2008年03月14日

Succubus Quest サキュバスクエスト短編 - 老司書の短い夢 レビュー・感想

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王立図書館の老司書、アイゼクト
彼の元に近頃届くは、夢の魔物についての書物
夢想事に興味は無しとはねつけるも、
まどろみの中に夢魔の誘惑を受ける

襲い来る快楽の誘惑、崩れ行く現実
彼は夢から逃れ、元の世界で目覚められるのか
それとも………

(公式サイトより)


 ちょっと前まで『サキュバスクエスト短編 - 老司書の短い夢』という18禁のフリゲをやっていた。「えっ何これ、このクオリティでフリーゲームなの?」という良作だったので微力ながら支援してみんとす。
 ジャンルは「SEX BATTLE RPG」で……あ、今「バカゲー?」って思ったでしょ。戦闘時のメッセージだけ追うと本当にバカゲーにしか見えないんだけどね。ちなみに戦闘コマンドは「キッス」「ヴァッジ」「ヒップ」「バスト」「服を脱がせる」「服を脱ぐ」などなど……。

サロメはアイゼクトのペニスを口でくわえ、
激しくしゃぶりはじめた!
アイゼクトは435の快感を受けた!

サロメはアイゼクトと
ロマンチックなキスを交わした!
アイゼクトは221の快感を受けた!
アイゼクトはいきそうになってきた…!

アイゼクトはいきそうになっている…!
「とどめ…ほしい?」

アイゼクトはサロメの
胸を激しく揉みしだいた!
ラグジャラスヒット!
サロメに724の快感を与えた!
サロメは絶頂に達した!

(バトルメッセージを一部抜粋)


 う~ん、これだけ見ると本当に『ボディコンクエスト』系のエロバカゲーにしか見えない……。ちなみに"ラグジャラスヒット"は『ドラクエ』で言うところの会心の一撃ね。体力はHPではなくEP(エクスタシーポイント)で表される。さまざまな愛撫で夢魔のEPを0にしてイカせると戦闘終了。逆に夢魔の愛撫でアイゼクトのEPが0になるとイカされてしまい、精気を奪われてしまう。5ターンの間夢魔に一方的に愛撫され、RP(リアリティポイント)が削られていく。RPがゼロになると夢に取り込まれてしまいゲームオーバー。物語の舞台は、夢魔エストによって創られたアイゼクトの淫夢なのね。
 戦闘バランスはかなり大味で、難易度がところどころ崩壊しておる。ふつうのRPGの感覚でレベル上げしていたら鏡の国あたりで絶対に詰まる。夢魔の特技もバランスクラッシャーものが多々。ドライアド三体にトゥレイルートでがんじがらめにされて為す術もなく脱がされてセンシブパウダー手コキプレイされたり、ウサギさん一匹相手に呑気してたらやにわにインビテーションされてボコボコにされたり。まぁなんというか、クソ通のワロスレビューなら「セックスを利用した戦闘システムは今ひとつ練り込み不足。」とか書かれそうな塩梅だね。サキュクエ短編は純粋なRPGとして見たら粗が目立ちすぎるし、戦闘システムも人によっては”お間抜け”なんだけど(ニコニコ動画なら絶対”突っ込みどころ満載”タグが付けられるであろう……)、いわゆる一つの「クオリティが高い」「雰囲気がいい」というやつで、誰まごうことなき傑作に仕上がっている。

夢魔のかわいさが反則的
 なんのかんのでこれがサキュクエ短編最大の売りじゃないかな。敵の夢魔のかわいさがとにかくハンパないのよ。キャラデザは言うに及ばず(前作の流用のやつが一部残念なんだけど)、塗りのレベルが完全にフリーゲームのそれじゃない。まぁ何が言いたいのかというと、サロメの尻とヴァンパイアの足とドライアドのおっぱいが最高だというこった。
 前述した通り、夢魔の戦闘力が一部クレイジーで、不条理な死を迎えることがそらもう何回もあるわけだけど、むしろ夢魔にいいようにイカされるのだんだんクセになってくるという罠……。「だぁ~またダッキちゃんのパイズリでイカされちまったよ~wあ~もうしょうがねぇなぁ~w」ってな感じで。夢魔の誘惑に抗うアイゼクトじいちゃんとプレイヤーの心情がひとときの一致を見るわけよ。いい演出だね(?)。

