2010年03月27日

素晴らしき日々~不連続存在~ レビュー・感想 いいかげん

素晴らしき日々 体験版の感想
素晴らしき日々 いいかげんな攻略
素晴らしき日々 いいかげんなレビュー
素晴らしき日々 正史考察・解説
素晴らしき日々 高島ざくろのビックハザードが来ます!

微妙にネタバレなんですわ~。眠い頭で書いているんで支離滅裂なんですわ~。
 思っていたよりずっとよかった。ホロリとさせられた。すかぢは本当に、魅力的な人間と、いい意味で普通のシナリオが書けるようになったな。百合ゲーとしてもまずまず悪くないと思う。ただし体験版部分、てめーはだめだ。あれは誰が夢見た光景なんだろうか? まぁ結果的に釣られて正解だったんだけどさ。
 キャッチーな一章は非常によい。『ひぐらしのなく頃に』の出題編くらいの勢いはあったんじゃないの。『終ノ空』をほぼ踏襲した展開だが、インターネットやメール、学校裏掲示板、web bot project、集合的無意識などのガジェットを使って、うまく現代的にアレンジしている。卓司がいんちき救世主に成り上がっていくからくりは、冷静に考えればすぐにわかるが、盛り上げ上手なのであまり気にならない。
 しかし二章に入ってからが辛かった。二章はある人物についての真相が明らかにならない、歯の間に小骨が挟まったようなエンドで、三章は救いのかけらもないいじめ→ザ・レイプ→スパイラルマタイエンド。のちのち考えてみた結果、この二つを先に見てよかったことが判明したのだが。凄惨な描写が長らく続いたせいで、気が弱くて陵辱ゲーが苦手な私はすっかりモチベーションが下がってしまった。そんな奴が電波ゲーやってんじゃねぇよって話だが。二章と三章がひたすら苦痛だったところに、四章の冒頭で私が大嫌いなトリックが使われていることが判明したのがとどめだった。あれはお手軽かつ強引に読者に衝撃を与えられる甘ったれた技法で、今までの物語や登場人物を否定するから大嫌いなんだ。
>第一印象は“『らきすた』の百合エロ同人”だった。風貌はCLANNADの藤林姉妹との合いの子だけど。司(つかさ)と鏡(かがみ)って狙ってるのか。
 体験版の感想でこんなこと書いていたんだが、ほとんどこの通りだったという。
>羽が咲く…少女……天使か何かかな?
>なんかそういうアニメあったなぁ……あれゲームだっけ?
>この空のどこかには羽根が生えた少女が一人でいる……んで……。
>あんまりアニメとか詳しくないから分からないや……。
>詳しくないというわりには細かい設定まで知っとるね。
 自分なかなか鋭いやん。ぶっちゃけ、今どき統合失調症とか解離性同一性障害とか多重人格とか叙述トリックとかどんでん返しとかまじっすか。こんなもん『カリガリ博士』以降『マルホランド・ドライブ』やら『シャッターアイランド』やら『さよならを教えて』やら『水夏』やら『CARNIVAL』やらでさんざん使い回されたネタで、もはや目新しさのかけらもないじゃないっすか。ちょっと待てよ、ということは体験版のあれはそういうことなのか!? クソッたれ(自分が悪い)とここで一旦この作品に対する評価は最低まで下がったのだった。しかし、四章、五章と読み進めて、また三章や二章の分岐を埋めていくうちに、事件の裏に登場人物のさまざまな行動、さまざまな思いがあることがわかって、加速度的に評価が上がっていった。例のトリックも存外練り込まれた設定で、くそっ一本取られたと思えるシーンも少なくなかったので、あんまり目くじらは立てないことにした。すかぢは本当に人間を書けるようになったな。私はいわゆる三大電波ゲーム(『さよならを教えて』『終ノ空』『ジサツのための101の方法』)はそこまで評価していないんだが、この中では『終ノ空』が一番気に入っていた。あの作品は、いくら不条理や不合理や超展開があろうとも、芯の部分に人間がいたからだ。周囲が狂気に犯されていても決して揺るがない、行人と琴美の強い絆がよかったんだ。幼馴染みが主人公に背負われながら、幼い頃の思い出を語り、主人公は私が泣いているときはいつでも来てくれた……と述懐するという、拙いながらもこれ以上ないクサさが良かったんだ(だからあれを茶化すようなカットには一瞬ピキッときたのだが)。巧みに描かれた集団心理の恐ろしさや、哲学・文学その他の蘊蓄衒学趣味、クトゥルフの要素、電波、超展開、スパイラルマタイなどのネタ要素などと比べてもなお、あの実直な日常賛美の構図は光っていた。私は過去の偉人や哲学者のご高説よりずっと、あの神話的、原型的とまでいっていいお約束の構図に説得力を感じた。私のように感じた人間にとっては『素晴らしき日々』は『終ノ空』の正統な進化系になるんだと思う。あのクサさを倍増しにした感じだ。本当にクサい。
