2014年04月23日

FLOWERS レビュー・感想 イノグレ-ダメ主-変死体=?

 Innocent Grey作品からダメ主人公要素と美少女の変死体要素を引いて残るものとは? 残念ながら私は何かを見出すことができませんした。救いがたいクソゲーとまでは言いませんが、イノグレ作品の例に漏れずシナリオの大半は退屈だし、キャラクターの行動には著しく説得力が欠けていて共感しかねます。平常運転のイノグレは、登場人物が「美少女の変死体を効率よく量産する」ことを第一義に理解に苦しむ行動を取りますが、『FLOWERS』のキャラクターは「少女同士の儚い悲恋」「なんだかよくわからないけどなんだか不和が起きてバッドエンド」を達成すべくレミングスのように突き進みます。始めに愁嘆場ありき、始めにお涙頂戴ありきの雑な筋運びによる悲劇は、俗に「茶番」と呼ばれます。ロジックに基づかない悲劇で読み手の心が動かせるわきゃあないのですよ。また、百合作品として評価しても平々凡々です。さすがに『屋上のなんとかさん』レベルで「禁断! 許されない! なのに、なのに、だけど愛し合っている! 凄い!」と執拗にアピったりはしませんが、同性愛は禁断で背徳的なものだという眼差しが随所で感じられます。へっぽこ表現もばっちり完備。
 ボクサーさん、私はあんたを少々買いかぶりすぎていたようです。あんたの達磨死体や串刺し死体や人体オブジェクトに掛ける情熱は、百合ゲーだから、全年齢対象だからで押さえられる程度のものだったんですか!? そして、ネタにもならない凡夫を主人公に据えて、そんじょそこらに溢れているティーン向け百合漫画みたいな脚本を書いてどうするんですか。ぬるすぎます。至高のネタゲーブランド「イノグレ」が求められているのはこういうのじゃないでしょう。民衆があなたたちに求めているのは、とびっきりのダメ主人公と穴だらけのプロットと奇妙奇天烈な推理から生み出される歯車的砂嵐の超展開ゲーですよ!
 ボクサーによる淡いタッチのビジュアルと、MANYOの楽曲だけはケチの付けようがなく素晴らしいです。

とっちらかった脚本
 私は『FLOWERS』の脚本に酷く散漫な印象を受けました。そいつはビルドゥングス・ロマンを担う主人公に要素を盛りすぎていることに起因すると思います。

①孤独に生きていた主人公が集団生活の中で社会性を確立する。
②フィクションを独りよがりな耽溺の対象から他者との価値観の共有へと昇華していく。
③フィクションの探求で培った観察眼・推理力でミステリィ(笑)を読み解き、皆から一目置かれる。
④アミティエというお仕着せの友人関係から脱却し、真に価値のある人間関係を構築する。
⑤ピアノの演奏を通した克己、孤独に陥る原因となった義母の幻影との対決。
⑥牧歌的な仲良し三人組に愛欲が入り込んで綻びが生じ、痛みによって他者を認識する。

 主人公が持つ主な属性、並びに属性やモノローグの内容から推察されるライターが書きたかったであろう展開の一覧です。ふんふむ、多層的な人間ドラマを展開しようというライターの心意気やよしでしょう。しかし、主人公の像がぶれぶれな上に(ミステリアスで聡明な文学少女なのか? 陰のある薄幸の才女なのか? KYなサブカル糞野郎なのか?)、各要素・各展開が有機的に結びついているとはおよそ言い難く、どっちつかずでしっちゃかめっちゃかになっています。ライターの描写力、情景喚起力を鑑みれば明らかにオーバーロードなので、企画段階でもっと刈り込んでおくべきだったのではないでしょうか。
 特に浮いているように感じられたのがピアノに関する要素です。演奏の描写がおざなりなのも相まって、主人公の演奏技量や彼女の中でピアノが占めるウェイトが最後までよく分かりませんでした。あくまで新しい家族に受け入れられたいが為に取り組んだ習い事レベルなら、他の代役候補を押しのけて何とか祭の奏者に大抜擢されるプロットに説得力が無くなります。逆に神童レベルで真摯に打ち込んでいたなら、愛着および執着があまりにも薄いのに疑問符が浮かびます。どう考えてもオタク趣味と関連づけた思考の方が多かったじゃないですか。
 逆に、割合上手く扱えていたと思うのはフィクションの要素です。主人公とアミティエ以外のクラスメイト……車椅子の少女と双子は、最終的に誰まごうことなき友人になります。車椅子の少女については、まず始めにフィクション好き(書痴)という共通点があり、共通の溜まり場(図書室)で時間を共有するうちに打ち解けていった友人です。一方、双子は失踪事件での活躍やお茶会などのイベントを通して仲良くなり、追って主人公の趣味に興味を示してくれた友人です。双子が何とか祭でのピアノの演奏を前にして尻込みしている主人公を『卒業』ネタで励ましてくれるところはなかなかの名シーンですね。かつて主人公が二人に面と向かって「友達になってください!」と頼んで苦笑いされていたことを思えば、遠くまで来たものですね。このように、主人公と二組の友人は、どちらもエピソードにフィクションを印象的に絡めつつも、全く異なるアプローチによって親睦を深めています。彼女たちの存在が、主人公が最終的に多様な社会性を獲得したことを鮮やかに表現しているのでないか、と私は思いました。入学直後の自己紹介で披露したロメロ風ゾンビ談義(だだ滑り)に顕著なように、フィクションの愛好は主人公の幼さを象徴するものでもありました。しかし、フィクションを幼稚で決別すべきものと一方的に断じるのではなく、人間関係の橋渡しにも、友情の証明にもなり得るものとして描いているのはフェアですね。ギークの成長物語としては上手い落としどころだと思います。