戦闘曲が痺れる(これ本当にバトルファックRPGの音なの?)
 通常ボス戦の「妨害者」、エスト戦の「水底の誘惑者」と傑作ぞろいだけど(……これ本当にフリーゲームの音なの?)、やっぱ白眉は通常戦闘曲の「ハーレムの一夜(A Night in Harem)」かね。ハープシコードとシタールとパーカッションがキテるね~。思わずIpodに入れてしまった。0:42や1:12の「ポゥン」と1:39,1:50の「バチコーン!」が大好き。この曲のでらめっぽうな格好良さがなかったらもうちょっと作品全体の評価も低かったかも。

テキストがいい

アイゼクト
「分かってるんだ。
これは夢。
「ここには何もない。
目が覚めればもう。

サフィ
「分かってないわ。
これは夢。
「ここには全てがある。
あなたは逃げられない。

アイゼクト
「僕は逃げられない。

サフィ
「もう遅い。

アイゼクト
「もう遅い。
僕も、もう…


「(淫)夢の中」を体感させるシステム
 システムは練り込み不足と書いたけど、それはあくまでダンジョンRPGのシステムとしての見地からであって、「夢の中」という世界観を反映したものとしては褒め言葉が見つからないほど素晴らしい。以下べた褒めする。
RP(リアリティポイント)
 サキュバスクエスト短編は乱暴に分類すれば「自動生成ダンジョンRPG」なんだけど、RPは不思議のダンジョンで言うところの「満腹度」のような概念だ。最大値は100で、0になると夢に取り込まれてゲームオーバー……ってもう書いたか。夢魔にイカされたとき以外にも、ただダンジョンを歩いているだけで徐々に減少していく。このダンジョン探索時の減少速度がなかなか馬鹿にできない速さでな。もたくさしていると、あれよあれよと言う間にRPが削られてしまう。調子こいてWISHを使って、ボスに辿りつく前に0になるとかありすぎて困る。あのRPが残り少ないのに、次の階層への扉がさっぱり見つからないときの不安・寂寥感は、大事なものが(財布とか鍵とか)が見つからなかったり、目的地が見えているのにいくら歩いても辿り着けない悪夢(私たまに見るんだよね)の感覚を表しているようで気が利いている。まぁアイゼクトじじい本人はふてぶてしいお方なんだけどね(笑)。
 ちなみにRPは一度減ったきり基本回復できないので、なおのことプレイヤーを不安にからせる。いちおう回復アイテムに「本の一ページ」があるんだけど、回復量は微々たるもの(3%だっけ)で出現率低し。夢にじわじわ飲み込まれていくという焦燥感がよく表現できていると思う。
Wish
 「呪文」「特技」の上位概念。サキュクエ短編にはMPに相当する概念がなく、RPを削って繰り出す。物語の舞台はアイゼクトの夢の中なので、彼が心に強く思い描いたことは実現するわけだ。その代償として、夢の世界に没入して自我が薄れてしまうのを、RPの減少で表しているわけだ。これも「夢の中」を表現した秀逸なシステムだと思う。中でも洒落ているのがこれ↓。
『夢と一つに』
 より深く夢に溶け込んで、10ターンの間全ステータスを大幅に上昇させる、ゼクトじじいの最終奥義。ニトロ技らしく18ものRPを消費する、諸刃の剣の必殺技である。その分効果は絶大で、夢魔に与える快感は条件次第で3倍にも4倍にも跳ね上がる。これで「あまねき愛を」を併用して夢魔の群れを一掃したときや、レベルが数段上の強敵をやり込めたときの痛快さ・爽快感は言葉にならない。しかし、レベルを上げてもRPの最大値は上がらないので、この技は実質一回の冒険で2~3回しか使えない。力の快感に溺れて軽々しく使っていれば、待っているのは逃れられない死だ。夢の世界に熔け込み、溺れ、思ううまま力を振るう快感とその危うさ、代償として失われるリアリティ、と。こういったキャラクターの状態・心情とプレイヤーをリンクさせて、虚構世界の生の感触を感じさせる演出は大好きだよ。
 ちなみにどれぐらいチートされるかというと、さっきエスト先生相手に試してみたら、通常のバスト愛撫で310の快感だったのが、溶け込んだ後は1330だった。うはっすげぇ。
 この技は夢魔も使ってくるんだけど(マジ鬼畜……)その場合は『夢ひとつに』になっている。神は細部に宿るというけど、サキュクエのこういう細かい部分の拘りはいいね。"パートナーを呼ぶ"は『一人じゃない』、"敵全体を攻撃する"は『あまねき愛を』。ちょっと真似できないセンスだよなぁ。
 以下ネタバレが続く。

