2013年06月02日

東方・アカイイト・咲-Saki-(new!!)元ネタ比較

※三作品の裏設定に触れているので、ネタバレを気にする方は注意されたし。
 やばいな……次回は能力バトル関連記事の続きを書くとキッパリ言ったばかりなのに……スマン、ありゃウソだった。先日『咲-Saki-』考察まとめ記事を整理しているときに、私が信奉している和風伝奇百合ADV『アカイイト』と共通する伝奇ガジェットを見つけてしまい、またそれが無国籍和風伝奇STG『東方Project』にも登場していることに気付いたので、衝動的に和風伝奇百合作品のコラボレーション企画第二弾を書きたくなってしまったのだ。伝奇ゲーの読者はみんな作品間のネタ被りに大喜びするので(偏見)、取りも直さずコラボネタが大好きなのである(偏見)。
東方・アカイイト元ネタ比較(便乗)
 ちなみにこの企画はもともとDG-Lawさんへの便乗である。
このタイミングで主題歌公開とかGJすぎる
第二回、東方・アカイイト系列作品元ネタ比較
 私の中の勝っ手なイメージなのだが、「和風伝奇」「百合」の二要素でベン図を作ったときは『東方Project』『アカイイト』のぶっち切り二強が鎬を削っていた。その勢力図を崩すことになる作品が本格美少女麻雀物語の『咲-Saki-』だとはねぇ……。上の東方・アカイイト記事を書いた当時は予想だにしていなかった。『咲-Saki-』の和風伝奇要素から受けた衝撃についてはまた別の記事で語る予定だ。

 本題に入るが、私が今回気付いた三作品共通の伝奇ガジェットは役小角(えんのおづの)である。
役小角 - Wikipedia

 まずは『東方Project』について語ろう。役小角の名前は『東方妖々夢』のExtraボスである八雲藍のスペルカードに登場する。
八雲藍/超人「飛翔役小角」 - 東方元ネタWiki
 このスペルは藍が自機(文)に向かって凄まじいスピードで回転しながら突撃し、すれ違いざまに大量の弾をバラまく、というものである。小角には流刑地の伊豆島から夜な夜な抜けだして全国を飛び回っていたという逸話が残っているので、それがこの超スピードの元ネタになっているのかもしれないが、私はまた別の元ネタをこじつけることに成功した。役小角と狐ときたらあの神を語らずにはおけない。葛城山の主である一言主(ひとことのぬし)だ。小角はその桁外れの法力で、一言主をはじめとする鬼神らを服し、土木工事などに従事させて朝廷の点を稼いでいたのである。工事を急かす小角は、夜だけしか働こうとしない一言主に腹を立て、蔦葛で縛り上げて深い谷にうっちゃったんだそうな。さて、霊格の高い狐を従えた(こき使う)最強の式神使い……ときたら、幻想郷の最重要人物であるあの御方を思い浮かべずにはいられない。このスペルの正体を「紫(役小角)の命令でうざったいデバガメ記者に無茶苦茶なスピードで突っ込まされているかわいそうな藍(一言主)の図」と考えてみても面白いと思う。
 八雲紫に役小角の要素があるのはあり得る話だと思う。役小角と比較したり、服装とコミュニティにおける役割から塞さんと結びつけられたり、最近私の中で紫さんが熱い。

 続いて我らが『アカイイト』に話を移そう。面白いことに『アカイイト』にも役小角と一言主が登場している。全国3000万人のアカイイトファンにはあえて説明するまでもないが、役小角はそのままの名前で浅間サクヤルートの過去パートで出てくるし、一言主は若杉葛の相棒である尾花その人である。アカについてはてめぇで書いた解説記事が揃っているので語るのが楽だ。
アカイイト年表 尾花ちゃんの正体は?
 投稿日時を見て時の流れを感じた(ぼそっ)。『アカイイト』世界の小角は、神代の時から流れ(起源は八岐大蛇に狙われていたクシナダヒメまで遡る)、神に捧げられ神に八千の力をもたらす「贄の血」を引いていて、その並外れた法力は贄の血の《力》を制御して生み出していると説明されている。ある意味この人の存在が、本編では戦闘能力がゼロに等しい桂ちゃんが作中最強候補にまでなる「鬼切りの鬼」エンドの複線になっているわけだ。さて、小角は山神に納まっていたはずの主が贄の血を引く竹林の長者姫を生贄に求めて宣戦布告したとの噂を聞いて、流刑地の伊豆島から馳せ参じたわけだが、その際に自らが言霊の力を封じた(鳴き声すら上げないのはこのため)一言主を帯同させている。『アカ』においても仇敵にこき使われている狐さんかわいそう。小角は観月の民らからなる連合軍を率いて、みごと主を打ち倒すことに成功する。その後、凝り固まった主の魂を完全に還すために、オハシラサマの木を触媒にし、姫さまを人柱に捧げて反魂の儀式を執り行ったのもこの人である。また、自らの血縁者を不憫に思って経観塚の土地に贄の血の匂いを隠す結界を施したのもこの人だし、経観塚の外に出る贄の血ホルダーのために青珠のお守りを授けたのもこの人である。ファンの間でもあまり話題にならない人だが、こうして作中で確認できるアクティビティを並べてみると八面六臂の活躍である。一言主神はそれから長い時間を経て、かつての縄張り(葛城山)と同じ字を名前に持つ葛ちゃんと出会い、尾花と名付けられて行動を共にすることになる。その後の彼(「女だけしかいないから」と足を崩していたサクヤさんに葛ちゃんが「尾花がいますよ」と言っていた記憶がある)がどうなったかは劇中の通りである。
 ちなみに、小角が伊豆島へ流されたのは、一言主が他人の口を借りて朝廷に「あいつは謀反を企てている」「妖しげな呪術で人を惑わしている」と進言したからである。あんな目に遭わされたらそらチクリもするわな……。