 ほんと、ルートの選び方によって心証が変わるゲームだな。特に三章、スパイラルマタイルートに最初に進んだ人と素晴らしき日常に進んだ人では印象がまるっきり違う。
 声優名をエンディングまで非公開にして、司と鏡と羽咲の声を同じ声優さんに声質を変えて演じさせても面白かったんじゃないかな。声優さんが死ぬか。
 ある事件をさまざまな人物の視点から読み解いていく作品なので、必然的に何度も同じ場面が繰り返されるのだが、読者の理解度に応じてまるっきり違った光景に見える演出は素晴らしいと思った。屋上での皆守と卓司の決闘は、二章で見たときと最終章で見たときは感慨がまるで違うよな。だが、既読済みのコピペ文章を二度三度と読まされるのがしんどいところもかなりあった。ところどころピックアップするとかもう一工夫ほしかったかな。
 二章の狂気の描写が、目新しくないわりにくどいのでだるかった。あそこは容量の三分の一くらいカットしてもよかったよ。脈絡のない言葉が画面を埋めつくす演出も、壊れたレコードのように同じ言葉を呟く演出も、平仮名を片仮名に変えるのも、校舎が異形の者で埋めつくされているCGも、二回も三回も見せるもんじゃない。そうでなくともこっちは『終ノ空』で体験済みなんだから。清川女史がちょっぱった自転車のサドルで放尿したあたりで強烈な睡魔に襲われたぞ。二章は読み返してみて驚くほど伏線が張られていることに気付いたが、その分を加味しても冗長だと思う。
 すかぢの衒学趣味は安定しておもしろいな~。文学や哲学、戯曲、アニメみたいなサブカルチャーから星座、合気道まで何でもござれだ。織姫と彦星はニートになったせいで引き裂かれたっつう話は覚えておこう。『シラノ・ド・ベルジュラック』の引用は効果的だったな、ちょっと読んでみたくなった。
 『終ノ空』で体験済みだったが、スパイラルマタイのメンバー勧誘はうまかったな。まあ宇佐見たちも意識してやったんじゃあないだろうけど。誰にも当てはまるような抽象的なことを尋ねて、あたかも人の心を読んだかのように振る舞うのは、占い師なんかも使うテクニックらしい。「あなたは今、なにかに苦しんでいますね?」「何か辛いことがあったんでしょう」「何か変わった物が見えたんじゃないですか?」「何か変化がありませんでしたか?」これもうまい。「ざくろさんは何度か考えなかった? 世界が滅んでしまえばいいとか、自分自身が消えてしまえば良いとか……」SNSのいじめコミュニティーに相談するほど深刻な悩みを抱えている人は、一度や二度はこんなことを考えたことがあるだろう。
 百合ゲーとしていいところは、主人公と相手の両方に行動原理がしっかりあるところだな。単純だが大事なことだと思う。エロシーンが10年くらい前のノリなのはこの際目をつぶる。全部が全部「ハァハァ、私もう我慢できない、○○ごめんね、親友or幼馴染みがこんな変態でごめんね……アンッアンッ」というワンパンだったのは気のせいか。なんか倦怠期のカップルとかこんなプレイしてそう。
 クトゥルフってググってもよくわかんないんだよな。音無彩名ってそれに関係した名前なのか? 今回も音無ちゃんはいい存在感をしていた。
 音楽いいわ。音にできること、夏の大三角形、夜の向日葵みたいなピアノ曲が特にいい。コンプすれば音楽鑑賞モードが出るんで頑張りましょう。
 『モエかん』を積みっぱなしで『終ノ空』『二重影』のイメージしかなかったから、ケロQ=システムが史上最悪という先入観があったんだが、『素晴らしき日々』は特に問題なかったかな。欲を言えばクイックセーブか、いっそのことシーンジャンプがほしかった。あとはコンフィグ、OK押さなくても反映してほしいな。めんどくさい。そうそう、二重影あたりのイメージでどうせ総当たりの一本道ADVなんだろ、と思っていたら予想を裏切ってくれた。

