2006年05月05日

たまには雑記でも

 偉大なる賢人にしてごくつぶしの我が姉がPS2を独占中…。Ever17ができないっす。入社一年目、へとへとにへばりきってようやくの連休、癒しをゲーム(テニスの王子様の何かだったかな。姉は少年ジャンプが大好きである)に求めているであろう姉に強く出ることは出来ず…。まぁ、まだ続きが気になるところまで進んでいなかったでよし。

 さてさて。今回はいつものヘッポコ記事以上にくうだらない与太話である。どうか皆さん、哀れんでやる必要などない、盛大に笑いとばしてやってほしいのである。人が過去の醜態に対処する方法は大別して3つあるように思う。一つ目は(意識的であれ無意識であれ)記憶の中から抹殺すること。二つ目は悔やんで悔やんで悔やみ通し、惨めな思いに浸りながらも己の糧とすること。そして三つ目は、心の中で腐り毒をにじみ出す前に、「いや~、俺さ、実はこんな馬鹿なことやっちまってよォ~…」「ハハハハハ…」と酒の席の笑い話風にねじ曲げて対処(ある意味”美化”)すること。成長という言葉を知らないあほんだらは往々にして3を取る。


 学校からの帰り道、山手線の車内。私は読み差しだったハードカバー(ネルソン・デミルの「プラムアイランド」)を読みあげ、ふぅと溜息をついた。やはりデミルのユーモアは最高である。手持ちぶさたで辺りを見回していると(読むべき本がないと途端落ち着きを無くすのは私の悪癖である)、ドアの上のきらびやかな液晶に「Next Station:Akihabara」と映っているのが目に入った。…通学路に秋葉があることなぞこのときまでまるで意識していなかった。緩まる電車のスピード、立ち上がる乗客たち。あまりのタイミングのよさに、私は誘われるようにふらふらと席を立った。そのまま人混みにながされながら電車を下りた。そういえば秋葉には5~6歳の時に親にくっついて行って以来である。これから先何度も通りがかるのだ、偵察がてらぶらぶらするのもいいかもしれない。
 私は当てもなく駅前を歩くと、何の気無しに古びれた個人経営のエロゲショップへと足を踏み入れた。幸い給料日のすぐ後だったので、資金は潤沢にある。体験版をやって以来惹かれていた「Fate/Stay Night」でも探してみることにしよう。
 独特の据えた匂いを鼻いっぱいに吸いながら、中古のエリアをぼんやりと眺める。すぐに見つかった。「Fate」の目にもまぶしい白い箱は6~7個平積みしてあった。一番上を手に取りためつすがめつする。「おりょ!?」驚くなかれ、それには「\ 2880」のラベルが貼ってあった。その下の「中箱破損」に至っては「\ 1880」である。…これほど安いとは思いもしなかった。在庫が余っていて値崩れしたのだろうか?大放出のワゴンセール?そうかそうか、大手も最近は苦しいのだなと一人頷く。10000円札を切り崩す覚悟をしていた私は、心地よい肩すかしを感じながら、一箱を手にとってレジへと向かった。
 私は軽く鼻歌でも歌いながら、これぞエロゲショップ店員の理想と言ったところのふくよかなお兄さんにパッケージを渡した。
「こちら動作環境の~~」店員は何やら言っている。
「あ、はい、大丈夫です」私は1000円札を3枚取り出しながら、上の空で答えた。

「…え~、お会計一万2880円になります~」

「…………。
………!!??ほ、ホァァァァァッ!!??に、2880円でなくて!!??」私は叫んだ。
「え、ええ…。こちらに”1”2880と…」店員は狂犬病の野良犬を見るような目つきで言った。
 定員が指し示したそこ、バーコードの上の\の横には、記号にかすんで読みづらとはいえ誰まごうことなき"1"が刻まれていた。
 偉大なる先人たちが言っているように、うまい話にはすべからく落とし穴がある、というわけだ。いや、この場合、おなじみ黄色の基調で「工事中注意!!」とでかでか書いてある看板が立っているにも関わらず、水道工事の現場に勝手につっこんで落下、それで「落とし穴を掘ったのは誰だ!!」とわめいているようなものだ。有り体に言えば、私がアホだったのである。ちょっとでも考えを巡らせれば、今日日2880円では中古のアドバンスソフトも買えないことに気づけたはずだ。一度思いこんだら臨機応変な考えが出来ず、あろう事か「きっと~~なんだろうな~」と自己補完まで始めるのも私の悪癖である。
「…お取りやめになりますか??」店員は言った。そのさげずんだ瞳は「チッ、これだからエロゲ童貞の厨坊は…」という非難が読み取れた。…一応付け加えておけば、私は一度として実年齢の3歳下にさえ見られたことがない極度の童顔野郎である。初めて買ったエロゲは「アトラク=ナクア」の廉価版だったか。いやはや懐かしや。
「い、いえ、大丈夫です…」私はそう絞り出すのがやっとだった。幸か不幸か、財布は4枚の一万円札で暖められていた。予想外の出費だが、これも授業料だ。既に十分すぎるほどの痴態をさらしているのに、ここで撤回するのは間抜けの極みもいいところのではないだろうか(思えば、この中途半端な羞恥心も私のマイナス点の一つである)。
 そのまま無理繰り押しつける(というのは失礼か)事も出来たであろうに、驚くなかれ、その店員は満面の笑みを浮かべると、急に気さくな空気を漂わせはじめ、
「あ、いえいえ、無理をなさらずに…」と言った。
 そのお兄ちゃんは急に馴れ馴れした口調に変わった。ママに内緒でひみつの買い物に来た哀れな厨学生くんに対して憐憫の念でも湧いてきたのだろう。あるいはあまりに客が来なかったので(私以外に人影は無し)単なる暇つぶしだったのやもしれない。お兄ちゃんは至極丁寧な論説をぶってくれた。曰く、最初は誰だって面食らう云々、Typemoonの作品はほとんどが云々。私はそっすか、そっすね、と適当に相づちを打っていた。オーバーヒートした脳みそはそれを情報として処理してくれないようで、ほとんどアブラカタブラの呪文のように響いた。まぁ、私が知っておくべきことだというのは、もう少し手頃なDVD版がある、ということだ。
 CDとDVDの区別もつかぬ私は、そのDVD版(\5780)でお茶を濁すことにした。何せアカイイトリトグラフの予約もしてあるのだ、月初めに一本のソフトで10000円を失うのはいくら何でも痛すぎた。心底助かった。未だ笑顔を浮かべながらパッケージを袋に詰めるお兄ちゃんは、「素晴らしき哉、人生!!」のふとっちょ天使のように見えた。
 店を出がけに、同人ゲームの棚にある「月姫(\7800)」がふと目に入った。すこぶる気分のよかった私は、気のいいお兄ちゃんを立ててこれも購入することにした。プレミアがついているとは小耳に挟んでいたが、これぐらいが相場なのだろうか?まぁ、あのような痴態をさらした後ではどうでもよい話である。なにはともあれ、当分はアドベンチャーゲーム分に困るまい。型月厨になったかどうかは追ってご報告致いたそう。


 いやはや、このような戯言に最後まで付き合っていただき、誠に有難うございました。筆力を保つためにも、二~三ヶ月に一度これぐらいの長さの文章を書いておかにゃあ。


追記:12800円もしたFateはおそらく初回限定版だとのこと。この前見かけたものは18000円を超えていたっけな…。
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