2018年03月30日

藤崎由愛(YUA)という不気味な「失敗作」

 相変わらずバーチャルYouTuberの動画ばっかり見ている。企業勢・個人勢を問わず、有名どころの人についてはおおよそ楽しく拝見していて応援しているのだが、一つだけまったく面白くなくて、思わず拒否反応が出る存在がいる。それが藤崎由愛(YUA)さんである。
藤崎由愛とは (フジサキユアとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
 公表はしていないが、演じているのはプロの声優である三上詩織だ。『ゆるゆり』のあかりとかをやっていた、今は2.5軍くらいの声優さんである。やる気のない上位存在とスタッフは、YUAの弟の設定から「カズヤ」と呼ばれて親しまれている。熱意の感じられない三上詩織を「声担当のカズヤ」と呼ぶ人もいる。

 YUAさんの一番の特徴と言えば、制作が完全に分業であることだ。三上カズヤは基本、用意された台本を読み上げているだけだと思われる(棒読みっぷりから)。いわゆる魂の人の比重が非常に高いこの業界では、それほど多くない体制だ。ちなみにYUAの会社は、ホームページに「デジタルYouTuber事業」なるもののビジネスモデルなるものをででーんと載っけている。
デジタルYouTuber事業

活用事例
ゲーム内のキャラクターを登場させることで、どんなタレントよりもゲームとの親和性が高い動画を提供することが可能です。

・企業公式チャンネルのMCとして、自社サービス紹介やキャンペーン告知等が可能
・ゲームキャラクターがゲーム実況する事で、ゲームと親和性の高い動画を制作可能
・アニメ番組、ゲーム、VR/ARコンテンツ等の制作
・ゲームの事前登録キャンペーンとして活用

http://event.exys2008.com/digitalyoutuber/


 うん……。視聴者も子どもじゃないんで、キャラクターには魂の人がいて、コンテンツには何人ものスタッフが関わっていて、企業勢は営利活動をしているのはわかってるんだよ。でも、ここまでおおっぴらに「事業」と宣言されたり、脂下がった面で「制作フロー」を公開されたり、「声優アサイン」と書かれたりされると、醒めるよね。キャラクターをモノ扱いしているようでそれだけでかなりの拒絶反応が出る。エンタメの業界でやっていく上で、このズレた感覚はわりと致命的だと思う。

 さて、何ゆえわれわれは、YUAに対して言いしれない不気味さを感じるのだろうか。私はそもそも見た目からしてじんましんが出るのだが(服装に清潔感がない、目に生気がなくてダッチワイフみたい、奇乳がボンボンのお色気漫画並み)、YUAとカズヤの薄気味悪さもとい魅力の無さはだいたい以下の点に起因すると思う。
1.熱意のないあざとさ
2.魂ガチャの失敗
3.連続性の無さ


 まずはあざとさについて。VTuberの動画を見る動機に、その人が楽しそうにしているところが見たい、元気を分けてもらいたいというのは少なからずあると思う。であるからして、受け手は発信側の「こんなことすれば喜ぶだろ」「こんなのがウケるだろ」という作為にはことさら敏感だし、ただお仕事だから義務だからでやっているのが伝わるとあっという間に人が引けていく。そんなコンテンツで、中学生男子の妄想みたいな奇乳露出キャラに、適性を考えずに知名度と暇さだけで選んだような、下手っぴで仕事に情熱のない声優を宛がうのはちと無謀だった。そして動画では、カズヤが書いたしまりのない脚本を、三上詩織がお仕事感丸出しの棒演技で読み上げつつ奇乳を不自然に強調しているのだから、結果は火を見るより明らかだった。三上詩織はゆるゆりの時から下手くそだなぁと思っていたが、まったく成長していなくてちょっとびっくりしてしまった。