「私の知っている方で、シナリオと原画とCGと演出用素材から背景まで、自分が出来るからと言う理由で全部やろうとしてしまう方がいますが……」
「正直人間としてどうしようもないですっ」
「なんでも自分でやろうとするから発売が遅れるんです! と私は皆様を代表していいたいです!」
「だいたい収録予定日なんかもどんどん移動しましたし……当日台本受け渡しとかチェックできないんでやめて頂きたいんですよ。正直迷惑なんです……」
「“ふ、ふひ、し、シナリオを書くのが久しぶりなんでいまいち調子が上がらないんですよwwふひwふひひひ”とか変な鼻息で説明されても困ります」
「これはお仕事なのですから、そんな身勝手な都合など知ったことではありませんっっ……まったく」


 体験版だけの悪乗りかと思ったら……(^q^#)。

「あのな、希実香……あれ知ってるか? 四天王」
「あ! 色々ありますよね! お笑い四天王とか! アイドル四天王とか! でないゲーム四て……」
「はうっ」
「神々の怒りをくらいたいのか……お前は」


 おい、キミタチはいつまで同人サークルの気分を引きずっているんかね。ベルギー。ケロQの『サクラの詩』ってこの四天王にはいってるよな。『おまかせ! とらぶる天使』とあと二つがわからん。

解離性同一障害。
その言葉でかたづけるのは簡単だ……でも人の心はもっと複雑だ。
そこに宿る魂はもっと複雑だ。
「ふふふ……少しあの子の面影があるわね……」
「あの子?」
「あ、いや、こっちの話よ……こっちの話……」


 このクサさ、ロマンティックさがケロQだと思うのよ。

「エロゲとかだとさ……実は生き霊で由岐さんは実は生きてましたーとかあるんだけどね……」


 五割はどこかの病院で意識不明だった患者が目を覚まし(Kanon、CLANNAD、みずいろ)、三割は前世の記憶を取りもどした幼稚園児が主人公のところにやってくる(もしらば、とらハ)。

「信じるという問題じゃない。それは確定的に明らかな真実!」


 ブロント?

 本当は、邪気眼とか厨二病とか末期少女病とか言いたいところではあるけど……そりゃ怒られそうだ。

(Down the Rabbit-Hole)


「やれハ○マーブロス! マ○オを倒せ! マ○オを倒せ! マ○オ様の偉業を否定する精神科医をぶっ倒せ! ぶっ壊すんだぁぁあああ!」


 まさかのさよ教ネタ。あれを伏せ字なしでやったクラフトワークは命知らず。

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Re:
そんな理由だったんですかw

彩名は、綾波レイに似てるからとすかぢさんが言ってたんですわぁ……

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