2013年05月26日

願いの欠片と白銀の契約者(アグリーメント) 体験版感想

願いの欠片と白銀の契約者

 公式サイトの登場人物紹介文や、制服がアカイあれと似ていることから百合ゲーではないかと噂されていた『願いの欠片と白銀の契約者(アグリーメント)』……タイトルにまでルビを振るとはなかなかのなかなかですね……の体験版をプレイしました。これは百合ゲーと言えるでしょうね。少女同士の関係における愛憎がかなりの尺を使って描写されていますし、同性間のキスやペッティングレベルの肉体交歓も複数回に渡って描写されています。ところで、この体験版はみなさんにもぜひプレイしていただきたいと思っておりまして……。いや、決して作品の出来に感激したのでみなさんと共有したい、とかそんな理由ではなくてですね。うちのサイトでは作品を採点したりABCのランク付けをしたりする形式のレビューは行っておりません(なるだけ主観まみれの『好き』『嫌い』で語るよう心がけております)。しかし、私がこの『願いの欠片』にあえて点を付けるなら、100点満点で10~15点ぐらいでした。みなさんならこの作品に対してどんな所感を持つでしょうか。トータルの評価はどんな程度か、それ以外にも感じ入るところがあったか、気になります。
 さて、公式サイトを見た時点でのまとめ記事で「『世界観とキャラ設定はとってもがんばって作り込みました! 見てくださいこの設定ノートの分量! シナリオは途中で力尽きました(><)』系ゲーの匂いがする」と書いていましたが、おおよそその通りだったので何を書いてよいものやらわかりません。どう考えてもライターさんの筆力が伝奇バトルを描くのに求められる水準に達していません。このライターさんは臨場感のない戦闘描写やぼくのかんがえたすごい世界観を延々説明口調で披露するところも気になりますが、何よりタメの作り方が致命的にへたくそだと思います。
 まずは作品のキャッチコピーである「そして、私の世界は一変する――」についてです。日常から非日常への転落というのは伝奇作品における永遠不滅のテーマですね。しかし、『願いの欠片(略)』の主人公は日常の描写がえらく薄っぺらく、普段はどんな人間で、どんな価値観を持っていて、日常のどんな部分を大切にしているのかさっぱり伝わってきません。そういった日常の部分が魅力的に描写されていないので、非日常のパートに推移するときにも不安感や寂寥感が全くといっていいほどありません。実は主人公が人形だったのでした! というブレラン的なオチでもない限り納得できないレベルの薄っぺらさです。
 違和感は非日常の伝奇パートに移ってからも消えることはありません。主人公はなんだかよくわからないパワー(NYP)を持っているらしくて、なんだかよくわからない敵を視認してしまうことから事件に巻き込まれるようになり、なんだかよくわからないうちになんだかよくわからない組織のなんだかよくわからないご神体(女性的な外見です)にレイプされてそこのメンバーにさせられてしまいます。何が何やら茫然自失としている主人公に対して組織のメンバーはあくまで冷たく、当初は汚い物でも見るかのような目を主人公に向けています。小学生のヒロインAは心ない言葉をかけてさっさと立ち去っていきます。同級生のヒロインBは混乱してすがる主人公に対してシャーペンの芯を目に突きつけて威嚇します。割とナチュラルに冷血人間だらけの組織です。異能を持った巻き込まれ型主人公が謎の組織に流されるまま配属され、古株のメンバーに不信感を持たれて不和が生じる。それ自体はお約束の展開でしょう。最近読んだ漫画でも『進撃の巨人』に同様の展開がありました。そこで新参くんが活躍したり誠意を見せたりしてメンバーの信頼を勝ち取っていく過程を、自然かつインパクトのあるものとして描写できるかどうかがライターの腕の見せ所です。しかし、『願いの欠片(略)』の主人公は教育係のヒロインBと一緒になんだかよくわからない任務を一回こなして雑談しただけで、そいつの信頼と好意をさくっと獲得してしまうのでした。あっという間に好感度のメーターがぶっちぎれていて、任務の帰りの電車では既に雌の顔を見せています。なんですかこれは。こんなやらせくさい達成感では感情移入もへったくれもありません。もののついでに、いつの間にやらヒロインBの好感度もうなぎ登りになっていて、テンプレのツンデレ行動を取りつつせっせこ世話を焼いてくれるようになっています。中高生向けのジュブナイルノベルにおけるナデポ、ニコポ並の不可解さです。
 プレイ途中に目に止まったのは、露骨な性描写くらいですかね。胸を愛撫する描写が普通にあったり、「失禁」「絶頂」といった単語がぽこぽこ出て来たりします。同じ全年齢でもコンシューマのCEROチェックとは基準が大分違うようです。まあ、過激な描写でもレイプ紛いのものが多く、情感があまりこもっていないので大してエロくないのですが。
 百合ゲーとしてはまともだが伝奇要素や異能バトルとしては微妙、というよくある作品です。何が何でも全年齢ゲーで女性同士の性描写が見たい! という方以外にはお薦めしません。

願いの欠片と白銀の契約者 いいかげんなレビュー・感想 まどマギもどき失禁ジュブナイルノベル
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コメント

百合ゲーとしてはまとも≠百合ゲーとして面白い、ということですかね
逆にプレイしてみたくなる文章だったので、体験版だけはプレイしてみます!

それは、あなたの目で確かめてください……!

一応百合ゲーとしてはまともなのか

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