へっぽこ表現とポエムは標準装備

ふと
「悪魔と青く深い海の間で」という英語のことわざを思い浮かべ
私自身が分水嶺にいるのだと識った
後ろには悪魔、前には青く深い海がという状況――
“後がない、切羽詰まった状況”に使われる表現
どちらを選んでも救いはない
私たちの行為は神に叛するものだろう
だけれど、
優しい悪魔の囁きと、絶望の海への選択
救いのない選択を迫られている今こそ愛おしいと思えた


(――もし、八代先輩がマユリさんの性癖を知ってしまったら)
同性愛者だということを吹聴すると言われたのなら――
我を忘れ、殴ってしまうかもしれない。


小御門先輩が言ったことと同じ台詞を吐く彼女に、
思わず八重垣さんの顔を凝っと見詰めてしまう。
「おい、勘弁してくれよ。私にその気はない」


 誰か代わりに突っ込んどいてください。私はもう疲れました。

その場における許される『かりそめの制度』というものは確かにある

それはこの学校におけるアミティエという制度も然り

同性同士の恋でありながら、私たちを祝福してくれた風土然りだ


 強調は引用者によりますが、突っ込みません。

この学校ではそれほどおかしくは捉えていないみたいだけど……」

「自分の性癖を抱えていた私にとっては……拒まないでいてくれたことが、本当に救いだったんだ」

「知ったら最後、分かり易い拒絶のされ方をしたって仕方がないと思っていたからさ」

「……それは私も同じだわ」

そう告げると陰のある笑みを浮かべた。

臑に傷ある身だから批判しないってことかな?
 でも……それでも私は嬉しかったんだ」

「今まで通り一緒の部屋で過ごし――ふふ、お風呂も一緒してくれたことに」


マユリさんの秘密、

いかに同性同士に寛容なこの学校でも、秘匿していた事実が広まればこの学校に留まることはできない。

きっとこの学校を去ってしまうだろう。


 突っ込みません。


2つのクソシステムで苦痛も二倍だな
 『FLOWERS』のゲームデザインは、酷いです。

ミステリィ(笑)
 ミステリでもミステリーでもなくミステリ「ィ」なのでくれぐれもお間違いなきよう。私は「イノグレの最新作は変死体が出ない」という一報を聞いて、思わずわが耳を疑いました。イノグレはなるべく多くの女の子をなるべくレパートリーに富んだ方法で無残に殺すのがコンセプトのメーカーだと思っていたからです。ある意味、百合ゲーを出すと聞いた時以上の衝撃を受けました。して、この作品に猟奇殺人の代わりに導入されたミステリィの要素がどんなものかというと、基本の流れは

①なんだかよくわからない事件(NYJ)が起こる。
②なんだかよくわからないがヒロインに嫌疑がかかり、主人公が探偵役を買って出る。
③主人公がフィクションの蓄積を基になんだかよくわからないヒントを解読する。
④解答編、選択肢をパーフェクトで選べば晴れて事件解決! 蘇芳さん素敵ッ抱いてッ。
 選択肢を一個でも間違えるとなんだかよくわからないが不和がこじれて世界が灰色に。唐突にバッドエンド。