 魂ガチャの失敗について。(だいたいの)VTuberは現実のモノに干渉できないので、トークのスキルやアドリブ力が問われる企画が多く、魂の人が持つ素の魅力や面白さが重要視される。だから魂に実力派の人を起用できるかどうかは死活問題になる。モデルがよくて機材がよくて企画や編集がよかったとしても、人がつまらないとにっちもさっちもいかない。VTuber(の少なくとも企業勢)はみな手を取り合ってという雰囲気とは裏腹に、腕っぷしが直球で問われるシビアな業界なのだ。
 三上詩織はもうけっこうなベテラン声優のはずなんだが、ここまで進行もフリートークもアドリブもできないとは思わなかった。歌でもゲームでも声帯模写でも何でも、芸と呼べるものが一つくらいないのだろうか。聞くところによると声優ラジオでもこの人がメインの回はさっぱり面白くないらしく、さもありなんという感じだ。

 カズヤ飯と呼ばれる、女子高生の雰囲気ゼロの飯ツイート。画像をネットから無断転載した前科も有り。
 なんだそのタグ。

 最後に連続性についてだが、この感覚をうまく説明できるか不安だ。Vtuber人気はSNSの文化とも密接に関わっている。キャラクターがTwitterでわれわれと同じようにアカウントを持っていて、近況報告したり面白いコメントをしたり他のVtuberと交流していたりする。他の人が配信しているチャット欄にひょっこり顔を出している。動画というコンテンツの外でも、そのキャラクターが生きて活動しているという連続性が面白いのだ。
 YUAは公表はしていないものの、Twitterは明らかに三上詩織と別の人間が担当している。ツイート内容そのものがおっさんくさかったり前後の脈絡がなかったりトンチキなものが多い上に、声優はろくに情報共有をしてないらしく、Twitterと動画でまったくキャラが一致していない。連続性はここでぶっつり切断されていて、作り物感やお仕事感がさらに際立っている。私が一番酷いと思った流れは、生放送の直前にTwitterで自分より遥かに大手のミライアカリに一方的にアドバイスを求めて(リプライでもないツイートで、これはファンネルを相手に飛ばしてリプを求めさせたり、相手に自分のツイートをチェックするよう暗に強要したりしている一番めんどくさいやつである)、にもかかわらず、放送本番ではアカリには一切触れず、好きなYoutuberを聞かれて輝夜月だのヒカキンと答えたことだ。かてて加えて、その放送で名前を出した月の意味不明なモノマネを披露するという離れ業までやってのけている。

なんなんだよお前ら! お前らなんなんらよ!
あっこれ輝夜月ちゃんのマネね
らんらんなよお前ら! YUAの胸がみらいのかよ!
あ~~~~~~~~~~~~~~なんなんらよ! 意味わかんねーよ!
揺れたとか、なにいってんだよ! YUAのこと、胸揺れがみたいのか?
なんらなんら、おっぱいおっぱいって! オッパイが揺れていればお前らはいいのか?
意味わかんねーぞ! YUAおこだよ YUA、おこだよ

(生放送より、輝夜月のモノマネ)


 動画をろくに見ていないこと丸出しの完成度である。ちなみに、Twitter担当のカズヤは以前月に絡んでいる。
 はっ?

 ここまで見事なコンボを決められると、「かなりアッパラパー」「面の皮が厚い」という印象を持ってしまっても許してもらえると思う。

 Vtuberはアクターとアバターの存在が近いことで、単なる1キャラクター以上の生きた存在感があり、価値観や人間性が色濃く感じられる。だから私は、あるVTuberの動画に惹き付けられる要素が見受けられなかったとしても、つまらないだの面白くないだのといった言葉はよっぽどのことがない限り使う気にはなれない。そんな中で、パーソナリティの中心がどこにあるのか、プロジェクトの責任が誰にあるのかさっぱりわからず、一切の気兼ねなく「失敗作」と切って捨てられるYUAさんは、やはり自分にとって特異で奇っ怪な存在なのだと思う。
 案外、藤崎由愛に感じる拒否反応を逆算していけば、われわれがバーチャルYouTuberに感じる魅力の解明に繋がるのではないかと思う春の夜だった。
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