2012年09月16日

(超私的)東方Projectの楽曲ベスト10 リフレイン厨セレクション

 一時の猫も杓子も……といった勢いは無くなったものの、『東方Project』が同人音楽業界で一時代を築いたことはどんなアンチでも認めざるを得ないはずだ。葉鍵の二強時代ですらあれほどの権勢は無かったろう。なぜ東方音楽が業界を席巻したのかと言えば、それは並外れたメロディーの強さ故であり、もっと言えば並外れたフレーズの強さ故であり、さらに言えば並外れたリフレインの強さ故だったと思う。つまりは「えーりん、えーりん、たすけてえーりん」の強さであり、「ねこみこれいむ、愛してる ねこみこれいむ、何してる」の強さであり、「嫌い キライ LOVING あんああんあんああんあん」の強さであり、「ゆーかーりーんりーん ゆーかーりーんゆーかりーん ゆーかーりーんゆーかーりーん ゆーかーりーんりーん」の強さであった。ここまで(執拗に、といっても差し支えがないほど)フレーズのリフレインを前面に押し出してくるゲーム音楽は耳に覚えがない。強烈なフレーズはWin三部作(『紅魔郷』から『永夜抄』まで)の第一次東方ブームを間違いなく牽引していた。弾幕シューティングが持つ魅力の一つに「繰り返し」プレイして相手の弾幕「パターン」を看破し、自分なりの「パターン」を構築していくという「反復」の快感があると思うが、リフを中心にした東方音楽はそのゲーム性にこれ以上ないほど溶け込んでいた。あの陶酔感、寄せては返す波のようなリフレインとシンクロしながらパターンに嵌めて弾幕を解いていく陶酔感は、プレイした人にしかわからないだろう。また、耳コピやアレンジ、MADの素材にする上で、1フレーズを聞いただけで認識される曲がどれだけ強力かは言うまでもない。東方音楽の、音源の良し悪しやアレンジの巧拙に左右されない特性は同人の素材としてうってつけだったのだ。
 長ったらしい前口上おわり。原作は旧作、番外編を除いてナンバリングタイトルはExtraまでクリア済み。プレイ補正とキャラ補正はばりばり掛かっている。ぶっちゃけてしまえばただの「思い入れのある曲ベスト」でしかない。アレンジはあまり聞かない。他にどんな音楽を聞いているかはここを参照のこと。

01 ネクロファンタジア
 問答無用。唯一のPhantasmボス曲にふさわしい、史上最強のフレーズと耳をつんざくようなキンキンのアレンジだ。紫への初挑戦時はボリュームを上げて臨むべし。藍の「少女幻葬」に追加された二つの要素である、冒頭のあざといドラムロールからの華麗臭ただようウインドシンセと、サビ前にふっと入ってくる静謐なピアノパートとが、ドラマチックさと胡散臭さによりいっそう磨きを掛けている。
 ちなみに私は紫最強厨だ。人と妖怪、東洋と西洋、現代と過去、ノスタルジーと文明化、幻想と現実、魔術と科学という東方のアンビバレントな魅力を象徴するキャラだと思う。ZUNは紫=メリー説にケリを付けてくれるのだろうか。

02 広有射怪鳥事 ~ Till When?
 『紅魔郷』をクリアして意気揚々と乗り込んだところを膾切りにされたときのBGMなので、強烈なインパクトを植え付けられた。東方の5面ボス曲と言えば「激しいのにダウナー」と相場が決まっているが、パイプオルガンの荘厳さとエレキギターの物々しさが融合してるんだかしてないんだかよくわからない塩梅が、妖夢のキャラをよく表している。キーが全く違うmidi版も悪くないよ。

03 ハルトマンの妖怪少女
 私は『地霊殿』以降の東方音楽に懐疑的なのだが、この曲は久々のヒットだった。やはり私はリフレイン厨だ。ちょうど幕間の通常弾幕で、サビのリフレイン1回目、カタカタタ……という静かなピアノのフレーズが入ってきたときは訳もわからず涙ぐんでしまった。こいしは「恋の漁り火」「妖怪ポリグラフ」など下手に動かず耐えることを強いられるスペルカードが多いが、段々と激しくなるリフレインが焦燥感を煽ってきて実に燃える。

