう。


◇カゴノナカ

-桂-
「サクヤさんは(葛のこと)心配? ちゃんといろんなこと話して、あまり出歩かないようにしてもらった方が良かったかな?」
「烏月さんが帰ってきたときに驚かないように、ひとり増えたことだけは言っておいたんだけど」
-サクヤ-
「それでか……」
-桂-
「?」


このルートでも、サクヤさんは葛ちゃんの正体に気付いていたらしい。


ED16 ラクヨウ

-ノゾミ-
「ふふっ、今日は大収穫。これなら主さまを起こしてさしあげられるわ」
「鏡持ちの傀儡として使っているこの子も、贄の血には及ばないけれど濃い血をしてるわ」


葛ちゃんはただの子供ではなく、羽藤家のような特殊な血を引く家の出だということ。


◇蔵にしまわれていたもの


◇パンドラⅠ


◇パンドラⅡ

-けい-
「ここ、子供が来たら駄目だって……勝手に入ったらばちが当たるって……」
-ノゾミ-
「そう。私たちには近寄れなかった場所」
-ミカゲ-
「これ以上は近づけない場所」
-ノゾミ-
「忌々しいハシラの封じがあるから――どれほど経ったのかは知らないけれど、まだ健在だったのね」


以前ご神木に近寄ろうとしたのは、主が役行者小角らに封じられた後のこと。霊体では結界を越えられなかったので、ミカゲちゃんの入れ知恵で経観塚の住人を操り、ご神木を傷付けた。


◇パンドラⅢ


◇ゆめうつつ


◇回帰

-ケイ-
「明日になれば、大人しく切られてやると言っているのに、邪魔をして!」
-烏月-
「端から握り潰すつもりなら、どんな約束でもできるものだよ。そんな空約束が信じられるはずあるまい」
-ケイ-
「このわからずや! 明良さんはそんなに疑り深くなかったぞ!」
-烏月-
「そう、だからこその今がある」


兄さんはお前のことを信じて、役目に背く大罪と知りながら匿ったというのに、お前は結局兄さんの信頼を裏切って人を喰らっただろう、ということ。


◇パノプテース
 ギリシア語で「全てを見るもの」という意味らしい。

-ノゾミ-
「だって私、鬼に成ったことにはひとかけの悔いもないんですもの」
「人のまま死んでいたことを考えれば、この終わりは十分にまし――」
「だから主さまに鬼にしてもらったの」
「だから、私を鬼にしてくれた主さまを助けて差し上げられなかったことが、悔しくて悔しくて仕方がないのよ」


座敷牢で一人寂しく朽ちていくことに比べれば、鬼に身を落としても誰かのために行動できたことは、十分に「まし」だったのだろう。


◇始末のこと

 その柚明お姉ちゃんをじっと見ているケイくんを、ちらりと横目で見る。(略)
 鬼らしくないけど鬼で、烏月さんにとっては目の敵で、だけど私を気遣ってくれる風で、サクヤさんが命がけで助けたりして――
 この人は、一体何者なんだろう。


ちいとも鬼らしくないのは、元は人間で、それも人一倍心の優しい子だから。烏月さんにとっては敬愛する兄をそそのかした仇敵。桂ちゃんを気遣ってくれるのは血を分けた妹だから。サクヤさんにとっては初めて慕った人間の子孫であり、恩人の孫であり、親友の息子であり、ようするに大切な家族だ。


◇螢の多く


◇浄瑠璃F
 FはFalseもしくはFaultの頭文字。


◇闇を越えて差す光

 ふと、覗き込んだ(ケイの)目の片方が強い光を宿した。
 鬼の瞳の赤ではなく、蒼みを帯びた光を放つ右の眼。そうだ、あの夢の中でこんな風に目を光らせていたのは確か――


――お母さんだった。


◇浄瑠璃T
 TはTruthもしくはTrueの頭文字。


◇覚醒

 楽器の調律を確かめるように、てのひらを開閉させながら身を起こす彼からは、柚明お姉ちゃんやケイくんに感じた懐かしさのようなものがない。
 むしろ彼は、ミカゲちゃんに感じたものに近い気配を漂わせていて――


ミカゲちゃんの正体のヒント。「ノゾミちゃんやミカゲちゃんに感じたものに~~」ではないのがミソだ。そろそろノゾミちゃんとミカゲちゃんが同種の鬼ではないことを確信できるはず。


◇赤い絆


◇代わりの柱

-ケイ-
「ゆーねぇの社会復帰の方が大変だろうけど、頑張って」
-柚明-
「その辺はサクヤさんに上手い方法を習うわ」
-ケイ-
「そうか、なら安心だね」


思わずニヤリとするシーンの一つ。柚明さんはご両親が鬼に殺されて、贄の血や鬼について説明されたときに流れでカミングアウトされたのでは。白花ちゃんは明良さんに聞いたか、鬼切り部や鬼について調べているうちに知ったのだろう。

全ルート共通部
千羽烏月ルート
若杉葛ルート
浅間サクヤルート
ユメイルート

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