 こんな感じです。いやほんと、基本的になんだかよくわからなかったです。犯行の動機(事故の経緯)は判然としないし、エビデンスはどや顔で提示されても首をかしげるものがほとんどだし、バッドエンドの展開はあまりにも性急すぎてキャラの人間性が無視されている感すらありました。ヒロインに謂われのない嫌疑がかかる、人間関係が崩壊してバッドエンド、という結果ありきで、そこに至る描写がどう考えても足りていない。だから焦燥感も悲壮感も、謎を解いたあとの達成感も何もあったものではありません。
 唯一、双子の消失事件は複線と現場検証からそれなりに納得のいく推論が導き出せるので『逆転裁判』チックなしてやったり感もなきにしもあらずでしたが、やはり警察沙汰すれすれの狂言失踪を起こす動機に納得がいきませんでした。奴ら、供述で学園での窮屈な生活に対する不満が限度に達したことを語っていましたが、ここに至るまでの日常描写が下手くそなせいで生活感・空気感が全く伝わってきませんでした。テレビも携帯も使用禁止だの、夏休みも数日しか家に帰れないだの、ここで初めて聞かされましたしね。だから、やにわにそんな不満を爆発されても私はおいてけぼりでした。ひょっとすると「この事件は誘拐なのか? それとも自主的な失踪なのか?」とミステリィ(笑)を引っ張るためにあえて生活描写をカットしまくったのかもしれませんが(十中八九、単なるライターの力量不足)、ゲームデザインの都合のために読者が物語世界へ没入するのを妨げているようでは駄目でしょう。少なくとも、ノベルゲームとしては失格だと思います。
 それと、個人的にうざったかったのは、いくつかの事件ではヒントが作中に全く無く、知識があることを前提に謎解きを強要してくるところです。例を挙げると……。

①『嵐が丘』を鑑賞したことがない
②花の名称について詳しくない
③最もキリスト教徒の人口が多い国がどこか知らない
④その国の忌み数字を知らない


 このうち一つでも当てはまる人は、わざわざ調べ物をするか(グーグル先生はなかなか当を得た答えを返してくれなかった)、クイックセーブ&ロードによる選択肢の総当たりをやるかの二択を迫られます。ミステリィ(笑)パートは選択肢を一個でも誤ると問答無用のバッドエンドなので、選択肢の数が2、4、4なら最悪で32回のトライが必要ですね。「こんなもん一般常識レベルだボケ! てめぇの無教養を呪え!」と言われたらすごすご引き下がるしかありませんが。
 なお、このなかなかのなかなかな第一関門を突破しても、百合ゲージ(笑)システムのせいで結局総当たり作業を強いられます(詳しくは後述)。『FLOWERS』の真エンドに自力でたどり着くためには総当たりが必須です。
 
百合ゲージ(笑)
 いちおう断っておきますが、『FLOWERS』の分岐に関するシステムの公式名称です。マニュアルにこう書いてあるんですよ。百合ゲージ! って。名前からしてクソシステムの匂いがぷんぷんしますが、その通りです。この百合ゲージは選んだ選択肢によって増減し、特定のイベントやエンディングでの分岐を判定する仕組みになっています。ところで、皆さんは「選択肢で主人公の百合度を上げて真エンドを目指す!」という行為に対してアホくさくアンニュイな気分にならなかったのでしょうか? 私は激しい頭痛に襲われましたよ。また、このゲージの厄介なところは、割と上限・下限に近い値まで振り切らないと分岐してくれないところです。システムを理解せず、百合ゲージが中途半端な状態で中盤まで進めてしまうと、そのセーブデータは「詰み」になり、それ以降どんな選択肢を選んでも、尻切れトンボというか、尻を鉈でたたっ切ったような丸投げバッドエンドを延々と見せられる羽目になります。私はこの罠に嵌ってしまい、思わず投げ出しそうになりました。だって、こんだけ重要なシステムなのにゲーム中に説明が一切ないんですもん。「うだうだ言わんとマニュアル読めや!」と言われたらすごすご引き下がるしかありませんが。私ぁわざわざマニュアルを読まないといけない類のゲームは嫌いです。
 このシステムに狂気を感じるのは、ミステリィ(笑)パート等を除けばおよそどんな選択肢でもゲージが増減するところです。例えば、

