2013年12月15日

龍門渕透華 龍神の荒魂と和魂

龍門淵透華と「治水」と龍神様 - 私的素敵ジャンク

 私は『咲-Saki-』というコンテンツを主に能力バトル漫画や青春部活動ものの文法から分析していますが、たまには伝奇要素についても語ってみようかと思います。今回は、龍門渕高校の部長である龍門渕透華と、彼女の能力である「治水」や関連する考察を読んでいて連想した「荒魂」「和魂」という概念について語ります。
 私が透華の人格や「龍の神」「治水」という単語から自然と思い浮かべたのが、荒魂と和魂という言葉です。なぜかというと、いかがわしい目的でプレイした『神楽道中記』という伝奇ゲーの蘊蓄で、4つのキーワードがまとめて出てきたからです。ただそれだけです(笑)。
 神様には主に二つの側面があると言われています。書いて字の通り、神の荒々しい側面が「荒魂」です。龍神(水の神)で言えば、洪水や川の氾濫などの水害が当てはまるでしょう。もう片方の、穏やかで物事の調和を取るような側面が「和魂」です。こちらは透華の能力名にもなっている、荒れ狂う川を静める治水などが該当します。なお、それぞれの側面に善悪の概念はありません。二者はエネルギーのベクトルが異なるだけなのです。例えば、洪水は人家や農作物に甚大な被害を与えたり、時には疫病を蔓延させたりもします。その一方で、肥沃な土を遠くから運んできて、枯れた土地を潤すこともあるのです。以上、上述した『神楽道中記』の受け売りでした。
 龍門渕透華には様々な点で「荒魂」「和魂」の二面性を思わせるところがあります。まずは闘牌のスタイルについてです。透華の基本的なスタイルはデジタル打ちです。その実力は「県屈指のデジタル派」(アナウンサー)との呼び声も高く、インハイでも高い和了率を残したことが語られています。常日頃からハノーヴァーの研究所による統計を取り込んだり、プロの牌譜を研究したりと研鑽に余念がありません。このような点からは彼女の慎重で理知的な要素が伺えます。同時に、ここぞというところでは理屈に合わない打ち筋を見せ、流れを掴んで勢いづいていくオカルティックなタレントも持ち合わせています。国広くんは「衣の従姉妹であることを実感させられる」と評していました。こちらは魔物の血筋を感じさせる豪胆な部分です。こうした両義的な要素を兼ね備えているところは他のデジタル打ちにはない強みでしょう。そして、これは余談レベルですが、通常時のモノローグ多めでオーバーリアクションな賑やかさとは対照的に、治水が発動している間は静謐なたたずまいで淡々と場を支配します。
 また、透華が持つ二つの側面は人となりにも垣間見えます。まず、この人は物々しい発言や気性の荒さが目立ちます。衣のためとはいえ、龍門渕高校麻雀部の在籍部員を殲滅すると宣言をし、実際に力ずくで乗っ取ってしまいました。全国でも珍しい一年生チームの爆誕です。モノローグでは「潰す」だの「トバす」だのと物騒な言葉が並びます。また、気位が高くて面子を気にするところがあります。県予選決勝で稼げなかった純くんやともきーには割と手厳しい叱責をしていましたし、チームが一時最下位に転落したときは顔面蒼白になっていました。その一方で、親族や打ち解けた身内には惜しみない親愛の情を示します。従兄弟である天江衣が孤独の身になった時には姉代わりを買って出たり(アニメオリジナルでしたっけ)、異能を持つ彼女の遊び相手を探すために龍門渕四天王をスカウトしたりとあの手この手を尽くしていました。透華の人の良さは国広一に対しても同様です。彼女を転校の根回しまでして有無を言わせずチームに引き入れて、いきなり満月時の衣にぶつけるという無茶ぶりをする一方、県予選決勝での見事な立ち回りに対しては賞賛と感謝の言葉を送り、最終的には彼女のトラウマを払拭してみせのでした。
 このように、透華の横暴で物騒な側面があればこそ、龍門渕の停滞した空気を打破して新しい風を吹き込み、全国への道を切り開いたのですし、無茶苦茶なやり口にもなんだかんだで人が付いてくるのは、ひとえに彼女の面倒見の良さ故にでしょう。去年度における龍門渕高校快進撃の裏には、龍神・龍門渕透華の荒魂・和魂それぞれの霊験が作用していたのです。
 ところで、天江衣は透華と見た目にも血縁的にも近いキャラクターですが、共通するパーソナリティも少なくありません。衣の好戦的で嗜虐的なところは池田や国広くんのエピソードで存分に発揮されています。その一方で、自分を打ち負してくれた咲にはとても懐き、健気に慕っています(咲-Saki-新シリーズ『シノハユ』BIGガンガンで絶賛連載中!)。そういえば、咲衣が好きな人は東方なられいすいかやレミ霊が好きなんじゃないかと思っているのですが、賛同者はいらっしゃいませんか。閑話休題。また、合宿ではオカルトの素質があるしずや優希に手ずから薫陶を授けていました。しずを気に入ったのはちゃんと「天江さん」と呼んでくれるのもあるでしょうが。私は全国編の衣を「魔物のスーパーバイザー」と勝手に呼んでいます。このように、龍門渕透華と天江衣は、荒魂……神秘的かつ攻撃的で近寄りがたいところと和魂……親身で恵みをもたらしてくれるところを両立していて、魅力的な「魔物」キャラとして仕上がっていると私は思います。
 以上、「衣も透華もギャップがよいよね!」ということを回りくどく語ってみました。

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