アイゼクトは『夢よ覚めろ』と願えるようになった!
アイゼクトは『夢よ覚めるな』と願えるようになった!

・アイゼクトは『夢よ覚めろ』と願った!
・アイゼクトは『夢よ覚めるな』と願った!


 ここの演出は利いた。Wishのテンプレに当てはまっているだけに。

これ以上何も願えない…


 ……。


最高の恋人とは? 究極の淫夢とは?
 ストーリーはドラクエⅦのような一話完結の短編の寄せ集めだ。一つ一つの話は短くブツ切れで、本筋に絡まないものも多い。まぁ前作やってないから分からない部分もあるんだろうけど。好意的に解釈すれば、この散漫さが「夢」の脈絡の無さ、不条理さを表現しているのかと。けれども、オチとエンディングだけは最高に決まっているのよ。短くて荒唐無稽なストーリーの中に伏線がバッチシ利いている。まさか鏡の国で落としたリボンががあんな意味だとはねぇ……。二周目で黒い御方と体面したときは鳥肌立ったわ。ネタバレになるので詳しくは書けないが、こういうオチの映画じっさいにありそうだもの。エンディングも不必要に説明口調にならず、各々解釈できる余地を残している突き放し感が実にいい。やはりというか何というか、攻略掲示板のED考察スレも賑わっておった。どうでもいいけど、けっこう自信作のリトルバスターズ!考察・解説Ⅱは、サキュクエ短編のオチをヒントにひねり出したものだったりする。
 サキュクエ短編はマルチエンディング仕様。一周目で真エンドの条件を満たすのはまぁ厳しいわな。二周三周して力を蓄えて、衝撃の真エンドをごろうじろ。

その他:
・鏡の国はもうちょっとはっちゃけてもよかったんじゃ。LSDやゆめにっきレベルだと世界観に合わないけど、ダークサイドぐらいならいいんじゃね。
・黒猫セーブのペナルティがいくら何でもキツすぎてストレスたまりっぱなし。オドロが全階層徘徊してるようなもんだよ。
・経験値に上限があるシステムはいただけない。数段レベルが上の敵をやり込めたときの達成感が薄くなってしまう。
・夜の絵本の解説が凝っててグー。

総評
 最近のフリーゲームはすげぇなぁ……。同人離れしたセンスを感じる、瀟洒なセックスバトルRPG。個人的には「寄生ジョーカー」や「洞窟物語」みたいなフリーゲームの傑作群と比べても遜色ないと思う。ただ、戦闘システムが人によってはあれなのと、ストーリーやゲームバランスよりは空気を楽しむ作品なので、人を選ぶのはたしか。
 最新作SQDT-夢と魔物とお伽の騎士団lをワクテカして待つ。
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