04 月まで届け、不死の煙
 Extraボス曲の系譜としては「ネクロファンタジア」に次ぐ完成度だと思う。スペルプラクティスでどれだけ聞いたことか。妹紅はパターンを構築するのが楽しい弾幕が多かった。この曲のリフはいいよねぇ、それ単体で起承転結が出来ているから何度繰り返されても飽きがこない。ときに私は打ち込み感あふるるZUNパーカッションが嫌いじゃあない。

05 プラスチックマインド
 この曲だけはプレイ補正がないが(ハードもソフトもないんだもの)、一聴しただけでFM音源の音色とお家芸のリフレインに惹かれてしまった。ぜひともこの曲に浸りながら弾幕を避けたい。そろそろ旧作の復刻版あるいはリメイクが来てくれてもいいんじゃないかな!?

06 亡き王女の為のセプテット
 東方楽曲で名曲と呼ばれるものは、フレーズ重視の曲(このランキングに出てくるような曲)、「神々が恋した幻想郷」に代表されるサウンド・雰囲気重視の曲、「ネイティブェイス」に代表される手数重視曲、「幽雅に咲かせ、墨染の桜」に代表されるドラマチックな展開の曲に大別できると思うが、最後の括りの曲では一番好きだ。それでいて最後にはリフレインが用意されているのが心憎い。最後のピアノソロが通常攻撃4(「チュチュチュチュチュチュチュチュチューン!」「チュ、チュ、チュ、チュ、チュ、チュ、チュ、チューン!」のあれ)の頃に流れるイメージがあるなぁ。

07 懐かしき東方の血 ~ Old World
 『永夜抄』はそれまでのフレーズありきから雰囲気重視路線、サウンド重視路線へシフトする過渡期の作品だと思うが、後者の路線曲では一番好きかもしらん。慧音が歴史を喰らってがらんどうになった人里の寂寥感が伝わってくる。

08 ラクトガール ~ 少女密室
 至高の4面ボス曲だ。物憂げで気怠いリフでパッチェさんの性格を表現しつつ、後半の静かな盛り上がりで強敵感もにじませている。東方音楽の凄いところは、曲調だけで何面の道中曲か、何面のボス曲なのかわかるところだ。ゲーム展開に同期した音作りを心がけているのがよくわかる。これも作曲者=ディレクターであることの強みだね。

09 魔法少女達の百年祭
 『紅魔郷』の音楽はほぼ完ぺきだと思う。
 「明日ハレの日、ケの昨日」が神社の縁日を散策しているイメージなら、この曲はダンスホールでの乱痴気騒ぎといったところだ。サイレントセレナが殺しに掛かってくるタイミングで始まるリフレインが何とも堪えられない。

10 ほおずきみたいに紅い魂
 おもいで補正と言われても仕方ないが、ステージ1の道中曲から一曲選べと言われたら「春の湊に」でも「人恋し神様 ~ Romantic Fall」でもなくこの曲だ。高らかに鳴るZUNペットが物語の始まりを謳い上げる。タイトル画面曲の「赤より紅い夢」からこの曲、中ボスルーミア、そして「妖魔夜行」からルーミア撃破までの流れがすばらしい。ここで綺麗に完結している。『風神録』における「封印されし神々」「人恋し神様 ~ Romantic Fall」「稲田姫様に叱られるから」の流れもしかり。

次点その1 紅楼 ~ Eastern Dream...
 EDロール曲から一つチョイス。「紅より儚い永遠」からの流れが美しい。この曲はバッドエンドでも流れるが、初の東方ノーマルノーコンテニュークリア(咲マリの「ネズミは腐っていません」だったはず)で聞いたときは感無量だった。

次点その2 赤より紅い夢...萃夢想...欲深き霊魂
 自分、タイトル画面曲スノッブなもので。中でも「赤より紅い夢」は無国籍和風伝奇シューティングの幕開けを告げる曲として高く評価している。

 名前だけ出した「春の湊に」「人恋し神様 ~ Romantic Fall」「神々が恋した幻想郷」「幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life」や、「U.N.オーエンは彼女なのか?」「稲田姫様に叱られるから」「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」「おてんば恋娘」「恋色マスタースパーク」「少女綺想曲」などを入れてベスト20や30を目指しても良かったが、コメントが被りそうなのでやめておいた。
 同様のことをやりたい人は、いいかげんなテンプレを用意したのでよかったらどうぞ。
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tags: 東方 

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