 最後は『咲-Saki-』についてだ。役小角が取り上げられているのは『阿知賀編』なのだが、みなさんはどこにその要素があったかお分かりだろうか? リアルタイムで連載を読んでいて「あ、これって役行者小角やん!」とすんなり理解できた人はどれくらいいるのだろうか? 恥ずかしながら、私は上記の二作品をそれなりにやり込んでいたにもかかわらず、hannoverさんの記事を読むまでいまいちピンと来ていなかったぜ!
【バレアリ】咲-Saki-阿知賀編最終話「軌跡」穏乃、権現様を感得する。: つれづれなるままに
さくやこのはな :: 深山幽谷の化身って?
元ネタから見る穏乃と怜=竜華のライバル関係(※4月8日は園城寺で竜華会が執り行われる日です) - 私的素敵ジャンク
 そう、我らが主人公である高鴨穏乃の「山」に関する能力がこの人(プラス蔵王権現)に由来しているのである。詳細についてはリンク先の解説記事をご覧あれ。完ぺきすぎて私から語ることがほとんどない!
 それにしても、衣が口にするキーワード(修験者、修行の山道など)、高鴨という姓、能力発動字の炎のエフェクトなどから役小角と蔵王権現までは辿りつけるかもしれないが、そこからなぜしずの力が怜ちゃんを従えた竜華にクリティカルヒットするかまで推察できる人はそうそういないと思う……。あれこそ『アカイイト』でいうところの「神代の再演」だ。何のこっちゃらという方は上掲のすばらな考察を読ませてもらうといい。はたして全国一千万の『咲-Saki-』ファンのうち何パーセントくらいが自力であの地点まで辿れたのだろうか。りつべは骨の髄まで設定厨なのに説明はばっさり省くからなぁ。これが作品の難易度を跳ね上げている。同じ設定厨でも麓川御大はあんなに説明が好きだというのに(好きが悪い方向に高じてしまったのが『アオイシロ』だ)。あれだけ作り込んだ設定なら普通は得意げに語りたくなりそうなものだけどね。物語の進行に差し障るような説明を極力省いているのはえらいっ。『咲-Saki-』は伝奇要素以外に麻雀描写でも「分からん奴は置いていく!」というストイックなところがあるので、考察サイトさんには本当に助けられている。

 そうそう、『咲-Saki-』『アカイイト』『東方』共通のネタはもう一つ知っているのだが、あれはDG-Lawさんのつぶやきを見て初めて気付いたので、私がしたり顔で書いても様にならない。あの御方が書いてくれるのを気長に待つことにする。あれは『アオイシロ』の主要登場人物にも深く関わっているのでその点でもDGさん向けだ。
 次回の『咲-Saki-』に関する記事は、能力バトル解説の中編か、最近議論が熱い「魔物」の定義についてか、岡橋初瀬さんについてを予定している。予定はあくまで予定だけど。

「アカイイト」応援バナー
 アカイイトをやろう(提案)。ぶっちゃけアカイイト勢は『東方』に比べればいくらか規模が小さい『咲-Saki-』クラスタと比べても遙かに人数が少なくてさびしいのだ! お願い申し上げ奉る! どうかひとつ! この作品、ノベルゲームの初心者には難易度が高いが(伝奇要素はそれほどでもないが、テキストの作り込みが洒落にならないレベル)、敬虔な信者が「アカイイト シナリオ解読・考察・FAQ」を用意してあるので心配には及ばない(手前味噌)。
 少し前に「咲-Saki-から始めるエロゲー」という関連する要素のあるエロゲーを紹介する記事を書いたのだが、そこにしれっとPS2のコンシューマゲームである『アカイイト』を混ぜていた。あれは「いい加減アカイイトをエロゲーと勘違いしている奴うぜぇ(略)」という突っ込み待ちだったのだが、反応がなかったのでちょっとさみしかった(勝手な期待)。いや、ただ単にエロゲーと二アリーイコールな作品として認知されているだけかもしれないけど。『痕』『月姫』の流れを汲む作品であることは明白だしね。
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