ヒロインの髪に花びらが付いている。
①取ってあげる ②失礼かもしれないからやめておく


バレエの試験に落ちた場合の補習とはどんなものなのか話題に。
①ただの補習では? ②女教師と二人きりでの熱血指導とか


 こんな選択肢なら、何となく正解の当たりも付くでしょう(取ってあげる、熱血指導が上昇)。しかし、次のような選択肢ならいかがでしょうか。

ホットドックを食べよう。調味料はどっちを掛ける?
①塩 ②七味


昔やっていたスポーツについて聞かれる。それは……。
①水泳 ②ジョギング


 こんなん、どっちを選べばいいか分かるかぼけー!(自作の攻略によると、七味と水泳が上昇するらしい) 逐一クイックセーブして試してみないとどうにもならんわい! 不毛極まる作業です。そして上述した通り、百合ゲージは限りなく高い値か限りなく低い値でないと分岐に影響しないので、エンディングを埋めるには少なくとも一回は、ゲームをわざわざ最初から始めて百合度を振り直す必要があります。そして、これだけ苦労して百合ゲージを調節してもろくな分岐は起こらず、シナリオの大筋は9割5部方変わりません。本筋に関わりのないサブイベントがちょろっと見られたり、事件の概要を説明する役が双子か車椅子の少女か変化したりする(情報はほとんど変わらない)くらいしかないという体たらくです。苦労に全く見合わないですね。最も大きな変化は真エンドにたどり着けることですが、それすら尻切れトンボの唐突な終わり方……というオチまで付いています。これは ひどい。
 『FLOWERS』と同じく百合ゲーで、同じく意味不明なシステムが実装されている作品に『アカイイト』があります。あの吸血ゲージシステムは今じゃあ笑い種になっていますが(ある1エンドへの分岐以外全く意味がないんだぜ……)、それは『アカ』のシナリオ、テキスト、ルートデザイン、サウンド、グラフィック等の総合力がずば抜けていて、おまけに百合ゲーとしても素晴らしいから笑って許されているのです。シナリオもテキストも低品質で、劇中で提示される価値観も月並みな百合作品のへっぽこシステムは断罪されるべきだと思います。
 後は、吸血ゲージはいちおうエンディングコンプリートのやり込み要素として成立しているのに対して、百合ゲージ(笑)は一本道ゲーでトゥルーエンド到達を妨害するお邪魔システムでしかないのも大きな違いですかね。掛け値なしに誰得のシステムでした。


キャラクターはわりと好きだ
 シナリオをこっぴどく貶しましたが、登場人物は不思議と嫌いになれないんですよね。やはりサブキャラで一番人気が高いのは車椅子の少女でしょうか。この人は見ていてこっぱずかしくなるほどのコテコテな偽悪者で、いっそ清々しいくらいですよね。おまけにかなりのチョロインと来たもんだ。背伸びしている感が満載の、賢しらな語り口や乙武風自虐ジョークにもにやにや笑いが止まりません。ただし、図書紛失事件は何がしたかったのやらよく分かりませんでした。双子も、ただのおつむがちょっと足りないガヤ要員なのかと思いきや、後半までシナリオにがっつりと絡んでくるし、この人たちを通して主人公が勝ち得たものが透けて見えてきます。ただし、七不思議による失踪事件は何がしたかったのやらよく分かりませんでした。私は割と真剣にミステリィ(笑)の質の低さがこの作品のガン細胞筆頭ではないかと思っています。そして最後に、主人公さん。この人も序盤こそ、わざとくさい卑下っぷりと好意に対する鈍感っぷり、恋愛原子核レベルのモテモテマンセー、ラッキースケベイベントで女体の感触や体臭に常時発情しているさまが不気味で仕方ありませんでした。ダメハーレムゲーの主人公が女体化しただけですね。ですが物語の後半、級友とも砕けた口調で話せるようになった頃からは、友達百人出来るかな計画に関してだけは素直に応援して、精神的成長を祝福してしまいました。しかし、恋愛方面については、あまりにも一貫性の欠ける思考と行動にほとほとうんざりしました。
 このライターさん、コテコテとはいえ好感の持てる人間は書けるのだから、脚本やディテールの書き込み、ルートデザインについてももうちょっとどうにかしてほしかったですね。


ボクサーの描く女の子は問答無用でかわいい
 グラフィックについては、イベント絵の枚数こそ少ないですし、演出も大したことないですが、品質は業界水準を打っ千切っています。ボクサー先生の描く萌えいずる女体は芸術ですなぁ。衣装も、制服にしろ寝間着にしろバレエのレオタードにしろ、ひらひらなのに身体の線をあまり隠さないものに統一されていて、ロリータ映画のようなフェティが感じられました。また、この作品は全年齢対象なのですが、トゥルーエンドの直前にキスの一枚絵が見られます。身も蓋もない言い方ですが、単体でも見目麗しい少女がちゅっちゅしている絵は犯則的に美しかったです。絡みの構図も、綺麗ながらもやらしい、相手を切に求めているのが伝わってくるものでした。作者が好きで描いているのが絵面から伝わってきます。その絵を拝むまでに読まされた散漫な脚本と、クソシステムに吸われた時間のことが頭になければもっとほっこりできたでしょう。


後、MANYOの曲は上手い
 上でちょろっと書きましたが、MANYOが提供する楽曲は掛け値なしに素晴らしいです。百合ゲーマーには『アカイイト』『アオイシロ』の音屋さんと言えば通じるでしょう。ピアノとストリングスを主体にした音作りが私の琴線を揺さぶりまくりですぜ。物語の舞台であるミッション系スクールの、厳格かつ優雅な空気を醸し出すのにかなり貢献していると思います。少なくとも地の文よりずっと。エロゲーのタイトル画面曲スノッブである私の一押しは、やはりタイトル曲の「カラー」ですね。思えばこの人のタイトル画面曲はことごとく涙腺を刺激してきます。クソすぎるゲームデザインのせいで辟易するほど聴かされた「アングレカム」は、ちと印象が悪くなってしまいましたけれどね。


「『ショーシャンクの空に』が好きだ」は信用しない
 余談ですが、私は好きな映画に『ショーシャンクの空に』を挙げる人の感性をあまり信用しません。何故かというと、ありゃあ原作『刑務所のリタ・ヘイワース』の魅力をほとんど殺している映画化だからです。私はこの発言で、主人公の書痴という設定を鵜呑みにできなくなりました。ゴーマンかましますが、あの映画を手放しで絶賛しているのは、原作未読者か、そうでなければキングの魅力をそこまで理解していない人だと判断します。


「おい、変死体出なかったやんけ! 責任取ってブログ閉鎖しろや!」
「そうでしたっけ? ウフフ」
「まだ四部作の一作目やんか。ボクサーを信じろ。座して待つんや」
「責任は取る! 取るが今回まだその時と場所の指定まではしていない……」


 はたして、最近続く「古参のメーカーがやにわに百合ゲー業界に参戦→案の定、時代錯誤で頓珍漢なシロモノを発表」という流れを断ち切れるのだろうか。

(発売前に書いた記事から引用)


 わかっちゃいたけど、ダメでした。


 ダメ主人公とオール・フォー・変死体の思想こそ無いものの、イノグレの遺伝子(まず結果ありきの乱雑な脚本)は確かに息づいています。そこに劣悪なシステム、ミステリィ(笑)、古くさい百合作品の価値観が邪神融合したものだから、結果は推して知るべしですね。何でもこの作品は全四部作の序章らしいですが、そこまで読者を引っ張る牽引力は感じられませんでしたし、分割商法をするほどの大層な話とも思えませんでした。……まあ、続編がエロ有りになったらこっそり買っちゃいそうですが(小声)。これまたイノグレ作品の例に漏れず、ビジュアルとサウンドは高品質で、今作は割と好感が持てる人間が多かっただけに、上述の要素が台無しにしているのはほんのちょっぴり口惜しかったです。ほんのちょっぴり。
 私はここ一年ほどで「2010年代の百合ゲーは『素晴らしき日々』『彼女と彼女と私の七日』以外やらんでもいいんじゃないか?」と思いつつあったのですが(両作品とも価値観が前時代的なのはちょっと悲しい)、『願いの欠片(略)』『御伽噺は闇の中』『FLOWERS』とこなしてきてその考えは強まる一方です。しかし、あまりにも名作日照りが続いているせいか、最近じゃああの『星彩のレゾナンス』すら相対的に佳作認定してもよい気がしてくる始末です。困ったもんですなぁ。そんな痩せた考えではいけませんよね。はー、面白い百合ゲーがやりたい。

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Re:42-147-41-67.rev.home.ne.jpさん
そうなんですか、すごいですね。

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Re:
> どうでしょう?
あなたがそう思うなら、そうなんじゃないですか?

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Re: ntchba321152.chba.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jpさん
> へっぽこな批判にしかならなかったな
ご期待に添えず誠に申し訳御座いません。

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さっさと死ね アカイイトの事は忘れろ キチガイ

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